スティーブ・エプティングのレビュー一覧
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『デス・オブ・キャプテンアメリカ』に引き続くキャプテン・アメリカ個人誌。前巻で決断した通りキャプテン・アメリカを引き継ぐが、それだけにとどまらないボリュームのある話である。明らかになるレッド・スカルの真の目的と、彼に就く周辺のヴィラン達が狙うことは様々な面に広がっており、どこを切り取っても濃い話になる。
キャプテン・アメリカの名を正統に引き継ごうとする者と陰謀に利用される者、レッド・スカルに利用される敵方の女とレッド・スカル側の女の闘い、ドクター・ファウスタスの立ち位置と見どころは盛り沢山だ。ここまでの流れを追いかける形でぜひ読んでほしい。 -
Posted by ブクログ
キャプテン・アメリカ誌だが、表題の示す通り、キャプテン・アメリカ=スティーブ・ロジャースの死を描いた作品である。そう聞くと本作を通して「死までの過程」が描かれそうに感じるが、まったく持って違う。死後、親しかった人々が陰謀を暴いたり、反抗したり、巻き込まれたりする作品だ。意外に感じるものの、この効果が絶大であり、やはり丁寧なストーリー展開がなされていて好印象である。
ヴィランの陰謀は渦巻いている中でスティーブの死と向き合わなくてはならない。そんな心理描写をしっかりとしてくれるため、本巻最後の希望が見える状況が生きてくるのだろう。
戦線に復帰している相棒、バッキーの動向はとくに肝だ。スティーブ -
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ネタバレ訳者である堺氏が寄せているコメントの通り、「キャプテン・アメリカの伝説に入門するためには最適の一冊」であると感じた。現代の話を進める上で頻繁に挿入される回想によってキャプテン・アメリカとはどういう人物か、ということがシリーズ初見の私にもしっかりと伝わった。
展開がスピード感満載で、飽きることの無いペースでアクションが来るのも魅力的である。大きな一枚絵で迫力あるダイブもあり、細かく受身の描写もありとアクションのセンスも抜群。
最後の扉絵はその1枚だけで胸を熱くさせられる。
転じて、幕間のジャック・モンローのエピソードに関してはそれまでの彼の話を読んできていない身が読むのは勿体無い。あと話には出て -
Posted by ブクログ
多元宇宙の崩壊現象「インカ―ジョン」の脅威とそれに対処する各界を代表する者の秘密結社「イルミナティ」…というだけで盛り上がりそうな人にはお勧めしたい。少なくともわかりやすい魅力が多い作品だと思う。次元同士の衝突による対消滅、というどうにもならない現象に最善を尽くそうとするメンバーの思いがじっくりと描かれていので、彼らのヒーロー性を疑うことなく読めるのが良い所だ。ただ、どうしてもヴィランとの戦いにはあまりならないので綺麗なアートの割に絵面が地味になってしまうし、絶望的な展開過ぎて乗り切れないのもある。
ただ、それだけ破天荒なことをやっていても、これまでの歴史をしっかり扱う、という武器がある。イル