天城ケイのレビュー一覧
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遂にフランドール成立の謎が明かされる13巻。フランドールがどうして今のようになったのか、という点を明かす行為はフランドールの外がどうして今の形になったのかという点も突き詰めることにも繋がるんだよね
フランドールの過去をクーファ達が知ることで、行き詰まってしまったフランドールの現状を変えるきっかけとなる。そういう話が展開されているね
これまでもクーファの力が借りられずメリダ達の力だけで難局を乗り越えなければならないストーリーは幾つもあったのだけど、この巻はそれによる不安感はそれほど感じられなかったのは意外かな
顔見知りなんて誰ひとり居ない世界、自分達の周りにいるのは邪険にする研究者ばかり、暗躍 -
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巻が進むごとに熱量が上がっているのではないかと思わせる本作、この巻では第2章完!と言いたくなるような激戦と覚悟が繰り広げられているね
表向きは華やかな武器の展示会、けれど裏で進行しているのはメリダの暗殺計画
メリダの家庭教師であるクーファはメリダに心を寄せていても所属する騎士団が裏の存在であるために暗殺計画に加担せざるを得ず、結果的にメリダへ何も知らせないままに罠が敷き詰められた地へ送り出さなければならないというのはなんとも辛い立場
ただ、そういったクーファを始めとする者達の覚悟すら読者から見れば表の遣り取りだったわけで
この巻では裏の計画として進行している筈のメリダ暗殺計画を表の事情として -
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この巻で登場する舞台と言ったら序盤の海と話の大部分を締めるギンヌンガの逆さ城くらいのものだと言うのに非常に濃密な内容になっているね
と言うか、この巻は本当に温度差の激しい展開が幾つも有るね
読み始めた当初は海で組んず解れつするシーンに「ここが最高潮なのでは?」なんて思ったりしたものだけど、読み終わってみれば別の意味でもっと凄まじいシーンが幾つも有って、海のシーンの印象が霞んでしまう
いや、本当に海のシーンは良かったんだけどね。何時になく少女達に対して攻めに転じるクーファや呑気に遊ぶ公爵家の面々の様子からは世界の危機なんて微塵も感じられなかった
だからこそ、この後に続く危機に危機が連続する展開 -
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暗殺教師クーファの下で無能才女メリダが成長していく本作、この巻では舞台が学院から外の世界へ向かうと共に、いつもの趣向から外れてクーファへと難題が振り抱える内容となっているね
王爵のフリをする中でメリダをメイドとして扱うクーファ、身元を偽るために彼に尽くすメリダ。
時には鬼畜教師とも呼ばれるクーファにとってこの関係性の方が似合っているんじゃないか?と思えてしまうのはきっと不思議ではないね(笑)
前の巻で黒幕のごとく登場したセルジュ・シクザール。どうやら彼にも彼なりの思惑と悩みがあるようで
ただ、それに振り回されるクーファにとっては堪ったもんじゃない。今回、巻き込まれることになった騒動は完全に -
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限界バトルに次ぐ限界バトルの第3巻
黒幕と呼べそうな人物の登場に拠って益々物語に深みが出てきたような印象を覚えますよ
ルナ・リュミエール選抜戦を潜り抜けたことで挑戦することに成った『ビブリアゴート司書官認定試験』
本来なら2年生から受ける試験であり、1年生ながらに受験することになったメリダとエリーゼはあくまでお試し…
なんて前フリをされたら騒動が待っていると想像するのは必然というもの。けれど、この巻で描かれる騒動は想像以上のものばかりでしたね
オペラシオンの暗躍に拠って始まる糾弾の裁判へ至る罠。無力な生徒ばかりとなった学院を襲う黎明戯兵団。そしてメリダの父を名乗る男との対決
どれも手に汗握り -
ネタバレ 購入済み
予想以上に面白かった。
マナや位階は、HUNTER×HUNTERの念とほぼ同じに感じた。
そのせいか、あまり能力や設定には真新しい感じはしない。
ヒロインは真面目で頑張り屋で素直な子。置かれている立場にめげずに努力する姿にはとても好感がもてる。
主人公が暗殺依頼を請け負った相手=つまりヒロインに感情移入して入れ込み、どうにか殺さないで済む方法を模索する。ありがちな展開だが、キャラがちゃんと肉付けもされている。
脇役も然り。
話しは読むまえから予想していて、大方のあらすじは間違っていなかったが、次巻も読みたいと思わせるくらい勢いがあって一気に読み終えた。
面白かった。
、、、のだが、なんか -
無料版購入済み
よくあるなろう系の、俺ツエーでモテモテものではない。登場人物は女の子が多いんだけど、主人公がお嬢さま一筋なのでハーレム化しないところが良かった。ハーレム大嫌いなんで。設定やストーリーも深くて読み応えがあります。パラディンとか侍とか面白いですね。途中まで読みましたが、主人公、ヒロインともにかっこいいしかわいいです。主人公、最初と性格がかわってきているような・・・。結構早い段階で甘々。少し残念。
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これまでも貴族や体制を敵に回して方々を駆けずり回ってきたクーファやメリダ達だったけど、遂には人類にとって安寧の地であるフランドールすら飛び出してしまうとは…
新たな舞台となる夜会は本当におどろおどろしい場所だね
元々本作の世界観は陽の差さない世界であったわけだけど、夜界は光源であるネクタルすら希少なのだから余計に景色は真っ暗闇となる
本作は小説だからその光景を想像することは難しいけれど、文章からは暗黒に包まれた世界の恐ろしさが伝わってくるようであった
ただ、そんな世界であろうとお構いなしにエセパジャマパーティーをしたり、お色気展開をぶち込んでくる少女達には良い意味で驚かされるが
処分に困っ -
Posted by ブクログ
作者の後書きにあるようにこの短編集はヒロイン一人ずつにフォーカスし学園での暮らしを記していた前の短編集と違って、ヒロイン達やそれぞれの状況が家庭教師の立場からどう見えているのか、という点に着目して作られているようだね
第1話 ”暁光の彩筆授業”
物語の序盤の頃にはまだ年相応の少年らしくメリダの色香に顔赤らめていた頃のクーファは何処へ……?
理由をつけてメリダを脱がそうとする彼はもうただの変態にしか見えないよ!
第2話 ”真昼の水心授業”
まさかこの作品で入れ替わりネタが描かれるとは。
状況的にはもっとキャッキャウフフが起こったって可怪しくない筈なのに真っ当にマナの講義風景になってしまうのは -
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ドートリッシュ女学園での新しい日々が始まるかと思いきや、それすらも彼女らにとって安寧の時を齎さないとは…
最早クーファやメリダ達にとってフランドールの中というだけで全てを疑って掛からないといけない状況ということか
この巻で描かれるのは禁書『黒の書』を巡る冒険譚。といっても巻の殆どはボードゲーム世界での意地の悪い冒険に費やされるのだけど
これまでもハンディキャップを背負った上での戦い、冒険というのはあったけれど、マナも使えなければ武器もない。おまけにゲームはプレイヤーの神経を逆撫でしてくる仕掛けの数々は…
メリダ達はいつも悪戦苦闘してそれを打ち破るというのは通例になりつつあるけど、クーファがこ -
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前巻でセルジュが成し遂げた革命の成果がこれでもかと浸透していく第10巻
シクザール家が弱体化した今となっては貴族嫌悪の流れは正しいのだけど、その流れによってメリダとエリーゼの仲に重大な罅が入ることになろうとは……
セルジュの革命が完璧な形でなされなかったことにより、中途半端に貴族や軍人に権限が残ってしまった。
市民はこのまま貴族に舵取りを任せてよいのかと気勢を張る、貴族はその流れに純血思想を持ち出して逆らおうとしている。いわば今のフランドールは貴族と平民、どちらが優勢になってもおかしくない非常に危ういバランスで成り立っている
その流れがアンジェル姉妹を引き裂いていくのだけど……
いやぁ、ま -
Posted by ブクログ
セルジュ=シクザールによる革命篇後編
正直、このエピソードについては始まりの前提部分にあまり納得出来ない要素があったので、個人的には何から何まで楽しめたとは言い難いのだけど、それでも革命が終盤に近づき収まるべき所に収まっていく段になると、それなりの満足感を得られたように思う
仲間にも友人にも妹にも本心を明かすことなく計画を推し進めていたセルジュ
彼がそこまで破滅的な道を歩む原因となったのは乗り越えようがない運命にぶち当たってしまったからだね
彼やシクザール家は自身に掛かった呪い、シクザール家が欠けた後のフランドールの命運を乗り越えられないと考えてしまったから犠牲が出ても希望が残る破滅を選ぶし -
Posted by ブクログ
短編集であるためか、いつもの熱血展開は鳴りを潜めて変わりに前面に出てくるのは学園描写やらお色気描写やら
本作が好きな人にとっては堪らない内容になっているね
また、普段はヒロイン4人と纏められて扱われそうなところ、ヒロインそれぞれにきちんとスポットライトが当たるエピソードが配置されている構成はちょっとオトク感が有るかもしれない
第1話 ”四季彩の秘密前夜祭”
前半部は乙女達の秘密のお茶会、後半部は笑えるパニックホラーと2つの色を持った短編
この話で面白いのは灰色の魔女よりも恐ろしい敵に立ち向かってきた筈のメリダ達が年相当の姿で逃げ惑う様子か
特に二度も天井に頭をぶつけてしまうサラシャは混乱の -
Posted by ブクログ
第2巻が『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を思い起こさせる内容であったなら、こちらは『秘密の部屋』を想起させる要素が次々と
これって狙ってやっているのだろうか?
第4巻ラストで大胆なアタックを仕掛けたロゼッティ
彼女の婚活事情から始まるこの巻はどこかラブコメじみたものになっているね。けれど、そこに曰く付きの街が絡んでくることでそれがロゼッティの正体を明らかにし、更にはクーファの出生の秘密にすら突っ込んでいく展開はさながら過去を探求しているかのよう
公爵令嬢の家庭教師をしているクーファとロゼッティって、全く異なる人生を歩んできた二人なんだけど、どこか境遇は似ている部分がある
貴族でないのに