【感想・ネタバレ】アサシンズプライド5 暗殺教師と深淵饗宴のレビュー

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Posted by ブクログ 2020年07月26日

第2巻が『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を思い起こさせる内容であったなら、こちらは『秘密の部屋』を想起させる要素が次々と
これって狙ってやっているのだろうか?

第4巻ラストで大胆なアタックを仕掛けたロゼッティ
彼女の婚活事情から始まるこの巻はどこかラブコメじみたものになっているね。けれど、そこ...続きを読むに曰く付きの街が絡んでくることでそれがロゼッティの正体を明らかにし、更にはクーファの出生の秘密にすら突っ込んでいく展開はさながら過去を探求しているかのよう

公爵令嬢の家庭教師をしているクーファとロゼッティって、全く異なる人生を歩んできた二人なんだけど、どこか境遇は似ている部分がある
貴族でないのにマナを使えて若くして高い実力を持つ。そして二人共過去が曖昧
だからロゼッティの過去とクーファの過去が同じ場所へ集約されていくのはある意味必然だったのかもしれない


一方もうひとりの主人公と言えるメリダはこの巻で大いなる試練を課されることになる
普段はメリダを守り導くクーファは襲撃事件の犯人と疑われ行方知れず、エリーゼは意識不明でロゼッティは騒動の渦中
この巻においてメリダはいつも以上に一人での奮闘を求められる。そこでメリダを支えたものはあのブラック=マディアや新生徒会長のミトナであったのだけど、それ以上にメリダの支えとなったものはクーファを信じる心とエリーゼとの絆なんだよね

特にクーファを信じる心の部分については感銘を受ける描写だったかな
前半部分では単純にクーファに惹かれているから彼を信じているのかと思っていたのだけど、メリダがあの台詞を引用した辺りでハッとなってしまったよ
いつかメリダを奮い立たせる為に使われた言葉が、逃げ隠れメリダの記憶すら封じようとしたクーファの弱い心に届いた。
つまり孤独になったメリダをそれでも俯かせなかったのはクーファの言葉が原動力としてあったからで、その言葉がある限りクーファとてメリダの前で俯くわけにはいかない

そしてこの早いとも言える段階でクーファが自身の過去や正体をメリダに話すとは思わなかったな。もう少し先送りにするものかと

覚悟の共有、記憶の共有。他にも様々なものを共有してきた二人は一心同体に近いもの。だからここからのメリダの行動はクーファがしたい行動でも有る

ロゼッティを偽りの婚姻から救うため、発破をかけたメリダの言葉やその後の戦闘には凄まじさを感じさせたけど、その後の超人二人による蜘蛛退治はその遥か上を行く激戦でしたな
ランカンスロープの因子を持つ二人による超常の、そして完全に息のあった連携は何度でも見たいものだったね
けれど、クーファが望むのはロゼッティと家族としての絆を保つことではなく、ロゼッティに明るい日なたの中で生きてもらうこと
ただでさえ天涯孤独であり、母に言葉を投げかけてくれた唯一の家族に対してこのような仕打ちをしなければならないのはクーファにとっては辛い決断だろうなぁ…


ロゼッティの記憶は再び封じれ、少女たちは目覚めた。こうして変わらぬ日常が戻ってくるかと思いきや……
やっぱりクーファの周囲だけ完全にラブコメ空間になっていませんかね?

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