天城ケイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第2巻が『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を思い起こさせる内容であったなら、こちらは『秘密の部屋』を想起させる要素が次々と
これって狙ってやっているのだろうか?
第4巻ラストで大胆なアタックを仕掛けたロゼッティ
彼女の婚活事情から始まるこの巻はどこかラブコメじみたものになっているね。けれど、そこに曰く付きの街が絡んでくることでそれがロゼッティの正体を明らかにし、更にはクーファの出生の秘密にすら突っ込んでいく展開はさながら過去を探求しているかのよう
公爵令嬢の家庭教師をしているクーファとロゼッティって、全く異なる人生を歩んできた二人なんだけど、どこか境遇は似ている部分がある
貴族でないのにマナを使えて若くして高い実力を持つ。そして二人共過去が曖昧
だからロゼッティの過去とクーファの過去が同じ場所へ集約されていくのはある意味必然だったのかもしれない
一方もうひとりの主人公と言えるメリダはこの巻で大いなる試練を課されることになる
普段はメリダを守り導くクーファは襲撃事件の犯人と疑われ行方知れず、エリーゼは意識不明でロゼッティは騒動の渦中
この巻においてメリダはいつも以上に一人での奮闘を求められる。そこでメリダを支えたものはあのブラック=マディアや新生徒会長のミトナであったのだけど、それ以上にメリダの支えとなったものはクーファを信じる心とエリーゼとの絆なんだよね
特にクーファを信じる心の部分については感銘を受ける描写だったかな
前半部分では単純にクーファに惹かれているから彼を信じているのかと思っていたのだけど、メリダがあの台詞を引用した辺りでハッとなってしまったよ
いつかメリダを奮い立たせる為に使われた言葉が、逃げ隠れメリダの記憶すら封じようとしたクーファの弱い心に届いた。
つまり孤独になったメリダをそれでも俯かせなかったのはクーファの言葉が原動力としてあったからで、その言葉がある限りクーファとてメリダの前で俯くわけにはいかない
そしてこの早いとも言える段階でクーファが自身の過去や正体をメリダに話すとは思わなかったな。もう少し先送りにするものかと
覚悟の共有、記憶の共有。他にも様々なものを共有してきた二人は一心同体に近いもの。だからここからのメリダの行動はクーファがしたい行動でも有る
ロゼッティを偽りの婚姻から救うため、発破をかけたメリダの言葉やその後の戦闘には凄まじさを感じさせたけど、その後の超人二人による蜘蛛退治はその遥か上を行く激戦でしたな
ランカンスロープの因子を持つ二人による超常の、そして完全に息のあった連携は何度でも見たいものだったね
けれど、クーファが望むのはロゼッティと家族としての絆を保つことではなく、ロゼッティに明るい日なたの中で生きてもらうこと
ただでさえ天涯孤独であり、母に言葉を投げかけてくれた唯一の家族に対してこのような仕打ちをしなければならないのはクーファにとっては辛い決断だろうなぁ…
ロゼッティの記憶は再び封じれ、少女たちは目覚めた。こうして変わらぬ日常が戻ってくるかと思いきや……
やっぱりクーファの周囲だけ完全にラブコメ空間になっていませんかね? -
Posted by ブクログ
どこか『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』を思い起こさせるルナ・リュミエール選抜戦が描かれる第2巻
第1巻はメリダの存在を学園に認めさせると同時にクーファの暗躍を描くというものだったのだけど、この巻では改めてメリダとエリーゼの関係性にスポットライトを当てているね
第1巻ではメリダとエリーゼが協力して誘拐事件に立ち向かうことで絆を取り戻した。でも、その時取り戻したのはあくまでも真っ当に話したり手を取り合ったり出来るようになったというものであって、幼少期の関係性を取り戻せたというわけではないんだよね
それに気付けないメリダ、静かに苛立ちを募らせていくエリーゼ。二人の諍いがやがて選抜戦へも影響していく様は、メリダとエリーゼの間に横たわっていた本家と分家という壁、正式なパラディンとサムライという位階の違い、何よりも大きすぎるステータスの差を如実に影響しているかのよう
そもそもこのルナ・リュミエール選抜戦はかなり風変わりな選挙戦
どの試練においても試合形式で勝者を決める形になっているのに、大切なのは観客からルナ・リュミエールに相応しいと見られているかどうかであって、真の勝者を決めるのもある意味人気投票のようなもの
目の前の敵を倒せば栄光が手に入るというわけではない
それは今回の事件も同じこと
生徒に紛れ込んだブラック=マディアを見つけ出すとかミセス・オセローの企みを暴くとか、そんな目の前の問題は大事ではなくて、この巻において最も大切な問題は突如「リタと対等でいたくない」と言ったエリーゼの心の問題
極論、ルナ・リュミエールが誰になるとか、メリダの位階がバレてしまうかもと言った問題も些末でしか無いのかも知れない
試練の中で正面からエリーゼを上回ったメリダ
それはかなり泥臭い遣り方では有ったけど、だからこそエリーゼには出来ない戦い方。それこそがエリーゼが何年も待ち焦がれていた憧れの姿だったのだろうね -
Posted by ブクログ
アニメ放送期間中に購入した筈なのに、読み始めるのが随分遅くなってしまった……
小道具とふとももに満ちた表紙に目を引きつけられる本作の特徴は後書きでも述べられている通り、クーファとメリダの教師と生徒という関係性を中心に据えつつの独特な世界観で繰り広げられるどん底からの逆転劇と言った様相
特殊な世界観であるために冒頭から専門用語が山のように出てくる。その為に読み始めて幾らかの頃はちょっと作中世界に没入するのが難しかったのは事実
けれど、その認識が覆り徐々に作中に没頭するようになっていくのはクーファがメリダに魅了され始めてからの展開だね
マナを纏うことすら出来ず無能才女と呼び蔑まれるメリダ。最下級のランカンスロープであるパンプキンヘッドにすら良いように弄ばれる。だというのに決して諦めず助けも呼ばず。ただ、自分がアンジェル家の娘だと世間に認めさせる為に夜の世界で一人戦い続ける少女
クーファが何故メリダに魅了されてしまったのかはこの時点では判然としない。けれど、彼はメリダの望みを叶えるために自身の命を懸けると決めてしまった
そこからの展開は目を引くようなものばかりだね
クーファに拠る実践的な授業。授業成果による効果を最大限のものとするため試合までマナの使用を禁止するなどの小技、メリダのメンタルを鍛えるためにわざと厳しい言葉を放ってみたり
他には……いやまあ、メリダのマナ器官に異常がないか調べるために何度もスカート捲りする場面とか大笑してしまったけどさ!あれを大真面目に続けるクーファの精神は男子中学生かと言いたくなる(笑)
序盤の苦境、中盤の修行で貯めに貯めたメリダの修行成果。それをいじめっ子であるネルヴァに対して思う存分振るったメリダの活躍の素晴らしいことったら無い
おまけにメリダを教え育てたクーファすら驚かせる技を土壇場で放って見せたのだから驚くしか無いね
そうしてメリダの成長を十二分に描いてみせたのだから、終盤で発生する誘拐事件に対しメリダが勇気ある行動と類まれな意思の強さを見せるのも納得というもの
以前から絶望的な境遇に対して諦めずに挑戦し続けていた彼女だからこそ、ランカンスロープの力を持つ包帯男にも立ち向かっていけるし、幼い頃のようにエリーゼを守るために彼女の手を奔ることが出来る
まあ、結局はクーファが全て片付けるのだけど
その辺りは仕方ないけれど、ちょっと勿体ない気がしてしまう
それにしてもこのクーファという主人公はなかなかの曲者だね
17歳という若さで暗殺業に身をやつしているというだけでも驚きのプロフィールなのに、戦闘能力は高く教師役としても従者としても申し分のない働きをしている
それでいてラストには更に驚きの正体が明かされるのだから要素盛りだくさんと言った所
その反面、女生徒に囲まれるとおどおどしてししまったりとか、焦った場面では年相応のモノローグを見せていたりもするのは有る種のギャップか
そういった面にはちょっと微笑ましい目を向けたくなるのだけど、それらの年相応の部分は教え子であるメリダには一切見せない。だからメリダは到底手が届かない憧れの存在としてクーファに焦がれることが出来る
教師と生徒、暗殺者と暗殺対象。表と裏の関係性に拠って織り成される運命共同体的在り方
メリダは最終的にクーファを殺せるような強者と成ってしまうのか、他の関係性を見いだせるのか。気になる所だね -
購入済み
アサシンズプライドとは?
一巻のみの感想です。
ストーリーは分かり無能と言われた少女の育成といったところ。成り上がりや分家騒動はよくあるストーリー。
能力はH×Hの念能力みたいなものと思えば分かりやすく。
肝心のタイトルのアサシンズプライドとは何かがいまいち理解し難い。読みこみが足らないのか一巻だからなのかは分からない。
単直に考えると暗殺者の誇りと解釈とするが、本作品、暗殺者の慈愛とか暗殺者の制約とか自慢の弟子でさえもアサシンズプライドと当て字されている。心境の変化を表しているのだろうか?しかし、主人公の確信が全く分からない。辛うじて読み取れるには心境の変化により無能たる少女を鍛え上げることであり、なぜ、その選択を選んだのかが分からなかった。任務なのだから暗殺でも良かった。しかし、命を懸けてでも生かす選択をした動機がアサシンズプライドなのだろうけどもこの意味も分からないのでもやっとした。