荻野進介のレビュー一覧
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アリストテレス
3つの知識
エピスメーテ、テクネ、フロネシス
・エピスメーテ=形式知。科学的、認識論的な知識。
・テクネ=暗黙知。実用的なスキル、ノウハウ
・フロネシス=実践知。形式知と暗黙知を組み合わせイノベーションを生む知恵。
フロネシスとは、多くの人が共感出来る「善い目的」を掲げ、個々の文脈や関係性の只中で、最適かつ最善の決断を下すことができ、目的に向かって自らも邁進する人物が備えた能力。
そうした実践的リーダーの特徴が次の6つの能力
1.善い目的を作る能力
2.ありのままの現実を直観する能力
3.場をタイムリーにつくる能力
4.直観の本質を物語る能力
5.物語りを実現する能力(政治力)
6.実践知を組織する能力 -
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失敗の本質が失敗から学ぶスタイルに対し、こちらは成功から学ぶスタイルであるが、こちらも名著だと思う。
この本ではチャーチルとアイゼンハワーを中心に話が展開される。チャーチルの話では、経験豊富で大局観を持った人間が高い視点からアナロジーシーズニングを用いて、物事の対処をすると如何に優れた政治的対応ができるかの良い事例になっている。ヒットラーのようなブームに乗って登場するような才能はあるにしても訓練されていない政治家とは長期のスパンで見れば、勝敗は見えるということだ。日本もそういう意味では、こうした事を良く理解しておいた方が良い。
アイゼハワーの方は、米軍は学習する組織運営に長けているという事が良く分かる。失敗の本質でも気付いたが、状況を見て軌道修正できる事が、一番のストロングポイントではないかと、この本を読んで感じた。スーパーマンがキレキレの頭脳で勝ち切るイメージとは違って、比較的地味な印象を与えるアイゼハワーのような人格の持ち主が大組織を学習する組織に運営する事ができるのであろう。 -
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リーダーシップの教科書といいながらノルマンディ上陸に関する良質なドキュメンタリー。
後半までは、人類史上初の大動員を描き、人間模様も描き的確な歴史の教科書であり、非常に面白い。
「同盟間の熾烈な権力闘争」から「命を懸けた戦場の記録」まで、リーダー、スタッフ、現場担当のどの観点でも読める。
肝心の題名のリーダーシップに関する分析は、最後の項目にあり、著者ならではの鋭い観点で総括されており、ビジネスマンからも納得させる。
平凡でつまらないアイゼンハワーが、平凡なフリした天才なのかを分析し、説得力がある。
一見地味で、多くを語らず、知己に富みながら、立派な仕事を成し遂げる人が、人生の中にいた事を思い出しました。 -
Posted by ブクログ
史実として第二次世界大戦は日本を含む枢軸国が敗れ、連合国側が勝利したこと、ノルマンディー上陸作戦という事実や言葉は知っていても、それが具体的にはどのような戦いであったかということについてはまるで知識がありませんでした。同じく、チャーチル、ルーズベルト、アイゼンハワー、マーシャル、名前だけは聞いたことがあったものの、具体的にどのような人物で、何を成し遂げた人なのかの知識もありませんでした。
本書により、新たな知識を得ることができただけでも、読んだ価値がありました。
第1章から第6章は、ひたすら連合国がどのように戦いを進めていったかということが詳細に記載されています。正直、初めて読む者にはなかなか読みにくかったですが、物量面でドイツを圧倒していたであろう連合国側にも(当然と言えば当然ですが)、ときに失敗があり、多大な犠牲があったことが分かりました。
本書で一番感銘を受けたのは、第8章の「アイゼンハワーのリーダーシップ」でした。
過去のアメリカの大統領にアイゼンハワーという人がいたことは知っていたものの、どんな大統領であったかについては何も知りませんでした。
連合国軍最高司令官として戦争を知悉していたからこそ、ソ連との冷戦下で戦争を回避しようと努めた旨の記載に深く心を打たれました。
フルシチョフに自分の家族を会わせ、その態度を軟化させたというエピソードがアイゼンハワーという人をよく表していると思います。
これから、20世紀の優れたリーダーについての伝記等も読みながら、自分の仕事にどのように活かしていくかということも考えていきたいです。 -
Posted by ブクログ
計画から実行まで2年2ヶ月、合計39個師団、将兵300万人、6000隻の艦艇、1万4千台の車両を投入して行われたノルマンディ上陸作戦。この"史上最大の作戦"において発揮されたリーダーシップ、決断をアイゼンハワー、チャーチル、あるいはヒトラー、それぞれの観点から捉え分析をしたかなりマニアックな本。
まずは、改めてノルマンディ上陸作戦の大規模さ(上記の規模を半年近く続けた)、複雑さ(多国籍軍であった)を初めて詳細に知ることができた。いやあ、これはすごい偉業だ。その上で、上記3名のほかにもパットン、ロンメル、モンゴトメリー他の将校の行動も含めそれぞれのリーダーシップを詳細に見た上で、終章でアイゼンハワーのリーダーシップの分析に移る。そこには具体的に6つのリーダーシップにおける重要な要素を導き出すわけだが、特に「善い目的を作る能力」を哲学用語の"フロネシス"という概念を用いて説明し、結局はこの能力がアイゼンハワーは決定的に高く、そして重要であったと結論づける。
アイゼンハワーは常に「善い目的」を構築し、それで場の文脈を作り上げ、実践的知恵で実現、物語っていったことにより、史上最大の作戦を勝利に導き、その後大統領となり、近年再評価されつつある"第三次世界大戦から人類を救った男"になったと分析する。
途中、野中さんの戦史好きが発露されてか、作戦の詳細に記述が行き勝ちであるが、終章のリーダーシップ論は、何か困難な挑戦や大きな組織を率いる等に際して、とても参考になるはずです。
本当は「戦略の本質」の1つの章として書こうとしたらしいので、上記の本が好きな方にもオススメ。