落合弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家禄や秩禄が漸減的に処理されましたことがわかります。始めに土佐藩など一部地方が家禄を売買可能な禄券化し、政府も後に採用します。その後大久保政権下で家禄奉還制がとられ、金禄化もしました。そして最後に強制的な金禄公債の発行、秩禄処分の完成です。士族の扱いについて当時の新聞の論調には、性急なものから慎重なものまで様々あったようですが、士族にとっては真綿で首が締まるように既得権が奪われたように見えました。
第1章で秩禄処分とは直接的には無関係に見える江戸期の武家について深く解説しています。これが後々の理解に大変有意義でした。武家は戦闘集団の最小単位を構成し、戦時への備えを義務とする代わりに家禄を得てい