牧野有通のレビュー一覧

  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    バートルビーだけ読んだ。
    「そうしない方がいいと思います」

    バートルビーは一般社会の人間からするととてもおかしな人に見えるけど、本当にそうなのかなあと考えたり、雇い主である語り手のバートルビーに対する態度が複雑で、でも分かる気がする感じがしたり。届かなかった手紙を処分する郵便配達人だった過去も意味深。喜劇要素が絶妙で、どんどん読めてしまう。

    0
    2024年06月02日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    雇い主の弁護士の善意も常識もまったく通じないバートルビー。こんな人物が現実に現れたら、私も翻弄され、ただ腹を立てるだろう。人間社会のルールに従わないと、生きる権利を失う世の中。説明可能な言動以外は許されない。人間が常日頃、いかに四角四面の生き方を強いられているかを実感した。

    0
    2022年01月14日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    これは面白かった。バートルビーのおよそ理解できない行為。バートルビーを許すどころか助けようとする雇用主。同僚たちの奇行。謎解きのように語られる過去。それでも理解は進まない。こんな不可解な話なのに先を読まずにいられない。
    漂流船は実話にもとずく作品だが、巧妙に仕掛けられた作者の罠によって、疑心暗鬼を深める。そして最後のどんでん返し。やられました。

    原題:BARTLEBY,THE SCRIVENER/BENITO CERENO

    書記バートルビーーウオール街の物語
    漂流船ーべニート・セラーノ

    著者:ハーマン・メルヴィル(Melville, Herman, 1819-1891、アメリカ・ニューヨ

    0
    2019年10月31日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    両作品ともミステリー仕立てのように読んでみると面白いと思う。特に書記バートルビー。不条理の世界に生きているかのように描かれるバートルビーだが、実はこの世の中そのものが不条理であったのだという真実が明かされるのが鮮やかだと感じた。

    0
    2017年07月08日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    語り手はウォール街の一角で法律事務所を営む年配の男。彼はターキーとニッパーズというあだ名の二人の筆耕と、ジンジャーナットというあだ名の雑用係の少年を雇っていたが、仕事が増えてきたために新たに代書人を雇い入れることにした。募集広告に応じてやってきたのは、バートルビーという名の、品はいいがどこか生気に欠けた青年。彼は、当初は非凡な量の筆耕をこなしていたが、しかしあるとき所長に呼びかけられて、書き写したものの点検のための口述を頼まれると、「せずにすめばありがたいのですが」とだけ言って再三の頼みを拒否する。ウォール街の法律事務所で雇った寡黙な男バートルビーは、決まった仕事以外の用を言いつけると「そうし

    0
    2025年10月22日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者のメルヴィルさんは、1819年、NYで生まれ、ここに収められた2つの作品は、代表作『白鯨』(1851)のあと、「書記バートルビー」(1853)、漂流船(1955)ー30代前半に、書かれたそうです。

    時代設定が気になるので、解説を少し見てから読む。

    1953年とは、ペリー来航の年だ。アメリカは、建国からどれぐらい発展してたのだろう。

    トクヴィルの本は、出版は1935年だ。リンカーン大統領の奴隷解放宣言は1863年。

    _かくして「漂流船」という作品は、南北戦争直前の時期に出版されていながら、奴隷制の本質をすこしの弛緩もなく描いているだけでなく、一般の白人層には直接的に反発させないだけの

    0
    2025年05月31日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    メルヴィルと言えば白鯨。書記バートルビーは初読。
    仕事はできるのに、一切を拒絶するバートルビー。生きることさえ拒絶し餓死する。不条理がおもしろい。

    0
    2021年12月18日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    こんな人いたら嫌だ。でも結構近しい人って仕事してると見かけるし、自分も他人からするとそうかもしれない。
    バートルビーは結局何を求めていたんだろう??

    0
    2021年12月13日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    ブンガク
    かかった時間 たぶん180分かそれ以上

    さいきん、『文学こそ最高の教養である』という新書を読んでいる。光文社古典新訳文庫の編集者が、各作品の翻訳者と行った対談を書籍化したものだ。

    せっかくなので、その中からいくつか気になるものを買って読んでみることにした。そのひとつが本作品。

    メルヴィル、知らなかったけど、ものすごく謎が多くて、ホラー?サスペンス?だ。あ、ミステリーか?(違いがわからん)

    書記バートルビーは、表面的には今でいうコミュ障の話として読むこともできるが、翻訳者の力で「それだけではない」感が残る。語り手の弁護士自体もそうだが、全体的に奇妙。そして、「お分かりにならない

    0
    2020年08月15日
  • 書記バートルビー/漂流船

    Posted by ブクログ

    バートルビーは、主人公の心の広さや葛藤が細やかに描かれており、感情移入ができます。結果のところバートルビーがなぜ頑なのかはわからないままではあるが、読み手の感情を揺さぶる人物であることは間違いなく、作者の意図にまんまとかかってしまいます。
    漂流船は、なんだか方向感がない展開でめんどくさくなって読み飛ばしました。ミステリーだったんですね。展開次第ではもっと魅力的な作品になりそうな題材ですが話の筋に関係ない部分が多く注意散漫になってしまいました。

    0
    2022年03月13日