畠山丑雄のレビュー一覧

  • 叫び

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    これを読むための関西旅行へ出た。やわらかくたおやかな関西弁を纏って舞台となる大阪を歩く。新大阪の駅のお土産屋で昨年現地で出会えなかったミャクミャクのぬいに邂逅し、値段も見ずに今回の旅のお供になってもらった。作中にも大阪万博の描写がある。阪神梅田駅の外装を見ながら人が多く迷路のような駅周辺を歩いているとほんとうにまた万博に来たみたいで、夏手前でもくらくらするような暑さと人混みを思い出す。大阪万博ではずっと未来の話をしているはずなのにあまり希望的に思えなくて、むしろ国外で起こっている戦争についても言及される雰囲気はなく、ずっと他人事みたいだったことをよく覚えている。わたしもどこか怒りのような叫びだ

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    2026年05月07日
  • 叫び

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    興味深い一冊だった。
    僅か135ページだが、その文面にはこの日本という国家の長大な叙事詩が、不器用ながらも緊密に編み込まれている。

    同時に独自の滑稽な雰囲気があって、それがこの壮大さに直結している(ように見える)ところが特に面白い。その結びつきは荒削りでありながら力強い。
    やはり芥川賞作品はこうでなければと考えさせられた。

    大阪府茨木市という地域密着型の小説であったため、近畿在住の僕にはその雰囲気がよく掴めた。
    よく阪急京都線で通り過ぎている(が、降りたことはない)あの街をイメージすれば良かったのだから。

    平坦な建造物が所狭しと建ち並び、その遥か奥には小高い丘のような山々が聳えている、そ

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    2026年04月30日
  • 叫び

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    ネタバレ


    面白かったです。この物語を軽妙に感じられるのは関西弁のトーンによるところが大きいかも。
    主人公には同情というかなんとなく親身になってしまうところがあって、切なかった。
    空気も読めるし、行動力もあって、いろいろ解ってるのに不器用なんだよなぁ、、。ちょっと異常な感じで独りで話す人、私はわりと好きです。
    先生に出会ってしまったのが運の尽きだったか。銅鐸の音に引きつけられて出会う場面はすごく面白かったけど。いややっぱり本人の性質による展開か。

    茨木童子は聞いたことがあったけど、銅鐸やオニくる、二反長音蔵によるケシ栽培などは初めて知ったので興味深かったです。
    関係ないけど、漫画『満州アヘンスクワッド

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    2026年05月09日
  • 地の底の記憶

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    芥川賞受賞作『叫び』より物語設定が面白い。藤沢周の解説が言いつくしている。ただ、物語の盛り上がり、カタルシス感に引っ張られて表現がすこし抑制が効かなくなっているところがあるような気がした。が、面白い。畠山丑雄氏の作品は読んでいると演劇の戯曲になったものを読みたくなる。それも小劇場演劇やテント芝居のような。

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    2026年05月01日
  • 叫び

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    「叫び」のタイトルと、表紙のインパクトのある色合いと、内容を知らずに読み始めた。

    大阪万博に行っていないので、
    読みながら行ったった気分になれた。

    銅鐸の作り方、土地の歴史など、面白かった。

    川又青年と早野ひかるが違う時代を交差しつつ、不思議な世界に連れてかれた。

    関西弁がとてもほっこりした。

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    2026年04月29日
  • 叫び

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    小難しい話かと思いきや、エンタメ感もかなりあって読みやすく面白かった。

    「『叫び』の早野が持っている、「僕がここに来た理由はこれだったんだ」という、自分で見つけたかけがえのないアイデンティティというのは、やっぱり捏造されたものではあるので、すごく危ないとも思うんですよね。陰謀論とほとんど同じであって、それを信じすぎたことで早野自身も破滅に向かってしまうわけです。」ーー三宅香帆との対談より

    早野が川又青年と自身とを同一視することが極まった結果としての破滅、それに至るまでのプロセスもかなり笑えて、それだけで十分、という感じではあるのだけれど、現代におけるアイデンティティの問題を平凡な市井の人の

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    2026年04月28日
  • 叫び

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    TBSラジオ「アトロクブックフェア」に登場した小説家・小川哲氏の上手な推薦の口上に惹かれて読みました。以下、ブックフェア冊子より転載します。
    『意味わからん人が意味わからんものを作ってる話。世界初の銅鐸恋愛小説!』
    これ以上でもこれ以下でもないですが、間違いなく面白いです。3.9

    【蛇足】
    一人一冊限定という中で(すでに芥川賞候補作である)本書を選んだ小川哲氏の姿勢が素晴らしいと思いました。このような催しだと、ついつい気を衒ったりしたくなるものだと思うのですが、シンプルに面白いと思う本を選ぶ素直さが素敵です。

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    2026年04月26日
  • 叫び

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    不思議な小説でした。大きな物語として読もうとしてもまとまらない。破綻するか説明し切らないか。主人公のことを考えると、もうちょっとポジティブに書いたらどうかと不安になるぐらい救いがないし、さらには個性が書かれていない。誰が何に叫んでいるのか分からなくなる。先生は面白いけど、私はそんな先生にみたいにはなれないなと思うと絶望を感じる。すごい小説かもしれないけど抉られる。

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    2026年04月20日
  • 叫び

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    ネタバレ

    芥川賞受賞作品ということで読んでみた。

    主人公の早野の不器用な姿と
    関西弁が面白くて引き込まれる。

    過去と現在が重なりあって、
    不思議な読後感である。
    全体的に短くて読みやすいが
    難しい漢字が多かった。

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    2026年04月19日
  • 叫び

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    錯綜する過去と現在。川又青年と私。罌粟と銅羅。グッと引き込まれたけど、最後、「何か危ないなー」と…。

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    2026年04月01日
  • 叫び

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    銅鐸とか罌粟とか、ヤバい人ばかりのアブナくて胡散臭い物語だけれど、笑いとシリアスと、世知辛い現実と雄大なファンタジーがごちゃごちゃ混ぜこぜになった感じが清々しくもあるのが不思議。最後まで真面目でシュールな世界だった。

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    2026年03月29日
  • 叫び

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    芥川賞受賞とのことで興味を持ち手に取る。
    現代の日常生活から、銅鐸を通して歴史と思想が詰め込まれた物語で、不思議な世界観だと思った。
    場面描写から心の声に切り替わると文体が変わり惹き込まれる。でも文章が堅く難解で頭にスッと入らないことも。「聖」についての解釈が面白くて変に納得してしまった。最終的にやばいやつとして見られてしまう主人公になんとも言えない感情が湧き上がるが、人って繋がりとか縁で生かされるのかなと感じた。

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    2026年03月27日
  • 叫び

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    主人公の早野は、彼女から振られたことをきっかけに、先生と出会い、「地下」へと入っていく。
    地下とは現代の日本の教育で教えていない日本の歴史であり、早野は戦火時、天皇のためとアヘンを栽培していた川又青年に入れ込んでいく。
    天皇の力があり良くも悪くもその力で一つにまとまろうとしていた日本と、現代の個人の自由が保障されている社会の比較がされているように感じた。

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    2026年03月19日
  • 叫び

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    これ女の人バージョンで書ける人いるかなあ。振られる話と
    芥子の話と銅鐸と万博と、地下とか歩くこととか。
    読ませられた。

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    2026年03月17日
  • 叫び

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    早野青年の蒙を啓くため、銅鐸の音を聞かせるため、川又氏の念を通させるためというラストシーンには切ない気持ちになってしまった。とはいえ、最初から最後まで楽しく(というか、ふむふむ感)読み通せた。
    芥川賞、受賞おめでとうございます。こういう機会じゃないと関西弁を身近に感じられないし、行けなかった大阪万博の状況も楽しめることがなかったので。
    純文学というだけで一歩引いてしまうような方にも手に取っていただきたい本です。

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    2026年03月16日
  • 叫び

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    芥川賞受賞作。帯に期待したらイマイチだったということはよくあるけれど、これは逆。真っさらな満州で陛下を思い人生を投じた川又青年と今の日本で銅鐸作りを先生に学びながら一人の女性に恋をする。大阪万博の栄華と埋もれた叫び…。期待を超えた面白さだった。難しい漢字が多いけれど、言葉が心に直接届いていくような心地よさだった。

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    2026年03月15日
  • 叫び

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    京大文学の系譜?ダウナーな浮遊感のある文章。
    聖とか銅鐸とか罌粟とか天皇とか、昭和の純文学っぽくもあり、主人公の切実さがどうしようもないところとか。こんな万博小説があったのか、という驚きもあり。面白かった。

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    2026年03月10日
  • 叫び

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    銅鐸、罌粟(けし)畑、万博会場、天皇・皇后両陛下、いったい何が言いたいねん、さっぱりわからへんがな、もうつかれるねん。

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    2026年05月11日
  • 叫び

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    ネタバレ

    「せやし僕の育てた罌粟畑を陛下に一回だけでも見てもろて、よう頑張ったな、て言うてもらいたいねん」と川又青年は言った。もう走り出していた。「せやなくても、陛下のために花畑が、今も向こうで咲き誇ってますって、せめてそれだけでもお伝えせんことには」(p130)

    ここの一文だけが、今、自分の置かれている状況と重なって、心に刺さってしまった。戦時中に、国のため、植民地を回って罌粟畑作りをした川又青年は、戦後、自分のやってきた仕事を全否定されることになる。一度だけでも見てもらいたい。「よう頑張ったな」と言ってもらいたいという言葉には、切実な思いがあるように思う。
    人のやってきた仕事などというものは、大な

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    2026年05月07日
  • 叫び

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    第174回芥川賞受賞作。
    とてもつかみどころのない作品だった。日常的なことを取り扱っているが、次から次へとエピソードが繰り出される。その狙いもわからないまま、結論を出すことなく、新たなエピソードが現れる。何を言いたいのか、いずれ明らかになるかな、と待ち望みながら読み進めるが、状況は好転することなく、最後には突然放り出される。タイトルの「叫び」は読者の読後の思いから発せられるのでは、と勘ぐりたくなる。
    物語は職場での何気ない会話からスタートする。土日の選挙事務に誰か対応できるか、との上司の依頼に対して、主人公の早野は銅鐸作りがあり、出れない事情を説明する。その銅鐸を今度職場に持ってきてよ、との上

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    2026年04月25日