畠山丑雄のレビュー一覧

  • 地の底の記憶

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    畠山丑雄は、1992年生まれ。畠山丑雄のデビュー作で2015年に出された。この本を読んでいると、随分と年寄りのような気がする。作者は、私の上の世代のような年配の方だと思った。

    舞台は、宇津茂平という地域。日本海側の架空の土地。そこは、ロシアとの繋がりもある。
    その宇津茂平の100年近くのクロニクル。1902年から始まり、日本の隆盛、そして、戦争、現代に繋がっていく。

    宇津茂平は、かつて鉱山開発で繁栄した歴史を持ち、広がった平野にポツンと立っている巨大な電波塔と、山の麓に広がる深い青黒い森林が特徴的だ。その青黒い森が、物語を引きづり出していく。
    青黒い森には、水車小屋がある。また、鉱山の跡地

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    2026年07月27日
  • 叫び

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    ネタバレ

    師匠の説話が言ってることの半分くらいよくわからないのだけど
    わかる部分はとても本質をついていて
    共感することが多かった。
    おもしろかったという感想だが
    書いてあるのことの半分くらいは読解できていない気がするので
    また再読したい。
    読解できていないのにおもしろかったと思わせてしまう魅力が
    この本にはなんかある。
    「夢とロマン、恋愛政治小説」とかそんな分類ではないのでは?土着民俗小説?
    でもたしかに時空を超えるロマンはある。

    主人公の「銅鐸の聞き比べしよ」という口説き文句が
    とてもチャーミングで笑った。

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    2026年06月28日
  • 叫び

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    これを読むための関西旅行へ出た。やわらかくたおやかな関西弁を纏って舞台となる大阪を歩く。新大阪の駅のお土産屋で昨年現地で出会えなかったミャクミャクのぬいに邂逅し、値段も見ずに今回の旅のお供になってもらった。作中にも大阪万博の描写がある。阪神梅田駅の外装を見ながら人が多く迷路のような駅周辺を歩いているとほんとうにまた万博に来たみたいで、夏手前でもくらくらするような暑さと人混みを思い出す。大阪万博ではずっと未来の話をしているはずなのにあまり希望的に思えなくて、むしろ国外で起こっている戦争についても言及される雰囲気はなく、ずっと他人事みたいだったことをよく覚えている。わたしもどこか怒りのような叫びだ

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    2026年05月07日
  • 叫び

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    興味深い一冊だった。
    僅か135ページだが、その文面にはこの日本という国家の長大な叙事詩が、不器用ながらも緊密に編み込まれている。

    同時に独自の滑稽な雰囲気があって、それがこの壮大さに直結している(ように見える)ところが特に面白い。その結びつきは荒削りでありながら力強い。
    やはり芥川賞作品はこうでなければと考えさせられた。

    大阪府茨木市という地域密着型の小説であったため、近畿在住の僕にはその雰囲気がよく掴めた。
    よく阪急京都線で通り過ぎている(が、降りたことはない)あの街をイメージすれば良かったのだから。

    平坦な建造物が所狭しと建ち並び、その遥か奥には小高い丘のような山々が聳えている、そ

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    2026年04月30日
  • 叫び

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    ●感想

    この作品から、人は「何者でもない自分」を受け入れることが、とても苦手なのだと思った。

    早野は、縁もゆかりもなく、その地にいる理由さえなかった自分から、先生や銅鐸と出会い、川又青年に自分を重ねることによって、自分の生きる意味を見いだしていく。そして、次第にその物語へのめり込み、執着するようになる。

    しかし、早野を特殊な人物だと捉えるのは早計だろう。さまざまな偶然や偏った見方によって作られた歴史物語であっても、それを大切にすることは、人間らしさの表れであり、生きるうえでの拠り所にもなる。だからこそ、早野の感覚は多くの人にも理解できるものだと思う。

    何かを信じて一生懸命になることは、

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    2026年08月13日
  • 叫び

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    結構好きだった。
    万博っていうタイムリーな話題もあり、リアリティを持って読めた。

    また、芥川賞の選評を読んでより理解が深まった。
    島田雅彦の選評から、東日本出身者と西日本出身者で評価が変わる(ウケが違う)というのはなかなか興味深いなと思った。
    山田詠美がいう、エピローグというのは天皇妨害の逮捕の件かな?確かに最後に唐突だなとは思うが、予定調和が裏切られる良さはあった。ふと思い出すと、ちょっと「蹴りたい背中」みがある…?
    複数の人が言及している、聖の説得性の低さというのは、確かになぁと思った。

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    2026年08月06日
  • 叫び

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    雑誌で読んでいたので再読

    なんか体の内側から叫びたい事が
    溢れ出すパワフルな主人公だったなぁと
    思ったけど
    ロマンとか恋愛は感じなかった。

    共感は難しい、、

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    2026年07月06日
  • 叫び

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    現代と過去をその土地の歴史をもとに結びつけて、万博から満州国まで遡りながら描かれる話は、村上春樹さんのねじまき鳥を思いだしました。やや話が強引かなと思いましたが、言葉や文章が上手く最初から最後まで飽きずに一気読みできて面白かったです。
    中身が空ろに思える主人公は、日本人の危うさが投影され描かれているのか?

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    2026年06月14日
  • 叫び

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    お前が大洋の一滴であることに、お前自身はかかわりを持てない。

    恋人に振られ自暴自棄になっていた主人公。鐘の音に誘われ、生活保護を受ける銅鐸の先生と出会う。師に仰ぎ銅鐸作りを学び、そして物語は関西万博へと移ろい、かつて満州に渡った青年と人生が交錯する。
    読みやすいのに分からない芥川賞受賞作品。淀みなく端麗な文体に引き込まれていくのに、どこにいるのかを見失ってしまう。古典文学に近い。
    土地に刻まれた叫びは、聞き取る者がいればこそ存在しうるのか。どうにも無情で空虚。あるいは、どことなく滑稽かもしれない。書評でラストシーンは蛇足と書かれていて、それには同意(135頁★4.0)

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    2026年06月06日
  • 叫び

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    おお?なんだかよくわからなかったけど、わからなさも面白い。本当に罌粟を栽培してたんだ…本当なのか想像なのか曖昧なところも面白い。

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    2026年06月02日
  • 叫び

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    ネタバレ


    面白かったです。この物語を軽妙に感じられるのは関西弁のトーンによるところが大きいかも。
    主人公には同情というかなんとなく親身になってしまうところがあって、切なかった。
    空気も読めるし、行動力もあって、いろいろ解ってるのに不器用なんだよなぁ、、。ちょっと異常な感じで独りで話す人、私はわりと好きです。
    先生に出会ってしまったのが運の尽きだったか。銅鐸の音に引きつけられて出会う場面はすごく面白かったけど。いややっぱり本人の性質による展開か。

    茨木童子は聞いたことがあったけど、銅鐸やオニくる、二反長音蔵によるケシ栽培などは初めて知ったので興味深かったです。
    関係ないけど、漫画『満州アヘンスクワッド

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    2026年05月09日
  • 地の底の記憶

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    芥川賞受賞作『叫び』より物語設定が面白い。藤沢周の解説が言いつくしている。ただ、物語の盛り上がり、カタルシス感に引っ張られて表現がすこし抑制が効かなくなっているところがあるような気がした。が、面白い。畠山丑雄氏の作品は読んでいると演劇の戯曲になったものを読みたくなる。それも小劇場演劇やテント芝居のような。

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    2026年05月01日
  • 叫び

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    「叫び」のタイトルと、表紙のインパクトのある色合いと、内容を知らずに読み始めた。

    大阪万博に行っていないので、
    読みながら行ったった気分になれた。

    銅鐸の作り方、土地の歴史など、面白かった。

    川又青年と早野ひかるが違う時代を交差しつつ、不思議な世界に連れてかれた。

    関西弁がとてもほっこりした。

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    2026年04月29日
  • 叫び

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    読み始めはとにかく「途中で何が何だかわからなくなる」作品だった。
    昭和と令和、大阪(北摂)の歴史と満州の大陸、銅鐸にアヘン、さらに万博……膨大な情報と入り組んだ視点に脳の処理が追いつかず、挫折しそうになる。
    大阪生まれ大阪育ちだが、正直「茨木」という土地には思い入れはない。途中で歴史や万博への強いこだわりに付き合うのをやめ、人間の執着やドラマの熱量だけに絞って読むことにした。

    特に印象的だったのは「しおりさん」という人物の異様さだ。出会って間もないのに親の悲しい過去をさらけ出してきた時の、あの心の土足感と圧倒的な暗い磁力。「信じちゃダメだ」と警戒信号が鳴り響くリアリティがあった。

    そして、

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    2026年08月15日
  • 叫び

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    難しい話だった。
    きっと理解出来ていない、私は。
    戦前、楽土という理想郷を求めて大陸に渡った青年と、現在に生きる青年が交錯する。
    戦前の万博と直近の大阪万博、そこでの青年の無謀な行動で話は終わる。
    戦争に翻弄された青年の生が悲しい。
    声高ではないけど、静かな反戦を感じる。

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    2026年08月04日
  • 叫び

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    久方ぶりにザ・純文学を読んだなぁという印象。

    結局のところ文学のテーマはなんでもいい――それが銅鐸であれ、禅智内供の鼻であれ――ということを実感する。

    完成度の高い作品だが、最後の一文はどうも違和感。

    まぁここしばらく軽いものばかり読んでたのでちょうどよかった。

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    2026年08月01日
  • 叫び

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    『地の底の記憶』から、見ると随分と穏やかな作品となった。読みやすくなったというべきか。
     主人公は、早野ひかるで、独身男性37歳。
     みかという女子と同棲する予定で、ル・クルーゼの無水調理鍋やバルミューダのオーブンレンジを贈った。そして二人で住む新しい部屋を借りたが、みかは現れなかった。まぁ。比較的騙されやすい男なんでしょうね。その部屋は、茨木駅の近くにあり、東奈良遺跡があり、弥生時代の銅鐸と銅鐸鋳型が出土されている。
     そして、川端を歩いていて、鐘の音がする方向に進んで、師匠と出会うことになり、銅鐸作りをすることになる。師匠だと思い込んだり、それにハマっていく。暗示のかけられやすい男なんだね

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    2026年07月30日
  • 叫び

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    自分のことばかりの主人公なのに人から影響を受けやすく、最終的にはついぞ見失ってしまう。しおりも普通の女の子という感じで聖と言われてもピンと来なかったし、川又青年の何にそんなに憧れたのかもよく分からなかった。川又青年とは自他境界が曖昧になっているあたり、アヘンにも手を出しちゃったんだろうな…
    銅鐸の要素は面白かった。鐘の音を聞きたくなる。
    何で主人公は変な方向に走っちゃったんだろうなと理解の及ばない読後感だった。

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    2026年07月25日
  • 地の底の記憶

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    日本海側の小さな村を舞台にした物語ですが、数世代前から現代に至るまで得体の知れない忌まわしきものに取り憑かれ、ずっと洞窟の闇を歩いているような感じのする作品でした。人間の本質の部分に触れた内容だとは思いますが
    個人的には難しい内容でした。

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    2026年07月22日
  • 叫び

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    1ページ目が良い。正直なところ、何を言っているかよくわからないのだが、あまり見たことのない言葉選びのセンスを感じた。
    先生と呼ばれる人が如何にも怪しいが、大阪ならさもありなんと思ってしまう(偏見)。銅鐸作りと言うのも斜め上からの切り口でバッサリやられた感あり。
    しおりも負けず劣らず怪しい。何故か早野に言い寄ってきて、肝心な所で突き放すあたり…
    そして、川又青年。謎過ぎる。現代と境目なく出てくるので混乱してしまった。
    更に、罌粟という単語に振り仮名がないのは何故だろう。
    全体として謎過ぎるが、関西ノリだとそれほど意外でもないのかなぁ。
    どこが評価されて芥川賞なのか、見てみよう…

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    2026年07月14日