畠山丑雄のレビュー一覧

  • 叫び

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    第174回芥川賞受賞作、ということで。
    2作同時受賞ということで、次はこの作品を。

    作品全体的にはカラッとして明るく、主人公の不器用さなどに思わず笑えるシーンも多かった。関西弁なのもそれに加担しているのかもしれない。
    胡散臭くも箴言めいた言葉を多用する謎の「先生」の存在や、銅鐸に興味を持って現れる女性など、不思議な魅力がある。
    ただ、ラストは主人公と、過去に生きた人間が重なり、一種の狂気がそこに浮かび上がる。

    銅鐸とは音を鳴らすモノであったのか?というのが読後の最初の疑問。確かに形はそれっぽいが、どちらかというと祭祀などに用いられたらしきデカい銅鐸の印象しかなかったが、簡単に調べてみると初

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    2026年01月22日
  • 叫び

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    ネタバレ

    圧倒的没入感。『金閣寺』を読んだときの読後感に近い。
    ストーリー自体に引き込まれるようなミステリアスな要素や、胸が締め付けられるような恋愛要素がありつつも、登場人物の言葉がどことなく教化的で単なる痛快な小説にとどまらない凄みがある。
    感想を書く上でストーリーを簡単に描くと、市の職員として無目的に働いていた主人公・早野ひかるが、銅鐸を作る<先生>に出会い、考えや、私生活が変わっていく物語。アクセントとして、早野が恋心を寄せる長田しおりと、回想的に挿入され、早野と重ね合わせて描かれる川又青年という2人の登場人物がいる。川又青年は、早野が住む茨木の地を舞台に1930-40年代に罌粟(ケシ、アヘンの原

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    2026年01月17日
  • 叫び

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    仕事を終えて、芥川賞•直木賞の発表を待ちながら帰路に着く。19時頃、電車の乗り換えの合間、駅直結の書店に駆け込んだ。単行本が発売されている。ワクワクを胸に本を開く。面白い。
    「時の家」よりも僕は「叫び」派。先生、しおりさん、川又青年という3人と出会い、2025年を象徴する大阪万博と日中戦争下の幻の紀元2600年東京万博が溶け合ってゆく。

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    2026年01月16日
  • 叫び

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    2026年前期の芥川賞受賞作品。
    早野、先生、しおりさん、掴みどころのなさに引き込まれた。だらだらとでもいいから話がもっと続けばいいのにと思った。よく解らないけどずっと浸っていたくなる作品でした。

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    2026年02月16日
  • 叫び

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     第174回芥川賞受賞作を読む。著者にとっては『改元』に続く天皇小説(『改元』の世界観と補いあう内容となっている)が、個人的には前作の方が好み。シンプルな物語ながらも描写と表現に強度を感じた『改元』に比べると、本作は物語世界の構図はより複雑になった一方で、やや「賞を獲りに行った」感がないでもない。もちろん、その選択自体は別に否定されるべきことではない。

     地方公務員がその地域の歴史と出会い、謎の年長者に導かれてその時間の迷宮に取り込まれていくというパターンは『改元』と同様だが、『改元』の時間的な幅にくらべると、大阪万博と満洲とを結んだこの小説の特徴は「浅薄さ」だろうか。大阪のベッドタウンが地

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    2026年02月14日
  • 叫び

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    過去のある事件をオマージュしているかのように感じ、主人公の狂気や日常生活から来る愛などの描写が、芥川賞に選ばれた所以ではないかと、個人的に解釈した。夢の中で過去の人物と語り合ったり、刀を渡されたりする場面は、主人公が何故そのようになってしまっているのかが、分かりづらかった。

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    2026年02月12日
  • 叫び

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    ネタバレ

    「国家とはそもそも福祉のためにあり、福祉は労働からの解放区をつくり、民間から聖を輩出するためにある。ためにするところがないのが聖である。柱は家を支えるためにあるのではなく、家が柱を必要としているのであり、家は柱のために何ができるのか常に考えるべき。
    聖=到達点であり、歩みであり、身体1つ分が占める場所のこと。己の来歴と土地の来歴の軽重がなくなるため、そこをなくしていけば聖に近づける。」

    ●刀を持っていけと言われたときに、万博の入り口で警官に止められるか、これで何か問題を起こすのだろうなと思った。天皇のワードが出てきたときに、天皇の御行を妨害する天皇暗殺的なシナリオが想像できた。
    ●万博を楽し

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    2026年02月10日
  • 叫び

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    自分には、政治的主義·主張や思想みたいなモノは全くありません。が…
    読んでいて、「え゙えぇ、大丈夫なん!?」と思う箇所もありました。
    それはともかく、関西弁の遣り取りは文字で読んでいてもノリが良いですな

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    2026年02月05日
  • 地の底の記憶

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    『叫び』で第174回芥川賞を受賞された畠山丑雄さんの10年前のデビュー作。京都大学在学中に書かれたそうで、興味がわきました。
    まず登場する男子2人と女子1人、本の裏表紙には小学生と書かれているのですが、どう読んでも高校生くらいにしか思えませんでした。理科を教える西山先生も小学校の教諭とは思えない高度な話をしています。敢えて小学生の設定なのでしょうが、その意図は最後まで分かりませんでした。
    冒頭からそんな感じでしたが、その点に引きずられないよう気をつけて読み進めると、大正末期か昭和初期から現代までの歴史を小さな村の坑道跡に閉じ込めるようにして描かれていて、古い小さな宝石箱を開けたような懐かしくて

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    2026年01月26日
  • 叫び

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    縁もゆかりも無い茨木市に住み続ける早野は人生に行き詰まっていた。
    夜の安威川沿いを彷徨ってる時に不思議な音に誘われ偶然出会った謎の先生と銅鐸が自暴自棄だった早野の生活を一変させていく

    彼の軽さを補う為の銅鐸…
    早野には抱えきれない重さだったんでは…?

    いくつもの「叫び」があった
    過去からの声なき叫びを届けなければならない
    それは自己満か啓蒙か
    先生は早野をどうしたかったのか。。

    「痛みは訳せへん
    お前は人の痛みを想像できるようにならんといかん」
    それに尽きるのかな?

    前半の北新地での行動やしおりさんとの会話の中でも、それ人としてどうなん?ってのがあったり
    人の反応を自分に都合よく取り違

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    2026年01月25日
  • 叫び

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    畠山丑雄さんの『叫び』を読み終わり、政治や日本史の疎さなら右に出る者はいないレベルの私(誇れることではない)がまず思ったのは、ただただ「面白い物語だった〜!」だけでした。

    物語への引き込み方が上手すぎる作者さんの手にかかって、あっという間に読み終わってました。

    現代の主人公が、昔の人物に思いを馳せながら、人生の再スタートを切るというようなストーリーだけど、ラストでえっっ?!となり、「そうくるかーやられたー!」みたいな安易な感想しか抱いていなかった私。

    とある読書垢のお陰で、この本の政治的な部分に気が付かされました。

    なのでAIにも聞きながら、少しだけ本の中の政治的な部分について読んだ後

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    2026年01月24日
  • 叫び

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    芥川賞!納得!

    公務員として淡々と働く早野。
    女性関係での失意から内に秘めていた粗暴性が垣間見えるようになる。
    そんな時に銅鐸を作る老人と知り合い、手伝いをするようになる。

    この序盤から、星空、プラネタリウム、万博、戦中の中国での罌粟栽培、阿片製造と過去と現在、早野と川又青年の意識と記憶が重なり交わる展開に、川又青年の無念が現代の私まで流れ込むようで苦しくなる。

    早野は自分勝手で周りが見えず思い込みが強いように感じたけど、茨木に越してきて先生に出会ってしまったあたりから川又青年に魅入られてしまっていたのかもしれない。
    そしてそれは彼自身望むところで、その内なる叫びは銅鐸の響きのように膨ら

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    2026年01月22日
  • 叫び

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    もっと深く嗜めるように、
    もっと何かに重ねられるように。
    そんな羨望を抱くとともに、
    そこに行ってはいけない、という声もある。

    これこそが私の叫びかもしれない。



    どう捉えれば良いのか、まだ私にはさっぱりわからない。

    芥川賞の作品には度々指摘するように、危険な独り言と誘惑を感じざるを得ない。
    それは言葉のままの危険さではなく、あまりに強く引き込まれるから、強大な引力に対する警告だ。

    早野が叫びに気付き、それは果たして己の叫びか、
    あるいは川又青年のものか。
    その幻想は阿片によるものか。

    冷静に考えられればよいものをこれらの作品群は、
    まさしく響きのように連なる文章が音のように畳み掛

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    2026年01月18日
  • 叫び

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    冒頭部分を読んで、難しい作品かと感じたが、
    読み進めていくうちにユニークな登場人物たちに
    翻弄され物語を楽しめました。
    あるキッカケで大阪府茨木市に引っ越ししてきた
    早野は、これもあるキッカケで出会った先生と
    呼ばれる男性のもとで、銅鐸造りと茨木市の歴史を学んでいる。
    先生の言葉の一つ一つに心を打ちのめされていく。
    愛する人に出会い、彼女の過去に涙する。
    そんか彼女と万博に行くのだが。
    大阪の地で繋がる歴史ロマン、早野の不器用さが
    堪らないくらい好きになりました。
    第174回芥川賞受賞作。

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    2026年01月16日
  • 叫び

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    芥川賞作品は大体小難しい話が多いイメージ。この作品も冒頭はやっぱり、と思ったが、急にお役所の仕事風景から関西万博の話と、面白い展開になり引き込まれる。そしていきなり銅鐸と先生が登場し、ちょっと森見登美彦要素があるかなと思ったりもした。川又青年の話からは現実世界と過去の世界が入り混じり、そのうちに川又青年と会話をするようになるが、何の違和感もなくその風景が目に浮かぶように思え、うまいなあと感心した。しかし川又青年から万一の為にと渡された懐刀が、最後そんな事になるとは。伏線回収とオチがあるのに少々笑えた。お堅いイメージの芥川賞作品らしからぬ作品で面白かった。

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    2026年01月16日
  • 叫び

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    要所要所で心の中のリングアナが「ことばの意味はわからんがとにかくすごい自信だ!」と思わず声を挙げてしまうような怪作だった。でも登場人物は全員チャーミングだし、分かりやすくユーモアもあるので、読んでいて全然苦痛ではない不思議。小川哲が今作を推薦するのも解る。

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    2026年02月15日
  • 叫び

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    茨木川の河川敷で銅鐸を作る先生に弟子入りした主人公、かって広がっていた罌粟畑とそれを育てた青年との万博繋がりの交信、過去と現在が混じりあって天皇陛下に発言を求めてさまよう。

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    2026年02月11日
  • 叫び

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    大阪府内、とある街で役所勤めをしている早野は、プライベートでは銅鐸作りの先生に師事しながら暮らしています。そんな彼が、先生や、銅鐸の縁で知り合った人との関係性の中で何事かを考える物語だったと思います。
    文学的な表現が多くなされる中でテンポよく読みやすい、そんな印象でした。星3つの評価としました。

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    2026年02月11日
  • 叫び

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    ネタバレ

    色々な物に囚われているようで、それは自分の意識次第で、自分を解放すれば何でも思い通りになる。
    だが、そんなに自分を解放出来ないし、他者の評価、他者との関わりからは逃れられない。
    そんなもどかしさを叫びたいよな。

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    2026年02月10日
  • 叫び

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    芥川賞受賞作品とのことで手に取った。地元の話なので知っている地名がたくさん出てきたり、銅鐸や戦時中の話など歴史的要素が出てきたのは個人的に面白かった。が、全体を通して主人公の早野という人物に全く共感できず(共感できる人物として描いていないのかもしれないが)、言い回しが難解だったりといまいち何が伝えたいのか読み取れなかった…ページ数は短いのでサクッと読めると思ったのが間違いかもしれない。読み込めば分かるのか、私にはまだ早いのか、何かを感じ取るには至らなかった…

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    2026年02月03日