田中宇のレビュー一覧
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[ 内容 ]
湾岸戦争時の劣化弾の後遺症で苦しむ子供達、国中に満ちあふれるサダム・フセインの肖像画、その一方で、高級品が豊富な巨大市場、ジャンクでパソコンを組み立てるバグダッドの「秋葉原」、市場最高値をつける株式市場、ビジネスマンで混雑するホテル…経済制裁下のイラク庶民は、アラブ的絆のもとに、どこか平穏で安定した生活を送っていた。
イラクを通して見えてきた世界史の巨大な暗渠―民主主義は万能薬か?
はたして国家とは何だろうか?
アメリカはいったい何をしようというのか。
[ 目次 ]
大使館訪問
バクダッドへの道
表敬訪問
二つの民族主義
シーア派の聖地
庶民生活
プロパガンダと部族政治
バクダ -
Posted by ブクログ
ネタバレ過去の金融危機の解説まではフムフムと内容を追えたが、本題の「第三次世界大戦が金融の世界ですでに始まっている」とする仮説に入ってから話が壮大過ぎて、かつどこまで事実で何が憶測かの境界線が曖昧になって付いて行けなくなった。
大まかには『米国覇権構造が崩れて多極化する』仮説に沿って金融関連の出来事を憶測含めて解説している。本書は2015年に書かれているようだが、ロシアを孤立させプーチンを怒らせて、ウクライナが米国の代理戦争をするシナリオも本書の仮説に沿った流れに見える。
しかし注意が必要なのは、この手の本はまず「表のストーリー」をしっかり理解しておかないと「陰謀論」という迷宮にハマりがちなこと。 -
Posted by ブクログ
世界大戦とは世界覇権を賭けた戦争だ。
二度の世界大戦は英米覇権に対して独日伊などが挑んだ。
今回の大戦は兵器を使った軍事戦争ではなく、ドルと金融システムによる覇権を米国が守るか失うか、
中露やEUが覇権を分割するかどうかの金融戦争である。
NY株式市場や債権市場の実態はリーマン危機に始まる金融システムの崩壊を、QEによって辛くも凌いできた結果のバブル経済にすぎない。
現在このドル覇権を見限る動きが世界各国で始まっている
ロシア・サウジが原油安の策略を開始したことも金融戦争の一環としている。各論に対しては疑念をもつ箇所もたくさんあるが総論では賛成といわざるを得ない内容。 -
Posted by ブクログ
この本は300ページ足らずの分量ですが、内容が濃く考えながら読んだせいもあり読むのに随分とかかりました。世界の金融はドル体制が変わる可能性があるという印象を受けました。その引き金を引くのが、日本も実施している量的緩和策(QE)行く末なのでしょうか。
その原因としては、ポンドから基軸通貨の地位を得たアメリカのドルの位置が、中国とロシアを中心としたグループに移行しつつある様です。湾岸戦争(1991)の本当の原因も、イラクが原油をドル以外で決済しようとしたことに始まり、その動きは今まで抑えられてきたようですが、中国とロシアが戦略的に結びつくことで、元、を中心とした貿易が今後行われる予定です。
あ -
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ニーマンフェローについて菅谷明子さんの体験談を読み知った。他にも日本人でニーマンフェローを経験された方がいないか調べてみて、大門小百合さんとこの本のことを知った。
読みやすい文章でたぶん2時間くらいで軽く読めた。
ニーマンフェローやハーバード大学の教育についてだけでなく、一年弱の留学生活を通じて学んだ異文化理解(あるいは日本文化に関する気づき、発見)についても書いてあり興味深かった。
「はじめに」に解説されている通り、この本は、ハーバードが「好き」な小百合さんと「嫌い」な宇さんのご夫婦で分担して、構成されている。単純にハーバード大学やニーマンフェローのプログラムについて褒めるだけでもなければ、 -
Posted by ブクログ
2001年9月11日のアメリカのテロ事件直後に発行された本。当時は田中宇さんのメールマガジンを毎週きちんと読んでいたのであえてこの本は買わなかった。日本ではアメリカから流れてくる情報を垂れ流しで「タリバン」=過激派みたいな報道のされ方だったけど、アフガニスタンの問題を歴史的な流れの中で位置づけながら理解するにはとても良い本だと思う。また隣国パキスタンとアメリカの関係も踏まえて地理的な繋がりの中でこうした問題をとらえることの大切さも学べる。周りを海に囲まれた日本にいると「陸続き」に行き来できてしまうことからくる「関係の複雑さ」がなかなか理解できないから。
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[ 内容 ]
いまや世界の敵になった感があるタリバンは、20年以上続いたアフガン内戦を終結させた「正義の使者」だった-。
現地取材を元に、アメリカ、ビンラディン、タリバンの運命の三角関係を読み解く。
なぜ、テロにはしるのか。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
アメリカに頼ってはもう生きていけない。アメリカ抜きにした世界を考える。
そういった思いをこめて書かれた田中さんの本。内容は経済の話から入り、その中ではボーイングとエアバスの話やタイのタクシン政権の話と興味深い。それからイラクの話、そしてアメリカ抜きのアジアの話と移っていく。ヨーロッパ各国はアメリカにそれほど期待はしていない。現にユーロ高ドル安は歯止めがかからない。その中にあって、日本は未だに輸出から得たドルを米国債を買う事でドル高をキープしている。アメリカは危ない。いつもながらの田中宇さんの論調をキープしながら、興味深い話をいろいろと展開してくれる。国際関係に興味がある人は必読。