田中宇のレビュー一覧
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「タリバン」というタイトルから何かいつもの様な得体の知れない恐怖や危険を感じてしまうが、内容はアフガニスタンとそれを取り巻く米ソおよびパキスタン間の情勢に関するものだ。ご存知の通り米ソ冷戦時代にはソ連からの干渉を受けたアフガニスタンと、それを防共目的で支援したアメリカ。アメリカはベトナム戦争後の国民感情があるため、容易にアフガニスタンへの派兵ができず、パキスタンを通じてアフガンゲリラを武器の供与などで支援する構図となった。その後は言うまでも無くアフガニスタンに混乱を招き、アメリカ支援を受けた組織の中からビンラディンがいよいよ西欧の脅威となって台頭していく流れだ。この自分自身の敵を育てるアメリカ
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ニーマンフェローシッププログラム、という世界中のジャーナリストに限定した10ヶ月間のハーバード大学留学を経験した妻と、それに同行して、あらゆる国際関係のゼミやセミナーなどを受講した国際ニュース解説者の夫。ふたりがハーバード大学での留学期間を経て、感じたことを、ふたりそれぞれの目線から章ごとに変わるがわる書かれている体験記。
夫婦二人の視点が異なることが、むしろハーバード大学での授業や生活が思い描きやすくなって、面白かったと思う。特に、読んでいて感じたのは、ハーバードの財産は、そこでの授業だけでなく、そこに集まる世界トップクラス級の人たちなのではないかと思った。その会話や出来事の片鱗から、アメ -
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ネタバレ[ 内容 ]
人種もバックグラウンドも違う人々の集う「知の坩堝」の中で、世界はどう語られ、議論されているのか。
日本のネットジャーナリストの草分け的存在田中宇と新聞記者の大門小百合がハーバード大学で見たアメリカの「表の顔」と「裏の本音」。
アメリカは世界をどうしようとしているのか?
本書を通して見えてくる。
[ 目次 ]
ハーバードへ
アメリカの国家神話とハーバード
コースショッピング
知のディズニーランド
ハーバードの民主主義
競争する授業
拍手を受ける授業
ハイフネーションの国
コンピューター記者と報道カメラマン
ハーバードのパワーゲーム
授業で大統領側近になる
アメリカの大学と戦争
留 -
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・内戦の続くアフガニスタンの紛争に歯止めをかける役割をアメリカ・パキスタンに背負わされ期待を受けていたタリバンが、如何にしてイスラム原理主義を標榜するテロ集団としてアメリカに烙印を押されたのか、9・11事変に至るまでの複雑な前史を示してくれている。
・国際情勢についての勉強不足が再認識できたが、それ以上に日本のメディア視点から得られていた断片的で表面的な知識からさらに踏み込んだアフガニスタンの歴史、内情を知れた。その意味合いでは、厳然として起きている事実を脚色無しにルポルタージュしている本書はどちらの立場にも偏重しすぎることなく書かれていてとても読みよいものであった。
・グローバリゼー -
Posted by ブクログ
2001.9.11以来、この手の本を読むようになり、アメリカの本質に触れるにつけ失望感が増す。
正義の仮面をかぶった独裁者。民主主義と謳いながら実は帝国主義。
田中氏が中東で会った若い外交官の意見は興味深い。
湾岸戦争でフセインの息の根を止めなかったのはイラクを第二の日本にしたくなかったからだという。
つまりフセインなき後のイラクの建て直しにGHQが入り、もともと教育熱心なイラク国民が立ち直って
日本のような経済大国になってもらいたくなかったから、フセインを残し経済制裁で国を弱らせ
知識人が国外に出るようしむけた、というのだ。
今回の戦争の目的はずばり石油だ。
もっともらしい理由をつけても結