ステファノ・マンクーゾのレビュー一覧
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私はヴィーガンで、植物や菌を食べて生きています。
元々、植物には脳がないだけで、知性やコミュニケーション能力など、そういったものはあると感じていました。
人間に理解できないだけ、判別できないだけ、認識できないだけで、植物はむしろ人間に語りかけているかもしれないとも考えています。
人間のモノサシだけで判断する愚かさは常々感じています。
その感じていたことをこの本はわかりやすく、根拠も示しながら、解説してくれました。
自分の感じていたことに根拠が補填され解像度が高まりました。
私たちは命を殺して生きています。
そこから逃れることはできません。
しかし、少しでも、犠牲にしない搾取しない選択肢はあると思っています。
動物を食べなくても、着なくても、買わなくても使わなくても、生きていけます。
植物を食べずに生きていくことはできません。
使わずに生きていくことはできません。
だからこそ、植物の存在を改めて自覚し、これからも生きていきます。
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植物は
記憶力がある、オジギソウを馬車に乗せると次第に閉じなくなる
小麦、米、とうもろこしは、人間の主食となることで、大規模に栽培され、拡張した
レンズ豆の種子に似た植物がいる
オランダフクロは、動物が触れて刺激で、種子が爆発し、動物の毛に纏わり付き、範囲を広げる
カマバアカシアは、蜜を作りアリを呼び寄せ、そのアリは周辺を食い尽くし、日光や栄養を独り占めする。悪魔の庭と呼ばれる
植物は、エネルギー使って、無駄なものは作らない
唐辛子や麻薬は、人間の脳に作用する物質を作り、栽培植物として、広がる
オオニバスの花は、熱を発し、蜜蜂を呼び寄せ、重層な花弁で、一晩閉じ込め、花粉だらけにして、翌日花弁を開放する
サボテンの中には、寒暖の差を生かして、夜露をキャッチし、水分を得ているものがいる
乾燥地帯の構造物も水滴を得るためのものである
海の温室で、海水が蒸発した、水をキャッチし、植物の、成長に充てるなどしている。 -
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人間は動植物の頂点にいる。
言葉を操り、道具を使い、他の動物たちの精子を握り、植物たちを管理する。
そんな思い込みは単なるおごり以外の何物でもない。
人間たちは自身を万能だと思っているが、実は下等だと思っている植物たちに「使われている」だけなのかもしれない。
植物に脳はない。
しかし脳がないから知性がないという結論は、あまりにも植物を知らぬし軽視しすぎている。
植物たちは動物のように大事な器官を作らないことを選択した。
そうすることで生存率を高めたのだ。
つまり、リスク分散というわけだ。
動物は脳や心臓がないと死んでしまうし、手や足がもがれたら死んでしまうそうだから。
「人媒」も有用だ。
なんとこの戦略の優れた事か。風で飛ばされたってせいぜい数十キロ、鳥が運んだってせいぜい数千キロ、でもこの人間というやつらを使えば......。
本書では動物を巧みに操る能力を、植物は人に対しても持っているかもしれないと指摘する。
人間が好むような花、果実雨、味、香り、色......これらをちょいと変えさえすれば、驕り高ぶったこの生物はまんまと我らの術中にハマる。
病気から守り、快適な環境を与え、子孫を増やしてくれるのだ。
今までいけなかった場所にだって連れて行ってくれる。
下等なフリさえしていれば、蝶よ花よ、だ。なんと単純なこと!
我々は一段低く見られ続けてきた。
ノーベル賞をとるに値するような研究も、動物でないから無視された。
未知なる世界は広がっているのに、私たちには見向きもしなかった。
そして知性は動物、とりわけ人間だけのものだと思われてきた。
しかしその前提は疑問が残る。
誰かを一段低く見て、貶めて得る知性は本当に知性なのか。
そもそも知性とは何か。
我々だってコミュニケーションをとる。
危険が迫ればクリッカー音を出す。
ツルを振り回して伸びてもいけるし光を探して伸びることもできる。
家族であれば互いに限られた栄養を取り合ったりはしない。
知性とは何であろう?
私は考え続けている。 -
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植物の知性についての本。植物の権利と地位向上のための本と言っても良いかもしれない。植物の知性を理解するには植物と動物の違いを理解する必要がある。重要な臓器を持たず、それ故に脳がないこと。体の各部分が独立した能力を持ったモジュールで、それが集まったコロニーのような構造であること。どこかが食べられたりして欠損しても致命傷にならず再生できること。そのため体の各部分に情報処理機能があり、インターネットのように分散型の知性である。特に根系は根冠が無数にあり、それが互いにコミュニケーションをとり全体としての知性が創発していると説く。根のネットワークをニューロンと仮定すると根が思考を持っていても良いのかもしれない、などと思った。そのようにして植物を眺め、その生き方を知ることはこの世界に深みを持たせる。
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植物が人間や他の動物と同等、あるいはそれ以上に優れた生物であることを解説した本。植物の優れた特性、腫を広げるための驚くべき戦略の数々がたくさん紹介されていて非常に興味深い。ただ図版や写真が少ないので、紹介されている植物のイメージがつかめないところが残念。
いずれにせよ、植物に対する認識が一変する良書。
本書内で、植物が自分の繁殖のため、昆虫や動物はもとより、人間までも利用しているのではとの説が紹介されていたが、未だ解読不能の奇書「ヴォイニッチ手稿」の植物と思しきイラストが載っている一連ページの解釈として、人間は植物のための養分として生かされているという解釈をネットで発見し、この解釈がもしかしたら合っていて、事実なのかもと思い、ちょっとぞっとした。また、本書では、人間に知られている植物は全植物種の10~15%にすぎないらしいことが紹介されているが、それが事実だとすれば、「ヴォイニッチ手稿」で描かれている数々の植物は、今のところ存在が確認されてないだけで実在するのかもしれない・・。 -
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植物は我々と同じ様に五感を持っているのに加えて、化学部室を感じる力、湿度を正確に測れる力等植物の知られざる能力を書く。
同族が有利になるように働く力「親が同じ種を育てたところ、根はあまり干渉しないようにし、上に芽が伸びていった。
親は異なるが同じ種類の植物の種を同じ様に育てたところ、根を競い合う様に広げていった」は興味深かったな。
その他学び
・トマトは昆虫に襲われると匂いを出し他の植物にも知らせる。
・根は味覚を持ち、より栄養のある土を探し伸びる
・一般的に考えられているウツボカズラ等の食虫植物の他にも、粘液で虫を殺し、その死骸が土に返ることで、足りない栄養分を補おうとする植物もいる。
・根は音を出すことで(細胞が壊れるときにカチッと言う音を出す)他の植物に自分の存在を教え、根が密集しないようにしている可能性がある。 -
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とても良い
地球上全体を見れば、その生物の中で動物はわずか1%程度の個体数しかない
総重量でいうと0.3%しかない
動物は植物がいなければ絶滅するだろうが、植物は動物がいなくなっても繁栄を続けることができる
植物の根端は情報センサーであり情報発信ネットワークのひとつだ
インターネットの形態はこれに近いものだ
集合知が生み出すものは創出と呼ばれるそうだ
大きな拍手の渦や、ウェーブのように個体ではなし得ないものが創出されるのだ
そもそも植物は生き物なのかと、その昔は哲学の対象となっていたと言う
魂についても知恵についても考察されてきた
イスラム教のコーランでは植物は生き物から除外されているし、ノアの方舟にもあるようにキリスト教でも動物とは区別されてきた
デモクリストは逆立ちをした人間のようだと考え、後の哲学者ソクラテスは移動できない動かないものだとして生物から排除する考えだったそうだ
晩年になってソクラテスも、植物が繁殖する事をもって生物の仲間に組み込まざるを得ないと考えを改めたそうだ
生物の細胞は植物の研究で解明され、遺伝についても有名なメンデルはえんどう豆で研究したのだった
DNA同様、RNAの研究も植物で研究されたものを、動物の遺伝子で研究した学者はノーベル賞受賞だった
今や生物としての認識は一般的になったものの、それでも人間を頂点とする動物とは別の一応生き物だと感じている人が普通なんだろうと思う
植物はモジュール構造を選択したことによって葉を食べられても生きて再生できる
さし芽やさし木のように部分から再生することもできる
接木すらできる
逆立ちをした人のように、根が重要な頭脳にもなっているという
20種類の知覚を持っているとも言われ、人間の五感以上の知覚能力が発達しているのだ
単細胞生物にその起源を探ると光合成ができるミドリムシ:ユーグレナと光合成ができないが繊毛を持っているゾウリムシに比較対象を求めることができる
日本では、ミドリムシを研究しビジネスとして取り扱って成功した例が分かりやすいかもしれない
この著者の感覚とは日本人ならではの商売感覚は、植物に対しても違うのかもしれないと感じる話しでもある
そして知覚と併せてコミュニケーションについても
BVOC 生物由来揮発性有機物
を起点に論が進む
例えば
ジャスモン酸メチル
ストレスにさらされた多くの植物が発するBVOCだ
これがメッセージであり共通の言葉になっている
言葉といっても、言語に共通する根っこのようなものと考えられる
草食の昆虫に食べられている時、SOS信号にあたるBVOCを発し周りの植物に伝える
すると周りの植物は防衛行動を開始する
例えば葉を消化できなくする化合物を出したり、葉を有毒にする化合物を作り出す植物すらあると言う
トマトのSOS信号は強烈らしい
ハエトリソウなどは知られていたが、食虫植物として肉食の植物を認識させたのはチャールズダーウィンだったという
植物研究は息子に譲って、動物学に追われたダーウィンだったが、植物研究も画期的なものだったようだ
植物の知覚を農業で取り組むのは音響農法だ
音楽を聴かせて育てたトスカーナ地方のブドウは発育良くポリフェノール含有量も多く美味しく育った
そして害虫にも忌避効果があったことから無農薬、低農薬栽培としてのグリーン経営プロジェクトのひとつになったそうだ
重力知覚や空気中や地中の含有成分、化学物質への感知、測定する能力
根は数メートル離れた栄養素を知覚で捉えている
また汚染物質など有害成分からは遠ざかろうとする
バイオテクノロジーではファイトレメディエーションという有害物質を分解して無害化する技術も研究されている
植物の構造
神経系統に当たるのは、維管束系の木質部と師管部という二つの原形質連絡がそうだ
電気信号、水、化学物質の三種類の内部コミュニケーションが成り立っている
動物は脳に集約される集中管理システムであるのに対し、植物は、葉から葉や根へ 寝から葉や根へ直接信号を送れる分散型管理システムだ
モジュール構造の植物ならではの内部コミュニケーションだ
植物同士のコミュニケーション
松やブナなどは葉 特に樹冠は触れ合わないように成長する
どうやら化学物質を発散させてコミュニケーションを図っているという
種族、親族の判別もしているという
根が重要な判断をする
根圏を持つ
そこには微生物、細菌、菌類、昆虫などが含まれる土壌だ
ライマメは、草食のダニからの食害に遭うと化学物質を発散し肉食のダニを呼び草食のダニは肉食のダニに食べられてしまう
そして繁殖の戦略
オフリス・アピフェラというランの花は蜂に擬態するという
ルピナスの花の昆虫活用方法やアルム・パレスティヌムというサトイモ科のブラックカラーはハエを花に閉じ込めて花粉だらけにするなど様々な戦略を見つけ出せるという
果実という方法で動物に種を運んでもらうこと
種が熟成するまでは毒性を持っている果実もある
逆に栄養価の高いエライオソームという付属物を付けた種もある
人間もまた植物との共生関係にある
AI人工知能のことも知性と呼ぶのだろうか
生命が持つ知能のことを知性と呼ぶのには抵抗は少ないだろう
人間が知性という場合、人間の知性と同じものを指している
水素の発信する周波数が1420MHzだから地球外知的生命体もこの周波数帯を使うだろうと予測されていたからこそ、有名なWao信号というものが受け入れられているのが実態だ
しかし植物の知性は人間の知性とは異なる
植物学者の感覚からは、宇宙人がいても宇宙人の知性を理解できないだろうと思われても仕方ない -
Posted by ブクログ
植物の種子貯蔵庫はノルウェー領の島にあり、種の保存が厳重になされているという
人類は、植物の未来の重要性を知っている
ダーウィンも「もっとも豊かな想像力を持つ人間が考えつくものをはるかに超えている」と自然の仕掛けと適応力を表現している
植物に対して認識の低かった潜在的な可能性にアプローチし、思わぬ切り口から可能性の開花を示唆してくれている
例えば、分散構造 が植物の特徴だと言う
動物は記憶するために脳を進化させ、外界を見るために眼に機能を集中化している
◆ 記憶力
通常は馴化と表現される
プロトコルを明確にした再現性のある実験で、記憶力に関する実験をした
刺激の区別を40日間以上記憶保持する結果をオジギソウで確認したという
また一定温度以下の寒さから何日後に開花するのかを記憶しているのは、遺伝子情報のように思われるが、研究結果では非コードDNAが生産されるRNAがコントロールしていたという
開花についてはプリオンという動物には有害なタンパク質を利用している可能性も仮説として出ているそうだ
脳という記憶装置を集中的に持たない植物の分散構造が魅力的であるとする
◆ 繁殖力
植物型ロボットの可能性
モジュール構造
特に根の持つ力 長さは小麦一本の毛根で20Km
細胞の浸透圧ポテンシャルは10〜30気圧相当
挿木や接木の性質
複数の個体からなる複合体:コロニーのようだとされている
外部刺激へのは光合成だけではない
光、重量、接触、湿気、酸素、磁場、更に音にも屈性という運動反応の刺激となる
植物は刺激を確認しながら根を伸ばし定着し生存を安定させる
この植物をロボットとして製作し火星探査の宇宙開発にも活用しようと試みを始めている
プラントイド: 植物アンドロイド は根に備わっている知性を再現することで様々な土壌の調査や改良などに活用できる未来が待っている
葉の再現は根に比べれば簡単だと言う
本当に夢のあるロボットだと思う
◆ 擬態力
昆虫や動物の擬態はよく取り上げられ楽しまれている
南米のつる性植物ボキラ・トリフォリアータは、巻き付く樹木の葉を真似していると言う
何度でも何種類でも変化することができるという
シソ科一部の植物はイラクサの葉の擬態で虫などからの攻撃を紛らしていると言う
どうやって擬態する対象を選び認識しているのか、動物のように眼があるわけではない
しかし表皮細胞を使って映像を知覚することができると1900年代初頭から論文も発表されているそうだ
表皮が眼の水晶体にあたり、外皮が網膜の役目をしているのだと言う
また、多肉植物が好きな人は、石の擬態をしているリトープスを知っているだろう
松露玉というサボテンも石に擬態して捕食者から逃れている
最近では秋の紅葉も、アブラムシに向けて力を誇示するメッセージだという研究もなされているそうだ
人間が作物としてレンズ豆を栽培するようになって、繁殖のために擬態したのがオオヤハズエンドウだそうだ
ライ麦も小麦と大麦の傍らの雑草だったものだという
◆ 運動能力
筋肉のない植物が運動する?
内部エネルギーを利用する能動的な運動と、環境中のエネルギーを利用する受動的な運動にわけている
能動的とは、水が細胞内に浸透して膨らむ結果として運動が生じている
オジギソウや食虫植物などの素早い動きもそうだ
受動的とは、昼と夜の湿度差を利用するとか
動物には無い「細胞壁」の吸水力の差を利用している
松笠では33%もの差があるという
この水分交換で運動を引き起こす高分子フィルムが2013年に開発された
自重の380倍の重さを動かす
電力を作ることもできる
ナノエレクトロニクスの電力としても活用できるものだ
オランダフウロの種子の動きもすごい
種子は弾け飛び、土壌の裂け目を見つけてそこ へ入り込む動きをするという
湿度で捻れることで回転を始めるのだそうだ
裂け目に入ると回転を続け更に深く地中に入り込むように動くのだ
これも宇宙探査に役立てようと研究が続く
動物の運動を解析するために人間はスローモーション動画 静止画で行う
1890年代から植物に対しては早送り:タイムラプスで行われてきた
それでも動かないのが植物だと思うのは今だに普通の感覚だ
開花や葉の動きや蔓の成長などもあるが、重要なのが根の成長と探査だという
19世紀末からの植物の運動の研究により「屈性」と「傾性」が見出されてきた
◆ 動物を操る能力
昆虫を使って受粉するばかりか、ヤモリを使う花もある
アカシアは受粉以外の目的:有害な動物や周囲の雑草などの除去に蟻を利用している
花の蜜には動物の神経系を制御する成分が含まれている
アルカロイドで虫を依存症にさせて行動をコントロールする
トウガラシのカプサイシンもそうだ
脳内にエンドルフィンを発生させ中毒させる
長距離走のランナーズハイで得られるエンドルフィンより簡単に得られる
種に辛さがあることも知っているだろう
人間も繁殖の拡大に大いに利用されている
◆ 分散化能力
動物の臓器にあたるものを持たない植物は捕食者からの急所ももたない
臓器にあたる機能は体全体に分散している
そして火にも耐性を持つ植物もある
機能を臓器に集中されるのはスピードを求めるがためであり、植物は問題解決や問題を避けるための進化を続け繁栄している
根は分散型の非中央的システムで相互に作用し合う
そして栄養摂取と生存の基本情報わ入手して成長の方向性を判断している
モジュール構造のコロニーが食部の根に見られるが、動物では、イナゴの大群、鳥の大群、イワシの群れなどだ
簡単なルールで複雑な結果を残せる例として語られている
一般的な動物の構造が専制主義的なモデルとすれば植物の構造は直接民主主義的なモデルと表現されている
蟻や蜂や人間など、動物でもコロニーの中の個々の存在は神経細胞:ニューロンに相当する
相互接続状態で生まれる集団知性
インターネットの世界と相似だ
Wikipediaのような集団知性
◆ 美しい構造力
葉の並び方「葉序」
光が植物にできるだけ当たるように並び方が工夫されている
ダヴィンチが研究し、現代建築にもヒントを与えるものだ
オオオニバスは、受粉や水面の葉の耐久性とその構造などが研究される
万博会場や空港のターミナルなど大型の建築構造に活かされている
ウチワサボテンも環境に適合するために、光合成のプロセスまで修正しているという
ナミブ砂漠の植物ウェルウィッチアは死ぬことのない二枚の葉と言われ、二千歳を超える株があるという また最も醜い植物とも言われる
水分を集める構造は古くから人類のキーテクノロジーであった
空気中の水分を集める建築物ワルカウォーターもエチオピア特有のイチジクの木がモチーフだ
ギリシャ建築のコリントス様式もアカンサスの葉が彫刻され、エジプトのルクソール神殿がパピルスの茎を模倣した柱を使った
◆ 環境適応能力
月に人類が立ってから数十年経ち、今尚その頃誰も星の地表に降り立った者はいない
今後の宇宙進出に植物無しで辿り着ける所はないと考えられている
食物、酸素の供給と、人間の心理バランスに与える肯定的効果だ
火星への片道の距離は約1年の行程だ
帰りのタイミングも適切なポイントを考慮すると滞在期間を含め往復2〜3年の旅になる
地球上で、火星旅行をシミュレーションした際にはクルーの精神状態が悪化したという
ADD:注意欠陥障害の児童にも植物は良い効果をもたらすという
宇宙ステーションでは2014年から植物栽培の実験が始まっている
重力の変化にどう適応するのか
2004年 放物線飛行で植物の活動電位を測定もした
微小重力開始後、1秒半で根で活動電位が作られ隣接領域に伝達され、10分後にはpHの変化も生じたという
問題は機体内の別の様々な物質だったという
無重力状態で、削り屑の金属片がコンピュータに入り込み爆発して炎が上がったのだった
2011年スペースシャトル エンデバーの飛行で植物のストレスと馴化も実験されたという
◆ 資源の循環能力
地球の水の97%が海水だ
水不足、旱魃とは淡水の不足の事だ
気候変動、温暖化問題でも大きな課題だ
食糧需給にも直結する
塩性土壌の塩生植物の研究も重要だ
海上での温室栽培があるという
海上農園アイデアの一歩だが、エネルギーの消費は多く、完全リサイクルも視野に入れたい
海からの蒸留水にはミネラルが含まれない
課題に取り組み解決策が蓄積されていった
2015年に発表された ジャリーフィッシュ・バージ は、海上で野菜の生産を可能にしたという
持続可能な食料生産のために海を耕すことができるようになったことを知らせている
この著書の2年前に発行された、同著者による もう一冊の本も読んでみたいと思っている
植物学の新しい展開に興味は深まる
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Posted by ブクログ
結局、移動を選んだのが動物、定住を選んだのが植物。一見、動物の方が偉いように見えるが、植物が消え去ったら人間の生活は持たない。一方で動物が消えたら植物はこれまで動物に奪われていた領土を奪い返し、わずか数年で完全に取り戻すに違いない。
コペルニクス革命以前、地球は宇宙の中心にあり、すべての星々が地球の周りを回っていると考えられ、人間中心の考え方で捉えられていたわけだが、現在の生物学もコペルニクス革命前にあるといっていいということで、光を感じる視覚や、嗅覚を使った植物同士のコミュニケーションについて語られる。
緑の多い街は犯罪が少ないという事実もいい。なぜかは分からないが感覚的に分かるし、とりあえず、家に緑は増やしておきたいと思った。 -
Posted by ブクログ
ここでいう知性は「問題を解決する能力」と定義されている。人間は人間>その他動物>植物と優劣意識を持ちがちだが、そんなことはないと著者は指摘する。例えば植物は大部分が捕食されても、数日すれば再生する。(生命機能を分散するモジュール構造)。移動ができないからといってそれで終わるのではなく、甘い香りで昆虫を呼び寄せ受粉のサポートをさせて子孫を残すのも植物ならではの一例。
夏の暑い日、気が付けばそんじょそこらに雑草が伸びている。それは植物が長い間時間をかけて自らの生命維持を試行錯誤してきた過程の結晶なのだろう。雑草うぜー、などとは言っていけないですね。