甲斐萬里江のレビュー一覧
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ミステリ。修道女フィデルマ。
修道士の失踪と国王の暗殺未遂事件から始まる物語。
上巻は次々と謎が浮かび上がり続けたが、下巻では少しずつ真実に近づいていき、最後には一気に解決。
解決シーンは、ドーリィーらしく、フィデルマが法廷で大活躍。熱かった。
なかなかに複雑な物語で、登場人物がみんな怪しく思えて、ずっとハラハラしながら読んだ。
フィデルマとエイダルフの関係が、名探偵と少し抜けてる助手役という、典型的なホームズとワトスンの関係に見えて面白い。
フィデルマがエイダルフを心から信頼しているのが微笑ましい。
エピローグでは、フィデルマの女性らしい一面も見れて、ファンとしてかなり嬉しい。
シリーズ作 -
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7世紀のアイルランドを舞台に、アイルランド五王国の一つモアン王国先王の王女にしてドーリィー(法廷弁護士)であり、状況次第では裁判官としても活動できるアンルー(上位弁護士)の資格も有する修道女フィデルマが事件の謎を解き明かす短篇集。収録作は以下のとおり。
聖餐式の毒杯
ホロフェルネスの幕舎
旅籠の幽霊
大王の剣
大王廟の悲鳴
法律の高度な専門家としてたとえ王が相手でも物怖じせず、論理的に事件を解決するフィデルマの人物像やミステリーそのものとしてのおもしろさは充分。加えて、7世紀のアイルランドという未知の世界も素晴らしかった。その独特の風土に最初は戸惑ったが重要な単語は -
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族長襲撃事件の証拠を追って、イムラックの大修道院にやって来た修道女フィデルマ。
元修道士が関わっているようなのだ。
兄である国王コルグーにかかった疑いを晴らすためだった。
ところが、そこでは大変な事態に‥?!
イムラックの大修道院では、貴重な聖遺物が紛失。
保管を担当していた修道士が失踪してしまったという。
調査を依頼されたにフィデルマは、妙な事実に気づく。
修道院のある町は襲撃を受けて大荒れとなり、人々の心のよりどころが失われそうになる。
王国の平和と威信を取り戻そうと奮闘するフィデルマ。
王の妹で、頭が切れる超秀才で高位の資格を持ち、しかも活発な美人というフィデルマですが、大の男が束に -
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修道女フィデルマのシリーズ。
中世が舞台のミステリ、短編集です。
まだ若く美しい女性フィデルマ、じつは修道女であるだけでなく、高位の資格を持つ弁護士。
アイルランドの7世紀という古い時代に、実際にも女性がかなり活躍していたというのは頼もしい。
とはいえ、最初は若い女と見て侮られます。現代同様?
動じることなく、真実を求めて突き進む姿勢がさわやか。
次第にその名が鳴り響いていくのですね。
「聖餐式の毒杯」はローマを訪れた若きフィデルマが礼拝堂に。同席の若者が死んだために謎を解く。
幼なじみの女性の救援に駆けつける話。
偶然立ち寄った雪の宿での、幽霊騒動に巻き込まれる話。
アイルランドの大王( -
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ネタバレ666年アイルランド、モアン王国。王都キャシェルにてフィデルマの兄王コルグーと、敵対していたオー・フィジェンティの族長との和平交渉が行われることになった。だが、王が族長を伴ってキャシェルに足を踏み入れた途端、二人を暗殺者の矢が襲う。一命はとりとめたものの、犯人の身元をめぐって再び両者は緊張関係に。暗殺未遂に使われた弓矢の出所を探すことになったフィデルマとエイダルフは、その途中立ち寄ったイムラックで修道院から聖アルバの聖遺物と一人の修道士が消える事件が起きたと知る。二つの事件の関連を疑いはじめた矢先、イムラックの町を謎の武装集団が襲う。王国に内紛を起こそうとする真犯人の巨大な陰謀とは。〈修道女フ
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ネタバレ古代アイルランドの〈ブレホン法〉に則って裁判を行う弁護士〈ドーリィー〉であり、そのなかでも上位の〈アンルー〉という資格を有する修道女フィデルマが、聖餐のワインで毒死した青年、雪山の旅籠に夜な夜な出現する幽霊、消えた王家の大剣などの謎をその明晰な頭脳と法知識で解決する短篇集。
著者はケルトの歴史学者。このシリーズはミステリーの枠組みを使って古代アイルランドの社会を描くことを目的としたエンタメ小説である。
まずはなんといってもフィデルマの設定。王位継承者の妹という特権階級であることを差っ引いても、当時のアイルランドでは男女が同じ教育を受け、職業的に差別されることなく重要な役職に就けたという史実 -
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