甲斐萬里江のレビュー一覧

  • 消えた修道士 下

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    今巻は、シリーズの中でも最大の政治的陰謀。
    それに加えて、アイルランドに古くからある精霊信仰の根強さが重要なテーマになっていて、読みごたえがあった。
    ここらへん、日本人には理解しやすいが、この手の土着の信仰を「異端」として排除するのがローマカトリックの真骨頂なので、エイダルフが戸惑うのも当然だけど、今巻ではそういう小さな齟齬が二人の間にちらほら見えて、コンビネーションがいまいち、というのももどかしかった。
    最後は両人とも、背中がかゆくなるほど鈍すぎだし!お互いに、もっとストレートに話そうよ!と、大きなお世話を焼きたくなる。
    超人的なまでに何でもできる完璧かつ独善的なヒロイン、フィデルマも、自分

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    2016年04月03日
  • 消えた修道士 下

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    あーもう、本筋とは関係ないんだけど、最後の最後で、エイダルフのボンクラさにがっかり。我らがフィデルマも、そこはっきり言えや!っと言いたくなる察してちゃんぶり。
    本筋はモアン王国の存亡がかかった大事件で、誰もが怪しく謎だらけ。
    それにしてもこのシリーズ洞窟が良く出てきますな。アイルランドには洞窟が多いのか、単に洞窟を利用した建物が多いのか。

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    2015年12月16日
  • 消えた修道士 下

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    このシリーズの最高に面白いところは、馴染みのない古代アイルランドと、当時のキリスト教についてうまく解説しつつ、その「ほとんど異世界」である舞台にすんなり読者を連れて行ってくれるところだと思う。
    作者は本職のアイランド歴史学者だそうだけれども、だからといって、蘊蓄が語られすぎることもなく、登場するキャラクターもフィデルマと、ワトスン役のエイダルフ修道士はじめ、魅力的なキャラクターばかりだ。
    今回もモアン王国を襲った未曾有の危機に際して、ほとんど孤軍奮闘するフィデルマとエイダルフ、筋立ては複雑で、読者もミスリードされまくる。
    しかし、あえて難を言えば、いくつかの仕掛けはわりと最初の内に見えてしまう

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    2015年12月04日
  • 消えた修道士 下

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    ネタバレ

    ここで……ここで、読者を放り出さないでぇ~~~!(@@;)
    次の巻を……次の巻は、いつですかっ!?

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    2015年11月21日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    短編集。フィデルマのシリーズの中でも割とエモーショナルな事件が多い印象。ちょいちょい引き合いに出る大王の宝剣の事件もこれに掲載。
    絶対解決するってわかってても、面白いのはやっぱり物語のうまさかしら。
    説明っぽくないのに、時代背景や当時の法律などがするりと入ってくるのが毎回すごいなーと思うのです。

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    2014年02月05日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    タイトルにひかれて、初めて手にした作品でしたが、とても楽しめました。海外の作品は、翻訳との相性もあると思うのですが、この作品の場合、とてもヒロインの雰囲気にあった文章で、読みやすく思いました。
    フィデルマ修道女は、肩書きも実績もある美人だけど、いわゆる頭でっかちのようにも思われ、自身の情緒面には不器用な可愛い女性なのかもしれないな、という印象を受けました。他の短編集ももちろん、長編もぜひ読んでみたいです。

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    2013年12月23日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    中世好きな友達が薦めてくれた1冊。法廷弁護士であり王族でもある美貌の修道女フィデルマが、関わった事件を凛と解決していく短編集。小気味良い。中世好きも特にそうでなくても、絶対楽しめると思います。

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    2012年10月03日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    古代アイルランドの王国の王女にして、上級裁判官兼弁護士「キルデアのフィデルマ」の名推理を描く短編集。古代アイルランドの風俗を背景としながら、発生する驚愕事件をフィデルマが見事に解決していくのが楽しい。
    主役のフィデルマは、上から目線の知的な美人という人物設定で(笑)、最初は少しとっつきにくかったのであるが、わっさわっさと奇妙な事件を速攻解決していくので、逆に頼もしさを感じました。(笑)物語の進展も、奇妙な謎の提示→論理立てた回答という流れで、特に奇をてらった解決でもないのであっさり感もあるのだが、短編集ということでこれはこれで良いと思いました。
    自分として良かったのは、旅路の旅館で遭遇する幽霊

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    2011年04月20日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    たなぞうで知った本。中世アイルランドが舞台であり、探偵役が修道女であるという点は異色だが、謎解きやトリックは正統派のミステリ。端正な雰囲気がある。キリスト教が支配的になりつつも古い信仰の影響も色濃く残る時代、ともすれば迷信に捕らわれがちななかで、理性的に事件を解決していくフィデルマが爽快。作者ピーター・トレメインは歴史学者でもある。この時代の法律「ブレホン法」や、フィデルマがその資格を持つ「ドーリィー(法廷弁護士)」など、アイルランド中世史を垣間見ることもできて楽しい。このシリーズは他に3編の長編が既訳。短編・長編合わせて未訳のものが十数編あるようだ。結構、固定ファンがつきそうなシリーズだと思

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    2011年07月15日
  • 修道女フィデルマの挑戦 修道女フィデルマ短編集

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    ネタバレ

    フィデルマがモラン師のいるタラの学問所に入学し、最初に解決した盗難事件を描いた「化粧ポウチ」他6篇を収録する、フィデルマ・シリーズの短篇集4作目。


    最初の2作「化粧ポウチ」と「痣」はフィデルマの学生時代を描いた作品なのだが、こんな圧迫面接どころか圧迫〈日常の謎〉をやってくる法律学校があっていいのか? 権威ある大法官と問答するプレッシャーだけならいいけど、わざと遅刻させて精神を追い詰めるために学生のドアを押さえつけることが正当化されるのは最悪なので、フィデルマはモラン師に試験の定義から見直すよう提言すべき。
    「死者の囁き」「バンシー」「昏い月 昇る夜」の3篇は古代アイルランドの法と経済がホワ

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    2021年11月06日
  • 修道女フィデルマの挑戦 修道女フィデルマ短編集

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    【収録作品】化粧ポウチ-修道女フィデルマ最初の事件-
    The Comb Bag -[Sister] Fidelma's First 'Case'-/痣 The Blemish/死者の囁き Whispers of the Dead/バンシー The Banshee/消えた鷲 The Lost Eagle/昏い月昇る夜 Dark Moon Rising

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    2021年04月16日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    【収録作品】聖餐式の毒杯 The Poisoned Chalice/ホロフェルネスの幕舎 At the Tent of Holofernes/旅籠の幽霊 Our Lady of Death/大王の剣 The High King's Sword/大王廟の悲鳴 A Scream from the Sepulchre 
     世界史の知識があれば、もっと楽しめるのかもしれない。

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    2021年03月29日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    フィデルマはアイルランドのキャシェルの先王の王女であり、上位弁護士の肩書をもった美貌の修道女。彼女の行くところに事件あり、な短編集。

    巡礼の地、ローマの小さな教会で起きた毒殺
    フィデルマの幼なじみにかけられた夫、子殺しの嫌疑
    吹雪の中、逃げ込んだ山荘に出る亡霊
    大王即位に必要な宝剣の盗難事件
    千五百年前の王の墳墓から見つかった死体

    淡々と事件を解決するフィデルマがカッコイイ!
    事件解決後の一言がじんわりした後味だったり。
    まずは短編で様子をみて、と手に取ったけど、長編も読みたくなる。
    中世アイルランドの政治、キリスト教のせめぎ合いが絡むのでそういう意味でも面白かった。

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    2021年01月09日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    中世の時代のアイルランドを舞台にしたミステリ。
    アイルランドの王国の国王の妹で修道女であり、弁護士であるフェデルマが様々な事件を解決していく話。
    短編集です。
    当時のアイルランドの様子だけでなく、歴史や法政界の仕組みなども描かれていて、歴史小説のようにも読める。
    勉強にもなるミステリで、この時代のヨーロッパ好きな人はもっと詳しくなれるからおすすめ。

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    2020年02月03日
  • 修道女フィデルマの挑戦 修道女フィデルマ短編集

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    ネタバレ

    学生のフィデルマ、一人前になったフィデルマといろんなフィデルマに会えるオムニバス作品。

    どんな状態でもフィデルマはフィデルマでしかなく、おもしろかった!

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    2018年02月25日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    ネタバレ

    7世紀アイルランドの修道女兼弁護士のミステリ。
    正当防衛とはいえ、旅籠の幽霊にはびっくり…。
    この時代の弁護士や教会の制度は馴染みがないので、なかなか興味深かったです。

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    2015年07月25日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    ネタバレ

    中世ヨーロッパが舞台。こんな昔のアイルランドなんて想像もしたことがなかった世界。
    ヨーロッパというより、お伽の国のできごとのよう。
    でも、作者はきちんとした歴史家とのことで、荒唐無稽なわけではないんでしょう。
    長編の評価が良いので、そちらも早く読みたい。

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    2014年03月03日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    王女で弁護士で裁判官で修道女でしかも美人、というハイスペック極まる女探偵が活躍する中世ミステリ。

    ハイスペック設定だけ見ると、富豪刑事(筒井康隆)を思い出しました( ^ω^ )
    財産を湯水のように使って犯人逮捕の罠を張る神戸大介も良かったですが(笑)、今作のように教会の権威や王族を前に堂々と渡り合うタイプの探偵も良いですよね〜( ^ω^ )私はこれこれこうする権限を持ってるのよ!と事件現場に颯爽と登場する修道女の姿は読んでいて小気味良いです\(^o^)/

    ただ、謎解きに関しては論理性にやや欠けているような印象を受けました。牽強付会とまでは言いませんが、根拠が薄弱だったり発想の飛躍が目につい

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    2013年05月31日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    科学鑑定のない歴史ミステリは、探偵の論理が命。明敏で時に冷徹なフィデルマは、宗教界に身を置きながらも論理的な推理で真相を追求するのだけど、厳格な法律家に徹しすぎてエイダルフがいないところでは人間的な可愛げがないんだなあ。…あっ、これがツンデレっちゅーやつか。

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    2012年01月26日
  • 修道女フィデルマの叡智 修道女フィデルマ短編集

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    アーサー王だの、ローランの歌だの、中世以前のヨーロッパの物語の雰囲気は独特。またケルト人がらみや、修道院ものの話も同じような「匂い」を感じる。嫌いではないが、本なのに異邦人のような居心地の悪さをいつも感じる。
     雰囲気を味わうとか、歴史ものとして読むには楽しい本だが、ミステリとしての評価が加わると、どちらかというと特に面白いということもない。 
     長編だとおもしろいのかも・・・

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    2011年10月20日