舛添要一のレビュー一覧
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「ヒトラーの正体」に続く舛添要一さんの本。
舛添さん、政治家としての評価は微妙でしたが(笑)、著書は丁寧な書きぶりで読みやすいです。
ファシズムといえばヒトラー、ってイメージですが、実は元祖はムッソリーニ。ヒトラーもムッソリーニを師と崇め、執務室には彼の胸像を置いていたそうです。
ただ、第二次世界大戦においては伊は独の足手纏いとなり、いつの間にか立場が逆転してしまっていたようですが、これはあくまで冷酷だったヒトラーと、冷酷に徹しきれなかったムッソリーニの独裁者としての器(?)の違いなのか…
ただ、共通しているのは、独裁に至るまでは当時の合法的なルールに則りつつ、それ以後は好きなようにルールを変 -
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ウクライナ戦争の背景を理解するためには、ロシア史を「タタールの軛」まで遡って見ていかなければならない。
それにしても、スターリンという怪物を産んだロシアの歴史は、まことに苛烈である。
第一次大戦に破れたドイツは多額の賠償金を課せられ、民衆はハイパーインフレに苦しめられた。そこに現れたのがヒトラーだった。ヒトラーは、完全に民主的な方法で政権の座につき、民衆に熱狂的に支持されたのだ。
第二次大戦終結後、そのことに懲りたアメリカは、敗戦国である日本・ドイツ・イタリアに対して寛大な占領政策をとった。その結果、この3国はアメリカの忠実な同盟国(犬)となった。
しかし、ソ連が自滅して東西冷戦が終結したと -
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国際政治学者であり、政治家でもあった舛添氏が、ヒトラーに比べてその実情があまり知られていないムッソリーニの生涯と人物像を、第一次・二次世界大戦の各国の思惑やヒトラーとの関係などと絡めてまとめあげている。複雑な当時の世界情勢が分かりやすくまとめられている。自身も政治家を経験したことが本書を書く上で大きく役立ったそうだ。
名前は知っていてもナチスドイツに比べてムッソリーニ、ファシズムに関しては確かに、あまり知識がなかった。暴力を用いながらも「大衆の圧倒的な支持を得て」政権を取ったことなど共通点はあれど、戦争に関わる考え方などは大きく違う。また、ファシストの中の暴力的な勢力の制御に手を焼き、慣れな -
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元東京都知事、国際政治学者舛添要一さん著
共産党の赤に対抗し黒シャツ隊を率いた男は
兵役後小学校教師から社会主義系新聞編集長を
経て独立後混乱続く伊を束ねて政権樹立。
選挙法改正、財政再建し経済発展も
エチオピア戦争仕掛けるも戦闘力ダメダメで
敗戦。悲願未回収のイタリア奪還でヒトラー
に近づきすぎて日独伊同盟で第二次世界大戦へ。
特に反感なくもヒトラーの政策に追随し反ユダヤへ。
ファシズムとは伊語(束ねる、集団、結束)
1919年ファシストの綱領は女性を含む18才以上全員
参政権、王室上院世襲の称号の廃止、8時間労働
教会資産の没収、富裕者の土地収用、資本の累進課税
など左派的考え方であったが -
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200620ヒトラーの正体 舛添要一SSS
1.第一次世界大戦の講和ベルサイユ条約がドイツに過酷
極右・極左のナチス党と共産党を拡大 最終的に、ナチス党が共産党を追い落とし、独裁体制を作った
ヒトラーは真っ当な政治家 勉強し、合法のステップで国家権力を手に入れた
1929年世界恐慌までは米国資本が投入された→撤退
1930年失業者350万人32年550万人ピーク40年ゼロ
1933年ヒトラー内閣 国会議事堂放火事件
ゲッペルス 大学で焚書 ユダヤ人の著作
2.「政策」も中々の充実振り 誰が作り上げたのか?
①公共事業 失業の解消 1935年再軍備86万人雇用
アウトバーン4 -
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『帰ってきたヒトラー』を鑑賞した結果、「どうしてヒトラーは大衆に選ばれたのか?」という疑問が浮かんだため、購入。悪いイメージしかないヒトラーの真実を知りたいと思って。
ヒトラーは先を読み取る力と掌握力が半端ではなかったことが分かった。ヒトラーが危険な存在だと分かっていながら、イギリスもフランスも手を出せない。そんな状態になるのを見越して、先手先手の策を取ってきたことでピンチを脱してきたことが背景にある。また、大衆が今一番困っていることに焦点を当て、それを迅速かつ的確な行動力で少しずつ改善させた結果を残した。そのことが大衆の心を掴み、「ヒトラーなら!」という期待を生んだことが分かった。ただ、そ -
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去年の夏に発行されたばかりの本。私は世界史に疎くてカタカナ語アレルギーだけど、新書だしわりと読みやすかった。歴史を学ぶ意義を改めて感じた。
ヒトラーが『ぶっとんでる極悪人』で、
ホロコーストが、ヒトラーという1人の男が勝手にやったことであったなら、それはまだ幸せな方なのかもしれない。
ヒトラーみたいな人が現れたとき、自分たちはそれに気づいて彼を止められるはずだ、と思えるから。
ヒトラーが死んだら、ふたたび同じことは起こらないと安心できるから。
でも、現実はそうじゃない。
1番怖いのは、民主主義国家のもとで、民衆の支持によって合法的に独裁が誕生し、ホロコーストが起きたことなんだと強く感じ -
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舛添さんは都知事以前に学者だったが、ヒトラーをテーマにヨーロッパ留学をしていたとは知らなかった。さんざん書かれてきたテーマなので、他の本でも書かれていることのほか、今のポピュリズムや選挙制度、連立政権など分析していて読みやすい。タイトルも今さら「ヒトラーの正体」ではなく現代に繋がるキャッチーなものにすればよかったのに。とにかく一読の価値がある。
20世紀、当時世界で最も民主的と言われた憲法をもっていたドイツ(ワイマール共和国)でなぜヒトラーが生まれたか?ヒトラーは民主的な選挙で躍進し、憲法に則って首相に任命された。ポピュリズムが跋扈する今、ヒトラーを研究することは今日的な課題であると著者は言 -
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マスコミのバッシングで職を追われた人の「敗者の弁」が世に出るころには、世間はすでにそのことわすれています。
「本当はどうだったのか」を、自分なりに検証するために、この手の「弁」は参考になります。真実は、人の数だけあるものです。どこまでほんとか、結局言い訳だと思うか、いろんな読み方があるでしょう。
でも、多くの場合、バッシングに乗り、だれかをひとときの酒の肴にして楽しむ代償は、ものすごい額のムダなお金をさも正しいことのように使う結果に繋がる気がします。
築地も、オリンピックのことも、結局、当時の「ふつうのひと」たちが結果が、今に現れています。どこが「コンパクト五輪」なのか、なんのためのオリン