松本コウシのレビュー一覧

  • ユージニア
    掴めそうで、掴めない。もどかしさと、ゾワっとする不安なきもち。「事実とはある方向から見た主観」ということがよく分かる。

    大好きな小説でこれまぇ数えきれないほど読んでいるのに、毎回新鮮な気持ちでドキドキしながら読む。今回こそはちゃんと分かりそうな気がする…!と思いながら読むけど、やっぱり分からなくて...続きを読む
  • ユージニア
    とにかく不思議な本という印象。
    時系列の整理がやや困難でありながらこれはこうなのかと独自に考察が立てられて面白い。
    青澤邸のひさこがこれまたいい不思議な神秘的なキャラクター。
    こういう人がいたら惹きつけられるだろうなと感じた。
    割とダークでありながらどこか爽やかさもありスラスラ読み進めることが出来た...続きを読む
  • ユージニア
    数年前から気になっている作品にいよいよ手を出した。
    ある一家で起きた大量毒殺事件をもとに構成された物語。
    語り手が頻繁に変わる中、読み進めれば進めるほど真相が分からなくなっていく、なんとも不思議な話であった。
    とにかく不穏で、読んでいる間はずっと不安な気持ちにさせられていた。
    真犯人は誰なのか。
    ...続きを読む
  • ユージニア
    物語がさまざまな人の視点を経てゆっくり進んでいく。
    そして少しずつ明らかになる真実にゾクゾク、ゾワゾワしながら読み進めました。
    読んでいると不安なようなドキドキする感じがして眉間に皺を寄せてしまう部分もあったが、でも最後まで読んで良かったなと思いました。
  • ユージニア
    再読。恩田陸のミステリーはホラーのように不気味。人間の持ついやらしさ卑しさが不気味さにつながっていると感じる。
    割とどの作品も明快な答えはくれないと感じるが、この薄暗くて気味が悪い感じが好き。
  • ユージニア
    正直、全く期待せずに読んだからかめちゃくちゃ面白かった。普段ミステリー小説などの、読破後気分が下がるような小説は避けているが、今回たまたま読む予定の本が届くまで日があり手持ち無沙汰だったため読んでみた所、ページをめくる事にこの事件に惹き込まれてしまった。登場人物が魅力的であったことと、事件があまりに...続きを読む
  • ユージニア
    結論、誰が犯人なの?ってことよりも、
    どうしてそんなことをしたの?という動機にこそ関心が集まるものなんだということを肌で感じられる作品。

    正直、動機はよくわからなかった。
    でも、何か満足していないことがあって、
    それがひょんなことから取り返しのつかないことにまで発展しちゃったのか、
    はたまた、緋沙...続きを読む
  • ユージニア
    1つの名家の大量毒殺事件がいろいろな人の視点から語られ、その人の主観によって事件の見え方が違うからおもしろく、気になって気になって、読むのが止まらない!

    そして読み終わっても、?でもう一度読み返したい感じ。
  • ユージニア
    事件に関わった人たち、それぞれの視点で書かれた話しで物語が進んでいく。
    様々な人が、様々な立場から事件を話すっておもしろいなと思った。
    結局はっきりしないまま終わった部分もあったが、その割にもやっとした気分にはならなかった。
  • ユージニア
    とても面白かった。けど、一回では足りない…

    複数の視点から描かれていて、どの視点も引き込まれた。それぞれで生じた疑問が解消し切ったかどうかが一度では分からなかった。
    もう一回読みたくなる。
  • ユージニア
    天網恢々疎にして失わず
    悪事は一時的には隠しても公になり天罰がくだる。
    この物語はじわりじわりと核心に迫り来、焦りと緊張。最後はぼかしとは、とほほ。泣。。
  • ユージニア
    過去、旧家で起きた大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、事件に関わった人たちの想い。

    事件の真実を探り当ててゆく物語かと思いきや、最後まで読んだ時に残ったのは、真実の奥にあったさらなる謎。
    事件の真犯人だと思われる人物の、得体のしれなさが解されてゆく様は、恩田陸の作品が持つ求心力没入感が遺...続きを読む
  • ユージニア
     今の梅雨の時期にぴったりな暗くじめじめした雰囲気が終始漂う小説。読後もあれは結局何だったんだろう、彼女はなぜこんな行動を取ったんだろう、などと細部が気になり不穏さだけが心に残る。スッキリ爽快にわかりやすいミステリーがお好みの方にはお勧めしない。不思議と怖いもの見たさで世界観に引き寄せられていく感覚...続きを読む
  • ユージニア
    視点が頻繁に切り替わり、全てスッキリとは終わらない、恩田陸節って感じ。基本的にモヤモヤする終わり方ってあまり好きじゃないんだけど、この作者の話はなんか好き。でも人に薦めるタイプの本ではないな。
  • ユージニア
    すごく妖艶な話だった。
    大量毒殺事件の犯人は自殺したが、各章で語り手が話す内容はみんな、犯人とは異なる人物が真犯人だと思っている。

    犯人がわかっているようで、各章の語り手が真実を話している確証がなく、明確にされないからこそ、ゾワゾワしたような印象をもった。
    そこに妖艶さを感じる。

    凡人の私には、...続きを読む
  • ユージニア
    薄ぼんやりした霧の中をいくような頼りないけど恐ろしい話だった 最後まで読んでこの証言でもしかしたら犯人変わるのかなとは思ったけど何もわからない…考察あったら読みたい

    装丁が祖父江さんだったのでオオッてなったけど、読んでてとくに普通だなーとしか思わなかった…巻末の祖父江さんの文章でこんなに気を使って...続きを読む
  • ユージニア
    恩田陸さんワールド全開の本作。

    物語の世界観に最初からグイグイと引き込まれた。
    不気味な蜃気楼のような雰囲気を常に漂わせている不思議な物語だった。

    様々な登場人物の視点で描かれているので頭が混乱しやすかった。なので一気読みがオススメ。

    その雰囲気は最後まで変わりなく、
    限りなく黒に近いグレーと...続きを読む
  • ユージニア
    著者の初期の作品です。
    この陰湿とした雰囲気が恩田さんらしさでもありますよね!
    一族大量毒殺なんてゾッとして気持ち悪い、怪しい雰囲気プンプンです。
    ただ、誰が話していて、誰を主体とした作品なのかはいーまいちわーかりましぇーん。
  • ユージニア
    後半に差し掛かるあたりで、本当の真相がわかるのでは…と期待したけれど、すっきりしない結末だった。
    緋紗子の願いを実行犯の青年が叶えようとした…のではないかと思う。山形の知り合いの住所が書かれた紙を渡したのも偶然だったんじゃないか。でも、どこかでそう言う可能性があったと分かっていた。
    母親が何に対して...続きを読む
  • ユージニア
    関係者がインタビューに答えている形式で進む物語。終始モヤがかかった感じで読み進めていましたが、私の読解力の問題か最後までスッキリせず…
    不思議な不気味さはちょっと病みつきになりそう。再読必須。