日本推理作家協会のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アンソロジー作品『1968 三億円事件』を読みました。
三億円事件をテーマに描くミステリアンソロジー作品です。
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1968年(昭和43年)12月10日、府中で起きた「三億円事件」。
白バイ警官に扮した犯人は盗んだ三億円とともに永久に消えた。
昭和を代表するこの完全犯罪事件に、人気のミステリー作家5人が挑んだ競作アンソロジー。
事件に翻弄される者、助けられた者、模倣する者、犯人に恋する者――。
事件を題材に描く5つの物語は、謎の真相に迫れるのか?
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幻冬舎が刊行する日本の月刊文芸雑誌『小説幻冬』に掲載後、2018年(平成30年)に刊行された作品で、以下の5作品が収録されています。
■楽しい人生(下村敦史)
■ミリオンダラー・レイン(呉勝浩)
■欲望の翼(池田久輝)
■初恋は実らない(織守きょうや)
■特殊詐欺研修(今野敏)
1968年(昭和43年)12月に起きた「三億円事件」……昭和を代表するこの完全犯罪事件に、人気のミステリー作家5人が挑んだ競作アンソロジー、、、
物語は事件の真相に迫れるのか? 『小説幻冬』掲載を再構成し文庫化。
昭和史に残る未解決事件「三億円事件」をテーマに、5人の作家がそれぞれの視点で“1968年”を描き出すアンソロジー作品……同じ事件を題材にしながら、作家ごとに切り口がまったく異なり、時代の空気や人々の価値観が多面的に立ち上がってくる一冊でした、、、
その中でも特に印象に残ったのが、下村敦史の『楽しい人生』と織守きょうやの『初恋は実らない』でしたね。
下村敦史の『楽しい人生』は、実際の事件はこんな真相だったのかも……と、現実味を帯びた展開が愉しめました、、、
織守きょうやの『初恋は実らない』は、三億円事件を目撃した小学生の女の子が犯人に恋をしてしまい、その後、好意を持った男性が事件と関係していたのでは……と思わせる展開が愉しめた。
全体的には、まずまず……といった印象ですね。 -
Posted by ブクログ
錚々たる面子がミステリーの秘伝を余す事なく列挙する本書。
役700ページにも及ぶ創作アイディアの怒涛の中、一番口酸っぱく言われるのは、
「とにかく書け」というシンプルで一番難しいこと。
綾辻行人に至っては、
本書の中で「ミステリーの書き方」なんて当てにするなとさえ言う。
魔法のような、裏技のようなものはない。
匍匐前進のように着実に書くしかない。
ということをこれだけの分量を使って伝えていることに、作家の苦悩を感じ、
ある種絶望すら覚える。
つまりは行動力、多動力でもって向かわなければ、作家としては生きていけないということで、世に宣うビジネス書に書いてある事と通ずるアタックNo. 1イズムが肝要という事になる。
苦しくたって 悲しくたって
コートの中では 平気なの
打鍵が唸ると 胸がはずむわ
プロット 叙述 トリック
三幕構成 起承転結 セーブザキャット
......だけど、涙が出ちゃう。
ミッドポイントが考えつかないんだもの
涙も汗も 若いファイトで
青空に遠く 叫びたい
アタック アタック ナンバーワン
アタック アタック ナンバーワン
・・・・・・
と現実逃避に歌ってみたって、物語が紡げるわけではない。
そう、やはり書くことでしか物語は紡げない。
代わりの瑣末な緊急且つ重要でない事に気を取られ、筆が進まなければ意味がない。
独力の、孤独の、独歩の、這いずる虫の糞。
コートでは誰でもひとり ひとりきり
私の愛も 私の苦しみも
誰もわかってくれない
きらめく風が走る 太陽が燃える
唇に 薔薇の花びら
私は飛ぼう 白いボールになって
サーブ スマッシュ ボレー
ベストを尽くせ
エース エース エース
エースをねらえ
大杉久美子繋ぎで、熱血スポ根注入してみても、それで物語が書けるわけもなく、、、
いや、これはある種書けない者の話として、書けてはいるのかもしれない。
まぁそんな事はどうでもよいのです。
好きな作家の創作秘話を覗けるだけでも、
ファンにとっては感涙もので、
大家、大家、大家、大家のぐーりんだいの御後説賜る機会(それも半永久的に)など、一介の凡夫には身に余る蜘蛛の糸でありまして、まぁそれほど自己卑下しなくともよいのですが、
創作のなんたるかの一端を捉えるには最適やもしれぬ。
と考えながら、ちびりちびり読み進めて、
やっとのこさ通読といったところです。
もうお察しかと存じますが、
書き方本を読んだとて、
このような文体です。
綾辻氏の慧眼。
いや、単に書く量が足りていないだけ。
ファストに書く事に慣れ過ぎただけ。
などど言い訳をしている暇があれば書けと、
先人からの分厚いご指導ご鞭撻が鈍器本に具現化して襲いかかる。
そして私は、昨晩自宅にて死体となって発見された。死後何日か経っており、僅かに腐敗が進んでいる。自殺かと思われたが、遺書もなく、人間関係、金銭関係に困っていたわけでも無い。オートロックもないマンションに住んでいた為、不特定多数が殺せる可能性があり、他殺の線でも捜査することになるだろう。
だが凶器も無い。犯人の目星もつかない。
一体どうして私は死んでしまったんだろう。
死体のそばに、一冊の本。
近くにあるということは、最近まで読んでいたのだろうか。と考えるのは安直すぎるかもしれないが、この本に何か手掛かりがあるのかもしれない。
表紙には「ミステリーの書き方」と書かれている。
おや、この本には見覚えがある。
ふと記憶が蘇る。
私は、死ぬ間際まで、この本を読んでいた気がする。
ということは、やはりこの本は私の死と関係がある気がする。
私はその本を手に取ろうとするが、手に取る事ができない。物理的干渉を拒まれているように、手が本をすり抜けていく。
幽体というのは不便だ。
本の中身が自分では確認できないので、他人に確認してもらうしかない。
ちょっと、そこのあなた。あなたですよ。
この文章が見えているでしょう?
不躾なお願いなのですが、
状況は察しておられるでしょう?
そう、
この本の中身を読んで聞かせて欲しいのです。
そこに私の死に関係する事が書かれているはずです。
いや、そこをどうか。
私は近所の古本屋で買いましたが、
ネットを調べればどこかしらには在庫があるはずです。
私の死を、解き明かしてみたくはありませんか?
いや、解き明かして欲しいのです。
もうこれを読んでいるあなたにしか頼めないのです。
一生のお願いです。
まぁ、死んでますが。
後生だから、のほうが正しいんですかね。
後生真っ只中で言われても頼まれ甲斐が無い気がしないでもないですが。。。
冗談はさておき、
どうかよろしくお願いします。
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冒頭に戻る。
とするのは強引か。
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Posted by ブクログ
ネタバレ3億円事件をベースにした小説。3億円事件の真相はこうだったんじゃないかと思わず想像してしまうほど、当時の状況を基に作られている。
事件そのものの顛末の他、事件をまねたり犯人に恋したりといった物語もあり、バラエティに富んでいる。
「楽しい人生」は上述のとおり、現場の状況からこんな展開だったかもと現実味を帯びていて楽しめた。
「初恋は実らない」では、運命の人の正体は最後まで明かされない者の、幼いころに出会った犯人かもと読者に思わせ、モヤモヤ感と恐ろしさがごっちゃ混ぜに感じられた。
「特殊詐欺研修」は、展開が読めるものの、三億円事件を現代の物語に落とし込み、短文ながらテンポよく進んでいった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1968年12月10日、東京都府中市で起きた未曽有の大事件「三億円事件」。犯人が特定されないまま時効を迎え、昨年末で事件発生から50年が経過した。
この事件はこれまでにも数々の小説やノンフィクション、映画、ドラマで扱われてきた。この作品と時を同じくして、「府中三億事件を計画・実行したのは私です」という告白本?も出版されたが、いまさら本当かどうかわからない告白には全く興味が湧かない。
今となっては、下手な事実より楽しめるフィクションの方が読みたいと手に取った作品は、そうそうたるメンバーによる三億円事件をテーマにしたアンソロジー。
5つの物語は事件当時の時代背景を下敷きに、それぞれの切り口で「あったかもしれない」、「あったら面白い」ストーリーを描く。
どの作品も読ませてくれたけど、最後に収録され最も短い今野敏作の物語には( ̄ー ̄)ニヤリ。一番面白かった。
この作品、今後、今野敏の刑事ものに繋がりそうな予感。鷺坂肇警部の名前を憶えておこうっと!