日本推理作家協会のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
錚々たる面子がミステリーの秘伝を余す事なく列挙する本書。
役700ページにも及ぶ創作アイディアの怒涛の中、一番口酸っぱく言われるのは、
「とにかく書け」というシンプルで一番難しいこと。
綾辻行人に至っては、
本書の中で「ミステリーの書き方」なんて当てにするなとさえ言う。
魔法のような、裏技のようなものはない。
匍匐前進のように着実に書くしかない。
ということをこれだけの分量を使って伝えていることに、作家の苦悩を感じ、
ある種絶望すら覚える。
つまりは行動力、多動力でもって向かわなければ、作家としては生きていけないということで、世に宣うビジネス書に書いてある事と通ずるアタックNo. 1 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3億円事件をベースにした小説。3億円事件の真相はこうだったんじゃないかと思わず想像してしまうほど、当時の状況を基に作られている。
事件そのものの顛末の他、事件をまねたり犯人に恋したりといった物語もあり、バラエティに富んでいる。
「楽しい人生」は上述のとおり、現場の状況からこんな展開だったかもと現実味を帯びていて楽しめた。
「初恋は実らない」では、運命の人の正体は最後まで明かされない者の、幼いころに出会った犯人かもと読者に思わせ、モヤモヤ感と恐ろしさがごっちゃ混ぜに感じられた。
「特殊詐欺研修」は、展開が読めるものの、三億円事件を現代の物語に落とし込み、短文ながらテンポよく進んでいった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1968年12月10日、東京都府中市で起きた未曽有の大事件「三億円事件」。犯人が特定されないまま時効を迎え、昨年末で事件発生から50年が経過した。
この事件はこれまでにも数々の小説やノンフィクション、映画、ドラマで扱われてきた。この作品と時を同じくして、「府中三億事件を計画・実行したのは私です」という告白本?も出版されたが、いまさら本当かどうかわからない告白には全く興味が湧かない。
今となっては、下手な事実より楽しめるフィクションの方が読みたいと手に取った作品は、そうそうたるメンバーによる三億円事件をテーマにしたアンソロジー。
5つの物語は事件当時の時代背景を下敷きに、それぞれの切り口で「