魚川祐司のレビュー一覧

  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    本書を入門書や注釈書といって良いものか?
    ゼロポイントの題通りに、ど真ん中を、引用、知性を持って理論的に説き明かしていく。そしてそれは筆者の裏付けのある実践でもって支えられている。
    仏教用語に関する予備知識や仏教に触れる経験があった方がより興味深く読めるとは思います。
    歴史を振り返ったりスッタニパータ等についての解説もあるが、畢竟、至極当たり前の事が書かれています。
    しかしこの視点で書かれた仏教書は多くはない気がします。
    ここ20年で読んだ仏教書では最良の一冊であると思います。
    本当にお勧めします。

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    2023年08月28日
  • 悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門

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    仏教瞑想がどういうものか、普通の人の生活でどう活かすことができるのか、付き合い方を知ることのできる本。
    瞑想にも多様性があり、目的と方法が多様であり、自分に合う合わないもあるとのこと。唯一の真実があるから、自分をその瞑想合わせなくてはならないと考えるのではなく、自分の目的、適した方法を考えて、合わない時は別の方法を探すという柔軟な対応もあって良いというスタンスを知る。方法によっては、逆に問題を悪化させることもあるとのこと。
    瞑想することと、リアルの物語の中での人格陶冶は別物なので、その指導者の為人をみることも重要ということも、目から鱗だった。

    第三の軸を立てるというイメージや、抜苦与楽という

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    2021年11月21日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    仏教がアナーキーかつラディカルで、しかもプラグマティックであることを隠すところなく伝える本。

    生き生きとした筆致にもかかわらず、内容は慎重を期していて、信頼が置ける。

    釈迦が輪廻を否定したって私も思っていた!どこで習ったのだろう。。

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    2019年04月13日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    瞑想の考え方について知りたいと思い手に取ったが時間がなくざっと読んだだけなので、瞑想の参考に出来るほどのものは得られなかった。しかし涅槃や悟り、仏教の起源については初学者の自分にも分かりやすく書かれていた。今回読めていない部分が多いので再読したい。

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    2018年12月19日
  • 悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門

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    仏教にはずっと興味があるが、スマナサーラ長老がメジャーになってから風通しが良くなった。最近は西洋風に加工したマインドフルネスも流行ってる。魚川祐司さんのアプローチがとても現代的。ミャンマーとタイの違いも興味深く。僕はタイ風の仏教アプローチが気に入りました。

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    2017年03月11日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    やや難解な内容ではあったがゴータマ仏教の神髄に触れられたような気がする。まだわかったようなわからないような状態ではあるけど、それこそ簡単にわかったらもっともっと解脱する人も多いだろうし。

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    2016年12月10日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    生きることの苦に対する姿勢が仏教だとすると、生きることが楽(喜)だと思っている自分はどうなのか。
    その楽が原因で苦がくるのか。あるいは楽には楽の生き方があるのか。
    探っていきたいと思った

    理解しても「わかっちゃいるけどやめられない、悪い癖」。これを抜くために修行

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    2016年11月26日
  • 悟らなくたって、いいじゃないか 普通の人のための仏教・瞑想入門

    購入済み

    実存を震わせるという仏教瞑想

    悩みを抱えた人たちの相談を長年引き受け、解決へと導いているタイ仏教僧プラユキ・ナラテボー師(日本人)の対談本。
    仏教とその瞑想による強烈な効能について深く語る。
    対談形式なのでわかりやすく、プラユキ氏の人となりも大変柔らかで安心して読める。
    特に注目なのはプラユキ式の瞑想法というのが、目を開けたまま行う手動瞑想というシンプルイズベストな手法なので非常にとっつきやすく「これなら自分も瞑想習得できるかも」と思わせてくれる。悩みの解消法を探している人には一読の価値あり。

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    2022年09月29日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    201607/

    縁起の法則が、私達衆生の迷いの生存状態・苦の現状を形成している法則であるからであり、ゆえにそのはたらきをありのままに見て、私達を現状に至らしめている原因・条件(因縁)を消滅させることができれば、私達は苦であるところの迷いの生存状態から脱却する(解脱する)ことができるからである。/

    ゴータマ・ブッダの仏教において目指されていることは、衆生をこの「世間」の存在状態から「出世間」へと移行させることであり、その手段は、縁起の法則によって形成された私達の苦なる現状について、その原因や条件を徹見し、それを消滅させることである。「仏教は難しい」とよく言われるが、その基本的な筋道は、このよ

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    2016年07月25日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    仏教の核となる教義をここまでわかりやすく解説した本はないのではないか。

    巨大な哲学的体系では決してなく、苦、縁起、輪廻、涅槃、解脱など極めて論理的で、かつ「書かれていることを、書かれている通りにしたら、書かれている通りに解脱できた」という、極めて実践的なものでもある。

    解脱とは徹底して客観視する、もしくは人間社会の心象風景は須らくバーチャルだと断じてしまうことのようにも思えるが、解脱者が涅槃と俗世間との繋がりを表現しようとすると、表現の仕方によってさまざまな教理が生じるのだろう。

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    2016年04月12日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    解脱・涅槃とは何か、輪廻と縁起をどのように捉えるか考えるために購入。

    パーリ経典に拠る仏教理解を基本にして、解脱・涅槃とは何かという「仏教のゼロポイント」を検討する。
    著者はテーラワーダ仏教の瞑想センターで実践を積んでいるが、仏教徒ではない。
    本書は、仏教「思想」の本であって、宗教としての「仏教」の本ではない。

    輪廻については、業の結果が寄り集まったモノが縁によって生起し続けているだけであって、輪廻が仏教思想の弱点であるという見方を却ける。

    大乗仏教に対しては、肯定的とは言えない態度を採る。
    ただし、否定的では全くない。

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    2015年11月08日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    なんか、もう、今年最強。涅槃の説明。因果とかってラプラスの悪魔的なもんだよ(私の理解ね、著者の言葉ではないです。)だから、要は、そこで起こってることって色。色即是空。っていうようなことがつらつらと書いてあって、自由意志の問題とかを頭がくらくらするくらい考えてる欧米な人達と比べてのパンチ力半端ないよね。

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    2015年09月08日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    恐ろしい仏教入門書を読んでしまった。私は仏教徒ではないということ。この本は、仏教価値を一転させた。さて困った。私の宗教とは?

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    2015年08月15日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    再読。やはり素晴らしい。ちゃんと読めてなかった部分もたくさん。ニー仏さんのツイキャスなどを聞いてから読むとまた別の感慨もある。輪廻のところ、ツイキャスで質問したいわ。

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    2016年06月28日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    仏教の目的である「解脱・涅槃」とはどういうことか?
    その他、縁起や無我など基本的な仏教で重要な要素について解説されているが、しかたないとはいえ、専門用語は多い。

    ただ、あくまでも著書はテーラワーダの視点から述べており、大乗仏教に対しては、読み手からはやや否定的と感じる立場である。
    その立場も、日本の行学のない仏教への失望から来ているのかな、とも感じた。
    ブッダのしなかった葬式法事を最大事とし、観光や地域振興、慈善事業などの世間的な善だけ、自己と向き合い煩悩と格闘することさえ稀な日本の仏教。
    失望するのも仕方ないかなと思う。

    ただ、著者が平生業成の教えを知らないであろうことは残念である。

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    2023年12月31日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    ネタバレ

    自然と湧いてくるものを止めるためには、流れに逆らう行為を敢えて行う必要がある。「悟り」とは何なのか?簡単ではないが、読む前よりははるかにわかるようになった。

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    2023年11月01日
  • 感じて、ゆるす仏教

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    藤田氏の言う「感じて、ゆるす仏教」が、どのように成立し、どのようなものなのかを理解するため、魚川氏が切り込んでいく。現代の仏教のあり方を考える上で試行錯誤されている様子が垣間見えた。

    対談形式なので読みやすく、わかりやすくはあるが、仏教(特に禅宗、上座部)の知識がある程度必要かもしれない。

    素人ながら、ひとつだけ気になったのは魚川氏の「動物化」という言葉。あれほど「無我」を言いながら、ヒトと他の動物の間に線引きをしているのは奇妙に思えた。輪廻転生の文脈では自然なことなのかもしれないが、あらためて思えば、それも人間のエゴ(無明)ではなかろうか。藤田氏の言うように「畜生=比喩的表現」と考えるほ

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    2023年02月23日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    資本主義経済とあまりにも相容れないような気がする。
    他者が不必要?自己がいかに無為であるかを追求すること?
    仏教の大原則は輪廻転生の前提。縁起からおこる全ては無常であり、それは不満足である。
    我儘は、自分のコントロールのできない、外からやってきた無我であり、結局は隷属である。
    宗教に効能効果はない。瞑想してもなんの得にもならない。コスパもない。
    仏教における倫理規範のの二重構造
    仏教における最上の価値は涅槃、それを目指すことが善
    一方で涅槃の境地は善悪をともに捨て去った先にある。
    そのため、世間の中の日常的振る舞いには、素朴な功利主義と、無生産者なれども尊敬に値する"律"が

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    2021年07月31日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    ブッダの教えについて、「これが本当の教えだ、あれは違う」と様々な宗派の色々な意見があります。

    そんな事より、この教えで心の平静を得られたと言ってくれた方が、よっぽど信用できます。

    けれども、誰もそんな事は言いません。現代社会では、悟りは「円満な人格完成者」と思われているからだそうです。

    本書を読んで、ブッダの考えがぼんやりと理解できました。次の本も期待しています。

    教義上の争いのエネルギーを、「心の平静を得てみんなが平和に暮らす」ブッダの智慧を蘇らせるのに使った方が、よっぽど有益だと思います。

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    2020年08月10日
  • 仏教思想のゼロポイント―「悟り」とは何か―

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    真宗系の本ばかり読んでいるが、いったい上座部仏教ではどのように仏教を解釈しているのかを客観的に知りたくて読んだ。著者が宣言している通り、信仰者ではなく、仏教哲学に基づく悟りの実践者としての立場から、典拠を明示してブッダが求めた悟りについて簡潔に分かりやすく記述されている。
    テーラワーダはこういう風に考えているんだという事が理解できた。
    自分自身は、まったくこの分野に詳しくないので、これが正しいかどうかに関しては判断しかねるところがあるが、日本の大乗仏教と今いる上座部仏教との大まかな違いが分かったのは収穫である。
    なお、テーラワーダのパーリ語経典に関しては、ブッダの言葉を翻訳している点と、一部存

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    2021年04月30日