あらすじ
自らを追い詰める修行時代を経て、「感じてゆるす」境地にたどり着いた禅僧、藤田一照氏。その意味とは? 他者と関わることで見えたこととは? 気鋭の著述家が聞き役となり、その本質と魅力を探っていく。
【章立て】
第一章 「感じて、ゆるす」の誕生論
第二章 「感じて、ゆるす」の方法論
第三章 「感じて、ゆるす」の人生論
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Posted by ブクログ
藤田氏の言う「感じて、ゆるす仏教」が、どのように成立し、どのようなものなのかを理解するため、魚川氏が切り込んでいく。現代の仏教のあり方を考える上で試行錯誤されている様子が垣間見えた。
対談形式なので読みやすく、わかりやすくはあるが、仏教(特に禅宗、上座部)の知識がある程度必要かもしれない。
素人ながら、ひとつだけ気になったのは魚川氏の「動物化」という言葉。あれほど「無我」を言いながら、ヒトと他の動物の間に線引きをしているのは奇妙に思えた。輪廻転生の文脈では自然なことなのかもしれないが、あらためて思えば、それも人間のエゴ(無明)ではなかろうか。藤田氏の言うように「畜生=比喩的表現」と考えるほうがしっくりくる。
Posted by ブクログ
「命令して、コントロールする」ではなく「感じて、ゆるす」というコンセプト。モードレス信者としては、考えるモードと感じるモードは両立できないとの説も大変興味深い。