長谷川博一のレビュー一覧
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最近、幼少期の体験と心の闇に興味があります。
かわいそうな人が減っていきますように。
また、司法がもっと今後の悲劇を生まないためのものになりますように。
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生来的な素因に成育上の問題点が付加され、両者が相乗的に作用し合い、さらには犯行直近に社会的ストレスが加わるといういくつもの要因が複合することによって、犯罪は生まれるものなのです。
50
自分の信念に合致しない情報は排除されてしまう、そんな認知スタイルが出来上がっているとの仮説もたてられます。
59
解離は、通常は統合されている心のさまざまな働きが部分的に断絶してしまうことの総称で、その現れ方も多種多様です。解離も、 -
Posted by ブクログ
この作者は、裁判は真実を明らかにする場所ではなく、弁護士や検察官の駆け引きの場であることを、繰り返し嘆いていた。
それでは、真相が全く解明されないし、その事件から何も学べないと。
死刑囚との対話を通じて、裁判では明かされていない、明かされることがなかった、本当の姿がうっすらと見えてくる。
しかしそれも、死刑の確定判決により、
完全に明らかにされることはない。
我々はメディアの報道によって、
加害者に対して憎悪を抱き、
被害者に対しては同情し、
そこに終始してしまう。
加害者の考えや、精神状態なんていうのは、
全く考えようともしない。
私もその1人だ。
しかし、この本を読み、
加害者は何 -
Posted by ブクログ
数々の犯罪者と触れ合ってコミュニケーションを取ってきた臨床心理士の著者ならではの一冊。
自分でも当日よくニュースで見聞きした犯罪者たちの生い立ちや、当時のニュースからは知ることのなかった背景を知ることができて興味深い。
実際に殺されてしまった人がいるので犯罪は犯罪として当然裁かれなくてはならないけれども、それでも犯罪に至るまでに数奇な、あるいは過酷な生い立ちの中で育ってきた犯人がいることも事実。情状酌量が云々とかそういう話は別にして、この犯人たちも本来はもっと早い段階で支援の手が伸べられる人たちであったのは間違いないだろうし、その人たちを一概に「非情な殺人をした悪人」と片付けてしまうと、今後同 -
購入済み
最後まで読みました。
田中茂樹先生の紹介されていた本だったので読みました。
田中先生の本よりも直球で親にとっては少々、厳しさを感じましたが、
悩める親にとっては、その言葉や行動できっとこの本に出会えて良かったと思うだろうと。 -
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題名のせいか、読みだすまでに時間が掛かった。しかし読み始めると、ディープな内容に関わらず、どんどんと引き込まれてゆく。
真実を明らかにして、同様な犯罪の再発防止と、社会的支援のあり方を探ろうとする著者が、量刑判断の場としての裁判所、そして、量刑を軽くする事を一義的目的とする弁護団との間で苦労する姿に感動を覚える。
メディアの報道では、発生した事件そのものにしか触れないが、その背後にある犯人の成長過程にまで遡ると色々な事実が浮き出てくる。その様な事態に至る前に、社会として何か出来たのではないか?と思わざるを得ないと同時に、社会の位置構成員である自分の無力さ、ある意味の無関心さに不甲斐なさを感 -
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重大凶悪事件を起こした人達を
臨床心理士との獄中対話で読み解いたルポ
重大凶悪事件は以下
池田小学校児童殺傷事件の宅間守
埼玉連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤
大阪自殺サイト連続殺人事件の前上博
光市母子殺人事件の元少年
同居女性殺人死体遺棄事件の男性
秋田連続児童殺害事件の畠山鈴香
土浦無差別殺傷事件の金川真大
秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大
奈良小一女児殺害事件の小林薫
母親による男児せっかん死事件の女性
面接と対話を繰り返すことで
殺人を犯した人たちの内面を浮かび上がらせようとする
臨床心理士の長谷川博一氏
語られなかった幼少期のこと
罪を犯した人たちが何を思い何を考えているのか「心の