いせひでこのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本編の「マキちゃん」の考え方や行動は、現実のお子さんを自由研究しているような感じで、フィクション感の全くないリアルさがすごいと思いました。
そのリアルさは、序盤のマキちゃんの幼いながらの、おもらしの気の遣い方にも現れていて、切ない絵柄と共に思わず笑ってしまいました。
でも、それもそのはず。実際にお母さんが娘さんを見ていて絵日記にしたのだから、それもそうかと思ったのですが、それでもマキちゃんの心の中を見透かしたかのような、そうだよねと共感できるような文章には、娘さんへの理解が込められており、いせひでこさんの麻木さんへの愛情の深さを感じました。
また、「いせひでこ」さんの「新編に寄せて」のす -
Posted by ブクログ
マキちゃんの子どもらしい考えに
癒されたり、いろんなことに気付かされたりしました。
マキちゃんは
おかあさんをやっているよりも
仕事をやっているほうが多い。
と言います。
普通、仕事をやる(する)とは言いますが、
おかあさんを「やる」とは言いませんよね。
でも、マキちゃんはおかあさんを「やる」と言いました。
その時のマキちゃんの気持ちを想像すると悲しくなりました。
本の中には挿絵もたくさん描かれていて、
可愛いマキちゃんの成長も見ることができます。
大きくなったマキちゃんは写真家になったようですね。
写真=写心「心を映す」
なるほど。
増補の「マキちゃんとチェロ」 -
Posted by ブクログ
▶グレイについての三冊の本が合体したもの。
▶一巻目は既読なんで第二巻に相当するところから。
■「気分はおすわりの日」
いきなりグレイが不調。てんかんとアレルギー。なにか喪失の気分が全編漂っている気がします。
グレイはそこにいるだけで人の心を平和にするらしい。(p.185)
グレイをまってるのは私らしい(p.227)
気分はおすわりの日。私もそれでいこう。(p.241)
グレイの背中から風が生まれた。(p.245)
■「グレイのしっぽ」
▶引っ越し。ほとんどすべてグレイのための家に。
▶建築家はいつの間にかいなくなってた。
▶ガン見つかる。
グレイのあけた穴はそこらじゅうにあって( -
Posted by ブクログ
「絵描き」一家がシベリアンハスキー「グレイ」と共に過ごした期間の実話。解説は小川洋子さん。
エッセイというより、「グレイ」の一生を綴った絵日記です。
一生と言ってもグレイは一歳くらいから病気がちで、闘病を続けわずか5年で逝ってしまう。
写真で決定的瞬間を撮るのは難しいけど、スケッチならどんな瞬間でも残せる。
カメラでは撮れないアングルからの描写もできる。
写真なんか撮ってる場合じゃない場面の様子も再現できる。
それゆえに写真以上のリアルさが伝わってくる。
後半はグレイがだんだん弱っていく姿ばかりスケッチするようになり最後まで読み進めるのが辛かった。
最後に描かれた散歩コースの公園のスケッチ