ヴェルヌのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ニュージーランドの寄宿学校に通う8歳~14歳の子供たち(+ワンコ1匹)が帆船スルーギ号でニュージーランド沿岸一週の旅に出航する予定だったが悪戯心で深夜船に忍び込むと何故か子供たちだけを乗せた状態で出航してしまう。何とか嵐を乗り越えて沿岸に到着するものの、そこが島なのか大陸なのかも分からない中、少年たちが力を合わせて生活していく物語。
年長組の3名ゴードン、ブリアン、ドニファンを中心に現状把握(島なのか大陸なのか、食料・その他生活必需品の資源は存在するか、先住民や猛獣などの危険性はないか etc.)をし、狩猟・建築・料理などの役割分担を定めて、ルールや意思決定プロセスを定義するなど子供とは思えないほど知恵や知識を発揮して生活していく姿は素晴らしい。(できすぎ感はあるものの...。)
ブリアンの弟ジャックの勇気ある行動にはうるっときた。(子供が頑張る系・決意する形に弱い)
「秩序・熱意・勇気さえあれば、どんなに危険な状況であれ、脱することのできない事態などない。」という言葉は若者だけでなく、様々な場面で心に留めておきたい言葉。 -
Posted by ブクログ
秀逸で分かりやすく面白い。
物語としても素晴らしく、翻訳も本当に素晴らしい。
ただ語学的にただしく訳しただけでは作品にならない。音符通りに正確に弾いただけでは音楽にならないのと同様に、という言葉に痺れた。
そこに、翻訳の「美学」を感じる。
物語に登場する博士に対して、不安や恐怖からそんなことはあり得ないと批判を繰り返していた博士の甥が、そんなあり得ないことが現に自分の目の前に起こってしまった時の頭の中の感情と思考のメーターの振り切れようが半端ではない。
否定していた人間が今度は打って変わって、先陣をとって博士をも置き去りにする勢いで突き進む人間になってしまった。
反動で余計に勢いがつく。
その変わりようと言えば滑稽で仕方がない。
それまでひたすらビビりまくっていたその甥が言う。
「叔父にしては生ぬるい」と。
人間というのは、
頭の中の思い込みである常識を断固として譲らないが、目の前にそれに反する事実が露わになった瞬間に、こうも態度がガラリと180度変わるのかというのを作者のヴェルヌは面白く描き出してくれている。
科学というのは、コロコロと更新されて変わる。
ニュートンは地球の年齢を5万年と見積もっていたが、現在では45.5億年とされている。
空想科学小説であり、その科学の論理の元に書かれた小説の中で、科学などの合理主義を本質的には否定しているという、ただの文学でもなく、ただのSF小説でもない、何層にも深みが感じられる秀逸な物語。 -
Posted by ブクログ
2018年30冊目。
小学生の頃、ヴェルヌの『海底二万里』を渡されて、ほとんど読まずに放棄していたことを思い出す。
これだけ想像力が刺激され、未知の世界にワクワクできるヴェルヌの作品を逃していたことを後悔。
『地底旅行』は、大人になって読んでも心踊る、素晴らしい本だった。
危険な地底への旅に邁進する鉱物学者の叔父リーデンブロック教授のキャラクターが強烈。
科学者でありながら、旅にとって不都合で、旅を差し止めるような危険性を示唆する理論には真っ向から反対。
自分が進むべき理由だけを盲信して突き進む。
なんだかドン・キホーテみたいだなと思いながら読んでいたら、役者あとがきにも同じことが書かれていて「やっぱり!」と嬉しくなった。
こういう盲信の力には憧れがある。
地底だけでなく、海底や月世界の想像上の旅まで書き上げているヴェルヌの想像力に脱帽。
どれも読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少年15人が無人島に流されてしまい、2年間のサバイバル生活を送る話。
15人はなかなか覚えられないと思ったけど、冷静なゴードン、みんなから慕われるブリアン、そのブリアンに対抗心を持つドニファン。お調子者なのになぜかずっと元気のないジャック、水夫のモコ。この5人くらい判別がつけば全然問題なかった。
ずっとドニファンがブリアンに嫌な態度を取っていたけど、ヒョウ?に襲われるドニファンをブリアンが助けたことで、ようやく心を開いて全員がまとまったシーンがよかった。
景色とか状況の描写が細かくて、地図を見ながら物語を追っていくのが楽しかった。
挿絵があるのも楽しかった!もう少し誰が誰だかわかるような絵だとより楽しめたかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ漂流した少年たちが規律をしっかり守ることで生き延びる様子が印象的だった。彼らは寄宿学校の生徒なので合理的に考え行動できる。また、生徒ではない見習い水夫の黒人のモコが調理能力があり、食事を美味しく楽しく食べることが出来たのも高揚感を覚えた。皆年齢が8〜14歳で家族が恋しかっただろうによく頑張って乗り越えた。健康や清潔にも気を遣えて偉い。それに、植物や動物の食べられるものを知っているのも賢い。食べられるかどうか分からなければ諦めるしかないが、知識のおかげで食べられるものが増えると心強いし嬉しかっただろう。エヴァンズ航海士が島の名前を少年たちに教えたときは安堵感で胸が満たされた。あの場面は希望の光が差したように思えた。誰も知らない島じゃない、知られている島なんだという恐怖や孤独が薄らぐあの瞬間!今の時代には書けない遭難記で面白かった。教育の力の凄さを感じた作品だった。
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Posted by ブクログ
言わずと知れたヴェルヌの名作。
とにかく長い! でも飽きさせない! 少年たちの冒険にワクワクしながら読める本。
【ネタバレあります】
いや、正直言って私は最初の方は飽きそうになりました。だって、無人島の描写がこれでもかと続くんだもん。そして、子どもたち、物資に恵まれすぎ(お酒飲むし!)、落ち着きすぎ知識持ちすぎ(普通のローティーンは壊れた船を有効活用したりできないし、食べられる植物とか見分けられないよ)。「そんなわけあるかい」と思いながら読んでしまうところがね、多少はありましたよね、ええ。
ただ、ジャックのウジウジした感じに「も、もしかしてお前か? お前のせいなのか?」というドキドキが高まり、後半のドニファンが造反するところで「うっひゃあ! やっちまったなあ!」とウキウキし、あっけなく仲直りしちゃって「何これ、少年漫画の原型か?」と少し残念な気持ちになったりしたけれど、概ね面白かったです。後半に行くにつれて面白くなると思う。
私の一番の推しは当然ファンです。最後まで生きててくれてよかった。人間では一番人気のモコを押し除けて、最年少のコスターが推し。大変な状況でもなんだか無邪気で可愛いので。
当時のイギリス、アメリカ、フランスの関係性というか、ヴェルヌがそれぞれの国の人をどう見ていたかというのが透けて見えるのも面白い。