辻隆太朗のレビュー一覧
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オウムは陰謀により不当弾圧を受けていると主張した。
ユダヤ人陰謀論は20世紀初頭のシオン賢者の議定書の流通が契機である。世界支配的内容だが、ロシア秘密警察による偽書とされている。そもそもユダヤ人は人種による区別ではなく、定義困難である。イスラエルはユダヤ人の母から生まれるか、ユダヤ教に改宗したものとしている。よく知られている割に実態がよく分からないところが陰謀論の対象となる所以である。
東日本大地震は地震兵器による攻撃というデマがあった。地震兵器論は古くからある。田中義一が昭和天皇に支那征服、世界征服計画を上奏したとされる田中上奏文は、米国の対日プロパガンダに使用されたが、偽書とされている。
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陰謀論の歴史・陰謀論に陥る心理についてとてもよくまとまっている。反近代主義から陰謀論が芽生えたこと,保守主義との親和性が強く,個人主義・社会主義・国際主義といったリベラルな価値観に抵抗してきたこと,歴史を経て陰謀の主体は曖昧になる反面,その内容は新世界秩序を目指す長期・地球規模の壮大な陰謀へと進化したこと。陰謀論者は全能感,孤立感,使命感に酔っており,自説を放棄させるのはほとんど不可能であること。そして,陰謀論者はただ妄想の世界に閉じこもっているのではなく,現実の世界に影響を与えてきたし,これからもそうであろうこと。こうして見てくると,陰謀論から社会を守っていくのは,決して簡単なことではない
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「シオン賢者のプロトコル」
「『タルムード』には、ユダヤ人だけが人間で異教徒は獣である、ユダヤ人は異教徒に対しては騙しても殺してもよいと書かれてある。非ユダヤ人はゴイ(Goy)、複数形でゴイム(Goyyim)と呼ばれ、これは『家畜』という意味である。そう彼らは主張する。
実際には『タルムード』にそのような記述はない。逆に、(中略)相手が偶像崇拝の異教徒であっても他人を騙してはいけないと述べられている。また、ゴイとはヘブライ語で『国民』を意味する単語であり、陰謀論者たちが主張するような意味はない」
「イスラエルは世界中のユダヤ人すべてに移住と国籍取得の権利を認めている。移住条件を規定してい -
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世の中は不思議なこと・不可解なことで溢れている。どんなことでも
解決出来る便利なフレーズがある。それは「○○の陰謀だ」なのだ。
これさえ使えばすべての説明が出来てしまうのだ。素晴らしいでは
ないかっ!陰謀史観って。
偶然の連鎖だって陰謀論者にかかれば必然になり、単なる意匠も
陰謀の印になっちゃうのだ。
そんな陰謀論者の三位一体(?)が本書の副題にもなっている
ユダヤ、フリーメイソン、イルミナティなのである。三者が混然
一体となって世界征服を目指してるのだっ!
そして私たち一般庶民は知らず知らず陰謀を企んでいる者たちに
洗脳され、操られているのだっ!なんと怖ろしいことか。
こんな陰謀論 -
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Posted by ブクログ
陰謀論の歴史とそれが生まれた背景を知るための一冊。
また陰謀論と宗教の関係、プロパガンダとの関係についても知ることができた。陰謀論についてよく知らなかった自分にとってはなかなか面白い内容でした。
ただしタイトルにある「読み解く」というよりも、「陰謀論を分析して否定できる箇所は否定する」という風で「そもそも、その陰謀論のことをよく知らない」ような自分にはちょっと読むのが面倒だった。なので陰謀論を一通り知っているというよりもどっぷり浸かっている人向けか。
それはこちらにも問題はあるのだけど、欠点は、とにかくイスラエルについての記述がほとんどない点。ほとんどの章でユダヤ陰謀説に対して反証をしていな -
Posted by ブクログ
「信じるか信じないかはあなた次第」というフレーズに代表されるように,陰謀論は,それを信じない者にとってはばかばかしく,それを信じる者にとってはリアリティがある.3.11の「人工地震説」にしてもネットで書き込まれた内容が流布していき,一部の人々に信じ込まれている.いったん陰謀論の世界観にはまってしまうと,そのすべてが都合よく解釈され,被害妄想に陥ってしまうという怖さがある.典型なのはオウム真理教の陰謀論だ.このような陰謀論にはテンプレがあり,そこには私たちの心理を巧妙に突いた理屈があることを知っておけば,陰謀論に陥らずに済むかもしれない.