ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
偽史を紡ぐのは誰か? 偽書・世界征服計画の書『プロトコル』、フランス革命とメーソンの関係、新世界秩序陰謀論の論理、日本でたびたび巻き起こる震災デマ……。陰謀論という考え方は、たったひとつの視点で世界のすべてを明瞭に説明する、非常に便利な思考のフィルタである。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
オウムは陰謀により不当弾圧を受けていると主張した。 ユダヤ人陰謀論は20世紀初頭のシオン賢者の議定書の流通が契機である。世界支配的内容だが、ロシア秘密警察による偽書とされている。そもそもユダヤ人は人種による区別ではなく、定義困難である。イスラエルはユダヤ人の母から生まれるか、ユダヤ教に改宗したものと...続きを読むしている。よく知られている割に実態がよく分からないところが陰謀論の対象となる所以である。 東日本大地震は地震兵器による攻撃というデマがあった。地震兵器論は古くからある。田中義一が昭和天皇に支那征服、世界征服計画を上奏したとされる田中上奏文は、米国の対日プロパガンダに使用されたが、偽書とされている。 フリーメイソンは18世紀にイギリスで設立された友愛団体である。教皇から異端とされた。自由や平等を是とし仏革命など王権や伝統的宗教の超克に寄与した。米独立革命はメーソンの支援を受けた。一枚岩の組織ではなく秘密にもされていない。 イルミナティは18世紀の反イエズス会系の啓蒙組織であるが、同世紀頃には消滅した。20世紀になってから小説などで取り上げられ、フリーメイソンをも支配する組織というイメージができた。
陰謀論の歴史・陰謀論に陥る心理についてとてもよくまとまっている。反近代主義から陰謀論が芽生えたこと,保守主義との親和性が強く,個人主義・社会主義・国際主義といったリベラルな価値観に抵抗してきたこと,歴史を経て陰謀の主体は曖昧になる反面,その内容は新世界秩序を目指す長期・地球規模の壮大な陰謀へと進化...続きを読むしたこと。陰謀論者は全能感,孤立感,使命感に酔っており,自説を放棄させるのはほとんど不可能であること。そして,陰謀論者はただ妄想の世界に閉じこもっているのではなく,現実の世界に影響を与えてきたし,これからもそうであろうこと。こうして見てくると,陰謀論から社会を守っていくのは,決して簡単なことではないように思う。根気よく否定していくしかないんだろう。それでも日本はまだましな方で,アメリカの状況はかなり根深いものがあるようだ。
「シオン賢者のプロトコル」 「『タルムード』には、ユダヤ人だけが人間で異教徒は獣である、ユダヤ人は異教徒に対しては騙しても殺してもよいと書かれてある。非ユダヤ人はゴイ(Goy)、複数形でゴイム(Goyyim)と呼ばれ、これは『家畜』という意味である。そう彼らは主張する。 実際には『タルムード』に...続きを読むそのような記述はない。逆に、(中略)相手が偶像崇拝の異教徒であっても他人を騙してはいけないと述べられている。また、ゴイとはヘブライ語で『国民』を意味する単語であり、陰謀論者たちが主張するような意味はない」 「イスラエルは世界中のユダヤ人すべてに移住と国籍取得の権利を認めている。移住条件を規定している国籍法によれば、ユダヤ人とは『ユダヤ人の母から生まれ、あるいはユダヤ教徒に改宗した者』である」 「例えば、ロックフェラー一族はユダヤ教徒ではなくプロテスタントであるし、わかっている範囲ではユダヤ系ですらない。しかし、陰謀論の世界ではたいてい、ロックフェラーはユダヤ系ということになっている」 「陰謀論は確かに物事に対する疑いを出発点としているが、その論理は健全な疑いとは正反対のところにある。陰謀論には自らに対する疑いがない。」
"これまでに語られてきた陰謀の数々をひも解きながら、惑わされることが無いように陰謀がどのように作られてきたのかを検証している。末尾の参考文献の多さからも陰謀論は巷にあふれている。 陰謀論を語る人は、恣意的だが物事の裏を常に考え、自分の発想・思想に結び付ける人々。 こうした人々からも学ぶこと...続きを読むはある。ある意味洞察力の優れた人は、恣意的な誘導なく、世の中の事実・点と点を結び付けてみたり、ひっくり返してみたりしているのだろう。健全に洞察力のある人物を考える上でも本書は役に立つ。"
陰謀論は見たいものしか見ないの典型といえる あらゆる反証は偽物と決めつけられ、都合のいいことだけを真実とする。 自分が正しく、世界が間違っていると信じて疑わないというのは最も嫌いな人種で、陰謀論者はそういうものなんだなぁ。 由来から陰謀論は保守的であるとの指摘 既存秩序と相いれないものへの反発 この...続きを読むへんは若者文化VS年寄の構図にも似ている。 陰謀論は似たような陰謀論を取り込み膨張する 結果どの陰謀論も構造が同じになる
世界に蔓延る陰謀論の構図を歴史、言説双方から分析した新書。原発もTPPも陰謀論に満ち溢れている昨今、人間が陥りやすい魔力を理解する上で重要だし、類書がないのできわめて有意義。
世の中は不思議なこと・不可解なことで溢れている。どんなことでも 解決出来る便利なフレーズがある。それは「○○の陰謀だ」なのだ。 これさえ使えばすべての説明が出来てしまうのだ。素晴らしいでは ないかっ!陰謀史観って。 偶然の連鎖だって陰謀論者にかかれば必然になり、単なる意匠も 陰謀の印になっちゃう...続きを読むのだ。 そんな陰謀論者の三位一体(?)が本書の副題にもなっている ユダヤ、フリーメイソン、イルミナティなのである。三者が混然 一体となって世界征服を目指してるのだっ! そして私たち一般庶民は知らず知らず陰謀を企んでいる者たちに 洗脳され、操られているのだっ!なんと怖ろしいことか。 こんな陰謀論はまったく信じていないので、本書のように陰謀論に 反論する書は面白い。突き詰めていくと陰謀史観はご都合主義の 都市伝説となんら変わらないのだよね。 陰謀論はどのように生まれ、発達するのか。分かり易く解説している。 9.11アメリカ同時多発テロの時も様々な陰謀論が展開された。 東日本大震災の時だって「人工地震だっ!」なんて話が流れた。 どうしてこういうのを信じる人たちが出て来るかねぇ。ちょっと考え れば分かるはずなのに。 陰謀史観・陰謀論は単純に楽しむだけでいい。エスカレートすると オウム真理教のようになってまうから。 あ…もしかして、本書のように「陰謀論なんて存在しない」と記すこ とで安心させることが陰謀なのかもしれない。爆。
陰謀論の歴史とそれが生まれた背景を知るための一冊。 また陰謀論と宗教の関係、プロパガンダとの関係についても知ることができた。陰謀論についてよく知らなかった自分にとってはなかなか面白い内容でした。 ただしタイトルにある「読み解く」というよりも、「陰謀論を分析して否定できる箇所は否定する」という風で「...続きを読むそもそも、その陰謀論のことをよく知らない」ような自分にはちょっと読むのが面倒だった。なので陰謀論を一通り知っているというよりもどっぷり浸かっている人向けか。 それはこちらにも問題はあるのだけど、欠点は、とにかくイスラエルについての記述がほとんどない点。ほとんどの章でユダヤ陰謀説に対して反証をしていながら、イスラエルという国家は陰謀論にどのように反証しているのか、そもそも反証しているのか、モサドは何かやってるのか? というのがない。ベン・グリオンの名前は出てきても、「イスラエル国家と陰謀論との関係」が見えない(もちろんイスラム諸国とこれらユダヤ陰謀説の関係も見えない)。なのでかなり不満足。というか『モサド対ユダヤ陰謀論 闘いの全記録』みたいなのが読みたい気がする。 オウム真理教を例にして陰謀論についての説明を始めている点はわかりやすい。陰謀論者とその支持者というのは、こうした教祖と信徒という関係に近いのだろう。だが、いくら教祖が支配しているとはいえ、支配できているのは教団の中の信徒だけで、世の中は支配できていない。それどころか「法の支配」を受けていて、その法によって与えられた権利を元に選挙に立候補したりする(そうかんがえるとオウムはこの時点で詰んでたのだろう)。 著者の結論とは異なるのだけど、自分としては、こうした教祖と信徒、つまりは支配と服従という人間関係で物事を捉えていると、こういった陰謀論に行き着きやすくなるかと思う。どう考えても「たいして支配できていない自分」がいて、なので被支配者という「立場」で世の中をみる。そうすると必然的に「そこには支配者がいるはずだ」となる。だがすでに神は死んだ世界であり「大きな物語」も死んだばかりのポストモダンな世界にある。そうなると自分たちで支配者を作る必要があるので、ちょうど良い支配者っぽいのを探して「このイルミナティってのでよくね?」的なノリ。本書の陰謀論の歴史から見ても、この見方はそれなりにいけてる気がする。 こうしてみると結局のところ陰謀論とは、ルサンチマンとしての自分の正しさを手に入れて安心したい、支配者への怒りは手放したくない、という自然な欲求が現れただけでしかない。こう結論してしまうとチープな気もしないでもないが、「世の中への不平不満が」という結論よりはいいと思う。
単なる「トンデモ批判」だけではなく、陰謀論に与してしまうメンタリティとか、「普通の人」がすべき心がけとかに触れつつ締めているのはなんか新書っぽくてよい。 もちろん、ただ陰謀論ってどんなのがあるのかなあ、という好奇心を満たすために読んでも、それはそれで面白い。
「信じるか信じないかはあなた次第」というフレーズに代表されるように,陰謀論は,それを信じない者にとってはばかばかしく,それを信じる者にとってはリアリティがある.3.11の「人工地震説」にしてもネットで書き込まれた内容が流布していき,一部の人々に信じ込まれている.いったん陰謀論の世界観にはまってしまう...続きを読むと,そのすべてが都合よく解釈され,被害妄想に陥ってしまうという怖さがある.典型なのはオウム真理教の陰謀論だ.このような陰謀論にはテンプレがあり,そこには私たちの心理を巧妙に突いた理屈があることを知っておけば,陰謀論に陥らずに済むかもしれない.
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
世界の陰謀論を読み解く
新刊情報をお知らせします。
辻隆太朗
フォロー機能について
「講談社現代新書」の最新刊一覧へ
「社会・政治」無料一覧へ
「社会・政治」ランキングの一覧へ
叢書パルマコン・ミクロス03 コンスピリチュアリティ入門 スピリチュアルな人は陰謀論を信じやすいか
「辻隆太朗」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲世界の陰謀論を読み解く ページトップヘ