溝口優司のレビュー一覧

  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    ネタバレ

    新装版の表紙のインパクトと、帯の「佐藤優氏推薦!」という文言に惹かれて購入。佐藤優さんをリスペクトして、著書を読みまくった時期もあったなぁ。
    さて本書は、人類学者(形質人類学者)の著者が、長年研究している「日本人はどこからきたのか」というテーマを、フツーの人にもわかるように、なおかつ深く面白く解説している。根拠となるデータやその見方の部分はやはりちょっと難しくて、わからーんと思いながら読み飛ばした部分もあるけど、細かい内容もいろいろ面白かった!
    サルやクマなどの動物が、赤道に近いほど小型で、緯度が高くなれば高くなるほど大型になり、丸みを帯びてくる理由や、ヨーロッパ系の人類の鼻が高くすっと長くな

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    2024年06月16日
  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    とても面白く読めた一冊。

    昔、学校で習ったジャワ原人も北京原人もネアンデルタール人もアウストラロピテクスも、その当時の知見は陳腐化して、今はいろんなことが分かってきて、その分、いろんなことが新たに謎となって生まれているのだろうと思います。

    類人猿と比べて、私たちは鼻が高い。実は鼻が高くなったわけではなく、進化の過程で、頭は丸く大きくなり顎と歯は小さく華奢になったために、鼻が高くなったように見えるのだそうです。時代が変わっても空気を温めて湿り気を与える鼻の機能は変わらず必要だったからだそうです。鼻が高いと言っても鼻の角度そのものは類人猿と変わらないそうです。・・・だって、クレオパトラさん。

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    2023年05月31日
  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    ■私たちの祖先は人類になる前はチンパンジーなどの類人猿と同様に樹上生活を営んでいたと考えられる。ところが何らかの理由によって木々がまばらにしか生えていない場所で暮らさざるを得なくなったため、地上生活に適応して直立二足歩行をするようになった。何らかの理由とは地球環境の変化によって森林が縮小したことや、それに伴って食物が減少したこと、或いはほかの生物との競合が激しくなったことなど。
     理由が何であるにせよ地上生活に適応して直立二足歩行をするようになったことがその後の人類の運命を決定づけた。直立したことによって人類は手の自由を獲得しその結果として発達した大きな脳を獲得し言語も獲得したからだ。
     手で

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    2022年02月11日
  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    面白く読めた。
    ヒトの進化は道具で解決できない問題にしか起こらない。道具で解決できず、身体の特徴で解決できた場合、自然な淘汰が起こり、安定的な環境で普通は数万年かけ進化がおきる。今はたいていのことが道具で解決できちゃうから、例えばHIVに対する免疫?を持った人類へ進化することはないだろう…。
    日本人は縄南弥北混置至現。

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    2021年06月19日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    人類の起源から、今の日本人のルーツを綴った一冊。

    以前定説とされてたものも覆される中、最新の学説を知ることができ、非常に勉強になった。

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    2013年02月18日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    分かりやすく興味深い事が沢山書いてありました。人類のロマンを感じます。日本人に至るまでに相当な時間が掛かっている。その事を考えると、日本人である事を大事にしていかないと...と思いました。これから殆ど変化しないというのが分かったのも面白かったです。

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    2011年09月25日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    解明しようとするにはまだまだ様々な検証が必要な「日本人の起源」について、「アフリカで誕生した人類が世界へ拡散しどのように日本人となったか」という壮大なスケールのテーマについてとても分かりやすく説明されている。難解な学術用語、専門用語については、僕のようなこの分野の門外漢にもわかりやすいように易しい言葉で注釈が加えられている。また、先に読んだ内容の記憶が少し曖昧になっていても過去の記述をおさらいしながら話を進めていくので、こうしたジャンルの本に初めて接する入門者への配慮が感じられて好感が持てる。
    もともとは日本語の起源論という言語の側面から興味を持って購入した本だったが残念ながら言語に関する記述

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    2013年11月13日
  • 私の顔はどうしてこうなのか 骨から読み解く日本人のルーツ

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    頭蓋骨の特徴(計測)によってアジア人や日本人のルーツを考えると言うもの。縄文人と弥生人では、やはり異なることが分かったし、縄文人後·晩期の集団に近かったのは、それよりも1万年ほど古いオーストラリアで見つかった頭蓋骨だと分かったことから、縄文人のルーツも候補が広がってきているようだ。
    そのようなルーツの考察だけではなく、なぜ動物の眼や口は前にあるのか、猿や人の眼はなぜ顔の横にはないのか、アジア人の顔の特徴はどう形成されてきたのか。興味をそそる内容もあって面白い。

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    2021年07月10日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    著者は遺伝学ではなく、骨や歯の形で人類学を専門としている方なので、遺伝的な要素もあるが骨や歯の記述が多くなる本であった。

    3章構成であり、1章でアフリカで生まれた人類の祖先が変化していることを示すこと、2章でアフリカから世界に広がり、特に南太平洋に行くまでのこと、3章で日本人の祖先の縄文人や弥生人のことを平易に書いてある。

    とはいうものの自分は人類学の基礎知識があまりになくて読むことに難儀してしまった。ヒトの名前と特徴を表か何かにしないとやっぱり読むことが大変になるので、次回には基礎知識をもっと溜めて読みたいと思わされた。

    具体的な人種名や地理的なものは忘れてしまうけれど、大枠は理解でき

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    2018年06月17日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    人類がアフリカ起源というのは間違いなさそう。ではその人類がいつ日本にやってきたのか。どのように日本人は確立していったのか。

    DNAではなく主に骨相学から、日本人のルーツを探ります。

    自然の障害(海があって向こうの土地に渡れないなど)や気候の激変(氷河期で人類のほとんどが死滅)があり、人類は遺伝的にはかなり詳細に移動の時期が特定できるようです。

    日本人のルーツは縄文人(東南アジア起源で、遺伝的には同じルーツを持つアボリジニに近い)と北方アジア起源の弥生人の混血、とのこと。

    興味を引くのは、画一的に入れ替わりがすすんだのではなく、一部は縄文人、別の地域は弥生人、中間は混血、というように地域

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    2014年11月18日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    大変おもしろい。そういえば、学校ではアウストラロピテクスが人類の起源か、と習っていた記憶があるが、人類学はここまで進んでいたのかと驚くばかり。諸説あるだろうが、日本人とはそうだったのかと思う一方、国、民族、人種とは?という思いにも駆られる。惜しいのは、人体の名称などの学術用語は素人にはわかりにくいので、更に図解などを入れてほしかった。

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    2011年12月23日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    日本の起源に興味を持って(特に弥生後期、邪馬台国から大和朝廷まで)、その分野の本を読んでいく中で、やはり人類の起源を知っておいたほうが良いと思い購入。
    猿人から縄文・弥生時代までのおおまかな流れを割りと分り易く書いてある。生物の名称や骨の名称などがたくさん出てくるが素人にも理解できるように平易に書かれてあると思った。
    印象に残った点は、猿人のアウストラロピテクスとパラントロプスが食事の違いによって生死を分けたというところ。粗食のパラントロプスは食事にかける時間が多いが、高い栄養価のものを食していたアウストラロピテクスは食事以外の時間が増える。その時間に学習をし、生存していった。
    また、日本人の

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    2011年10月07日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    以前、7人のイブを読んでいましたので、文系の自分でもわかりやすく、今いる自分が何ものなの?って思っていた所、みんな仲間です。特にご近所さんのアジアの方々など兄弟のよう。仲良くしましょ。
    街を歩きながら、あの人は縄文系が強いのかとか密かに楽しんでます。

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    2011年09月30日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    NHKの「地球大進化」をみて、生命の歴史が分かったつもりでいたが、本書を読んで、まだまだ未解明な部分が多いことを知った。学術的良心がある記述に好感がもてます。かといって難しくはないです。

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    2011年06月03日
  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    日本人のルーツを猿人の歴史からたどっている本。 2011年に出たものを2020年の最新の知見を加えてリライトした。ただ依然としてわからないことの方が多くていずれの話も推測・仮説の域を出ない。結論を求める人には少しもどかしいかもしれない。
    もう一つこの本を読んで知ったのは人類と呼ばれるものには様々な種類があり、それぞれが環境に適応しながら発展を遂げているが、いずれも現在は絶滅し結局ホモサピエンスという1種類が残ったということだ。
    日本に入ってきたのは、確認できるところでは約4万年ほど前のことで、縄文人は南方から、その後弥生人が北方から入ってきて、縄文人が弥生人に次第に置きかわっていったということ

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    2025年08月03日
  • 私の顔はどうしてこうなのか 骨から読み解く日本人のルーツ

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    シベリアの人々は頭が前後に短いとか、中東由来の人々は歯が小さいとか。
    頭蓋骨をはじめとする骨のサイズを測ることで、その集団の特徴が明らかになるというのは近年の研究成果だという。
    著者もさまざまな研究論文からサイズの情報を書き出すことからスタートしたという(1992年)。
    それは現代人だけが対象ではなく、化石の頭蓋骨のサイズから様々なことが明らかになりつつあるという。

    というような、ヒトの顔を規定する要因について(現在の研究状況を)まとめた一冊。
    個々人の人相やら美醜やらを論じるものではなく、人類の「顔」について論じたものです。

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    2023年06月15日
  • 私の顔はどうしてこうなのか 骨から読み解く日本人のルーツ

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    人類の進化に関する本で、読みやすい本ではあるのだけれど、何だか違和感がある本でした。
    今振り返ると、「先に結論ありき」で書かれていることに違和感があったような気がします。

    おそらく、とても熱心な研究者で、知識欲も旺盛な方だと思うのですが、論の進め方が我田引水というか、著者の考えにとって都合のよい題材を集めているように見えますし、ある種、排他的な姿勢を感じました。

    著者の年齢の影響なのか、もともとの気質のせいなのかはわかりませんが、書かれている内容そのものは、納得性のあるものもあるので、ちょっと残念な印象。

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    2021年09月09日
  • 私の顔はどうしてこうなのか 骨から読み解く日本人のルーツ

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    ネタバレ

    こうして私たちは「顔」をもったから、なぜアジア人がベビーフェイスなのかなど、わかりやすく紹介。カラーではないですが、字体もフォントも大きく読みやすかったです。赤ちゃんをかわいいと思うわけなど、「育児をしたい」遺伝子など紹介。日本人のルーツもまだまだ探す旅はつづく。違っていることの重要性を書いてくれていたのがよかったです、「違い」に善悪もない。
    「差別や戦争が生じる主なきっかけとなるのが、「違い」です。しかし、すでに紹介したように、私たちホモ・サピエンスの姿かたち・顔かたちは、さまざまな環境に適応することによって必然的につくられてきた、つまりは、良し悪しや優劣といった価値観とは無関係に、ただ単に

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    2021年08月17日
  • [新装版]アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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    ホモ・サピエンスがアフリカに誕生し、700万年の時を経ていかにして日本人となったのかを説明する。
    森から地上に降りて直立二足歩行をするようになり、手が自由になり、脳が発達して言語も獲得したのが人類を他の類人猿と分けた。
    一定の特徴を持つ人が子孫を多く残し、それが何世代にもわたって続くことでスタンダードとなる、これが進化。暑い昼間に長時間走る能力により肉食獣と競合しなくなった、そのために効率的に体温を下げる必要が生まれ体毛が薄くなった。また、直立で見えにくくなった生殖器は唇が、臀部は乳房が擬態したという説も面白い。寒冷地適応で手足が短くなるだけでなく、身体が大きくなる。
    現代日本人は、南方起源の

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    2020年12月08日
  • アフリカで誕生した人類が日本人になるまで

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     人類学の立場から、特に骨の「形態学的比較」を通して、ヒトがどう進化して世界中に広まっていったか、さらに現代日本人のルーツはどこか、といったことを、現在分かっている範囲の可能性について紹介したもの。
     「直立したことによって人類は手の自由を獲得し、その結果として発達した大きな脳を獲得し、言語も獲得した」(p.15)というのが新鮮だった。言語の獲得の根源には直立二足歩行があるというのが面白い。他にも「唇は生殖器の、乳房は臀部の擬態」(p.63)とか、「実は、瞼が一重なのは、現代人の中では北アジア人と東アジア人だけ」(p.107)とか、今ある自分たちの体の各部の形がなぜそのような形になっているのか

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    2017年09月18日