財部誠一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本が誇るスポーツシューズメーカーのアシックス。その創業者 鬼塚喜八郎氏の生涯とアシックスの来歴を辿るノンフィクションです。
戦後、神戸でオニズカを創業した鬼塚氏。”子供達にスポーツシューズを届ける”という理念を掲げてのスタートでした。最初に取り組んだのが最も開発が困難と言われたバスケットボールシューズ。無名メーカーのシューズを門問屋は扱おうとせず門前払いに。その逆境からの販路開拓の紆余曲折は本書に詳しく描かれています。
次第に実績を重ね、迎えたのが東京オリンピック。”裸足のアベベにわが社の靴を履かせる”という目標を掲げ世界市場に挑む鬼塚氏。しかしそこはアディダス、プーマなどの有力メーカーがひしめく、日本とは全く異なる商習慣の世界なのでした。
アディダス、プーマと互角の戦いを繰り広げるオニズカですが、そこにアメリカ代理店として手を挙げる若者が登場。彼こそが後にナイキを創業するフィル・ナイト氏です。後にナイキが台頭し、ソールに空気を注入したナイキの”エアー”と新素材でクッション性を高めたオニズカの”α-ゲル”の開発競争が繰り広げられます。
そして時代は移り、2020年代へ。ナイキの厚底ランニングシューズの大ブレークに、苦境に陥ったアシックスは…。
戦後のベンチャー企業からスタートして日本を代表する企業へと成長した例としてはホンダやソニーが有名ですが、本書で登場するアシックスも創業者の強烈なカリスマ性が本書から伝わって来ます。まさに「プロジェクトX」的な内容で、読みながら中島みゆきさんのテーマソングが聞こえてくるような内容でした。
私も中学生の頃、バスケットボール部に所属し、布製のアシックスのバスケットボールシューズを履いていました。当時、黄色の地色に黒のアシックスのラインが描かれた箱に入った真新しいバスケットボールシューズを手に取り、気持ちが昂った経験を思い出しました。 -
Posted by ブクログ
実に面白いし興味深い内容だ。
アシックスシューズファンからオニツカタイガーファンまで広くお薦めしたい。
内容は幅広く創業鬼塚喜八郎氏がベンチャー企業なるオニツカを起業するまでの道のりやそれを支えた人、社員の人物像。
また、頂上決戦と呼んだ五輪アスリートへの商品供給戦略は、アディダス、プーマやナイキ、ミズノらとの競合の様子も描かれる。
また、アシックスとして統合後、封印されていたオニツカタイガーが、ファッションブランドとして復刻されるに至った経緯がよくわかる。
8年に及ぶ著者の取材や執筆への気魄が感じられる。
あとがきで著者の現在に、まさに鬼塚氏の精神がこちらにも受け継がれているようだ。書き続けて欲しい。 -
Posted by ブクログ
京都企業の実力2015/1/8
著:財部 誠一
著者は、野村證券退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストとなる。1995年に経済政策シンクタンクを設立。金融経済誌等に幅広く寄稿すると共に、TVやラジオでも活躍している。
なぜ京都にはこれほど多くの老舗企業が集積し、今なお増え続けているのだろうか。京都では自分だけがよければいいという考え方をしない。人と人が、企業と企業とがじつは濃密につながっている。人としての器量、力量が京都のコミュニティでは徹底的に問われている。
本書の構成は以下の5章から成っている。
①町衆の伝統が京都企業に生きる
②好奇心が京風イノベーションを支える
③京都花街 育てる極意
④断絶の歴史を乗り越えた京都伝統文化のすごさ
⑤強烈な人とのつながりがパワーの源泉
古くから大切にされている
街並みや文化だけではなく
時折本書で取り上げられている
老舗の企業の力・魅力について
多くのメディアが取り上げている。
これだけグローバル化が進んでも
やはり京都らしさというのは
根強く残りそれが良い意味で閉鎖的な
空間を作りながらより昇華されながら
ブランド化されている。
しかし、それは閉鎖だけではなく
実はじ~と回りの環境、移り行く時代を
しっかりと見据え戦略的に閉鎖しており
そしてその中では絶えず柔軟に
変化しているということも挙げられる。
古いものを大切にするだけではなく
新しいものに対してもしっかりと
リスペクトする
老舗の企業にはそんな
大人の対応的な印象を受ける。