【感想・ネタバレ】京都企業の実力 効率を求めない独創経営のしたたかさのレビュー

あらすじ

京都は世界で活躍している企業が少なくない。それはなぜか。そこに日本の企業を今後とも発展させていくヒントが隠されていた。京都人は「規模の大きさよりシェア」を評価する。企業は規模を大きくしている企業より、世界で高いシェアを確保している企業とその経営者を尊敬する。シェアが高いというのは、他社が真似できない製品を開発し販売している証である。京都気質として「真似は恥」なのだ。また、大切なことは「人との深いつながり」である。それは京都独特の「村社会」を形成しているが、一地方にある「村社会」とはレベルが違う。情報量で京都に優る都市はないと著者で経済ジャーナリストの財部誠一氏は分析している。本書はそのことを著者の現地取材を交えて、分かりやすく解説した。日本の経営者たちの必読書である。アベノミクス効果による好景気で浮かれている経営者は、今こそ、企業の安定的な長期成長をするための方策を真剣に考える局面に来ている。本書はその一助になること請け合いである。

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Posted by ブクログ


京都の企業は老舗のイメージですが、その老舗なりのルールや横の繋がりが分かりました。必ずしも合理的に進めることが善ではない事例を垣間見れました。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

京都企業の実力2015/1/8
著:財部 誠一

著者は、野村證券退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストとなる。1995年に経済政策シンクタンクを設立。金融経済誌等に幅広く寄稿すると共に、TVやラジオでも活躍している。

なぜ京都にはこれほど多くの老舗企業が集積し、今なお増え続けているのだろうか。京都では自分だけがよければいいという考え方をしない。人と人が、企業と企業とがじつは濃密につながっている。人としての器量、力量が京都のコミュニティでは徹底的に問われている。

本書の構成は以下の5章から成っている。
①町衆の伝統が京都企業に生きる
②好奇心が京風イノベーションを支える
③京都花街 育てる極意
④断絶の歴史を乗り越えた京都伝統文化のすごさ
⑤強烈な人とのつながりがパワーの源泉

古くから大切にされている
街並みや文化だけではなく
時折本書で取り上げられている
老舗の企業の力・魅力について
多くのメディアが取り上げている。

これだけグローバル化が進んでも
やはり京都らしさというのは
根強く残りそれが良い意味で閉鎖的な
空間を作りながらより昇華されながら
ブランド化されている。

しかし、それは閉鎖だけではなく
実はじ~と回りの環境、移り行く時代を
しっかりと見据え戦略的に閉鎖しており
そしてその中では絶えず柔軟に
変化しているということも挙げられる。

古いものを大切にするだけではなく
新しいものに対してもしっかりと
リスペクトする
老舗の企業にはそんな
大人の対応的な印象を受ける。

0
2016年05月01日

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