青樹明子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「小皇帝」と呼ばれる一人っ子は一億人前後と推定される。
社会人も急増し、現代中国を左右し始めている。
新たな反日に走り、「打倒小日本!」と叫ぶ小皇帝世代とは。
経済的繁栄の謳歌、巨龍(大国)意識…。
しかし、このチャイナ・ドリームには闇も存在する。
過保護に育てられ、出世競争に追われ、結婚難にあえぐ彼らは、精神的に深く病んでもいるのだ。
旧来の常識がまったく通用しなくなった隣国の現在。
[ 目次 ]
第1章 新たなる反日(二〇〇五年四月九日・北京;羅剛事件の意味するもの;反日の娯楽化が始まった)
第2章 巨龍意識(「小皇帝」たちが大人になった!;紅色旅行の少年四人組;中国不可侮辱)
第3章 チャイナ・ドリーム(小資族時代がやってくる;帰国する頭脳集団)
第4章 苦悩する青春(十三億の競争;地方出身大学生を襲う貧富の格差;病む心)
第5章 未来への架け橋(日系企業離れが拡大している;新世代とのコミュニケーション;温度差を越えて)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
ネタバレ海萍,海藻,蘇淳,宋思明がメインキャラクター。
海萍,蘇淳の夫婦は家賃8500円、10平米(7畳程)の家にくらす。小さい子供がいるが、お金を稼ぐために祖母に預け切り詰めた生活をする。
海萍の妹海藻は一人っ子政策の中望まれない形で生まれ、唯一自分の存在を喜んでくれる姉を中心に生活する。恋人の小貝とは結婚の約束をしている。
宋思明は有能な公務員。妻子を持つが海藻に恋をする。
まず描かれるのは上海(中国)のお金事情。中流階級ながら海萍と夫の収入・貯蓄の驚くほどの低さ、半端ない生活の切り詰め方。海萍は有名大学に猛勉強の末合格し卒業したが、彼女が貰える月給はたった4万5000円。
対照的に宋思明の動かすお金の額は桁違いで、彼が海藻や海萍のお金の問題を軽く解決していまう。それだけではなく、人脈・コネの力で彼女たちのあらゆる問題を解消していく様子は、前半で描かれた海萍のお金を貯めるための苦悩だらけの生活との差はとてつもない。
次に描かれるのが宋思明と海藻の恋愛。始めは宋思明の一目惚れによる可愛らしく純粋な恋愛だったが、客観的に見るとやはりそれは宋思明にとっては不倫、海藻にとっては二股であり、途中から徐々にドロドロした複雑な状況になって行く。
後半は宋思明が汚職に染まり、苦しめられる。
《感想》
私はまだ19歳で社会に出たことがないというのがあり、また社会を知らなさすぎるというのが原因だと思うが、宋思明の汚職というのは最後まで何が悪かったのか理解することができなかった。
ただ宋思明のコネを魔法のように使いこなして厄介事を解決していくのが印象的でなんというか、それこそ魔法使いのように見えた、というのが単純な感想である。
海藻と宋思明の恋愛は、大いに共感・応援する気持ちはあったが、方やそれは非難されるべきものなのだということも理解していて、ジレンマを抱えながら読み進めた。私もこれから同じような状況に置かれるかもしれない。そして私も同じ穴に入ってしまうかもしれない。作中の2人の気持ちを十分に理解できるからこそ、考えさせられるものがあった。
結末は衝撃的だったが、小貝が幸せそうだったことはとても安心した。また海藻や宋思明の家族は深い傷を負っただろうが、強く生きて欲しい。というのが全て読んで思った感想である。(笑 -
Posted by ブクログ
14年ほど前に外資系に転職して今に至っています。アジアンの本社は転職したころはシンガポールでしたが、数年前から上海に変わっています、なし崩し的に。。。
私が変化を感じたのは、8年程前、シンガポールオフィスの社員が、本国及び英国人の前以外では、勤務時間中も中国語で会話をしていることでした。シンガポールオフィスに勤務する人たちは、国籍を問わず皆、中国語が共通語のようでした。この時、いずれ私の会社のアジアは、中国人か中国語をしゃべる人がコントロールするだろうと思い、中国語の勉強を始めました。
今も続けていますが、中国語が流暢に話せるとはとても言えるレベルではありませんが、読んだりメールしたりするのは、何とかできるようになりました。言い換えると、ヒアリングとスピーキングは全然使い物になっていないのが現状です。
そんな私ですが、現在の上司は日本人ですが、2年前に辛の上司が中国人になりました。また昨年10月からは、米国籍ですが中国人が上海オフィスに赴任しています。私も、この本になるように、中国人が事実上、上司になっていると思います。そんな私が帰省するときに本屋で目に留まったのがこの本でした。
以下は気になったポイントです。
・中国企業では、日本企業にありがちな、部門間調整や、根回しが必須の会議は通じない。行動力が無いと仕事にならない(p58)
・不完全でも、とにかく史上初のものを市場に出す、まずはユーザーの声をかき集めてその声をきき、どんどん改良していく(p70)
・ファーウェイは、北京の平均月収の3倍(3万元)だが、中国人の意見は、仕事内容からして高くない、体力のある若者たちだけが可能、996(毎日9時から午後9時まで、週6日)どころではない。(p75)
・その人個人よりも、その人の背景(家族や親戚)が大事というのは、中国社会の基本である(p103)
・爆買いの収束は、中国経済減速のせいというよりも、新たな関税法の適用で、爆買いのうま味が減ったことが原因ではないか(p114)
・面子よりも仕事が大事とは、日本人なら百も承知のことであるが、中国人にとっては、画期的な発想の転換である(p132)
・中国では、単なる顔見知りから始まり、友達(朋友)となり、関係が深まると親友(好朋友)、最高レベルは「自己人」である(p140)
・北京人は政治を語り、上海人は経済を語る、上海人いわく「北京のやつは政治しか語らない」であり、逆に北京人は「上海人は金が全てだね」となる(p149)
・今でこそ中国各地の料理店が日本に進出しているが、かつて日本の中華といえば、だいたいが広東料理であった(p153)
・中国人には灰色収入がある、臨時収入やアルバイト収入のことである、黒色収入と異なり、違法ではないが税金のかからない10割が可処分所得である(p188)
・ヒトの会社のたまに自分の能力を使うのは嫌、早く自分の会社を作りたい、というのが中国人の根幹にある(p191)
・中国語の発音はリズム感が強調されている、単語のなかに母音が多い、ことから外国人からは「声が大きい」と感じられるのではないか(p228)
・海底ろう(火鍋レストラン)では、、社員たちに権限を与えた、客から不満が出た場合、自分の判断で値引き等ができる(p244)
2020年1月26月日作成 -
Posted by ブクログ
完全に民の立場、ビジネスマンですらない視点での中国。
ここに描かれているものがまた全てではないのだが、やはり、上に政策あれば下に対策あり、支配層と民は全く違うことは判る。
あまりにしたたかで自分勝手で。
反日や抗日も、上の指導があるにしても、金になるからと言うのはうなる。
んで、意外にそこから生まれて来ていることを問題視している人がいるってことだ。
日本に来て、素直に日本が好きだって言える人がいるってことだ。
その辺まだ、価値観を共有して来ていたなんて言われてた某国より随分とましなんじゃないのか。
すみません、日本が好きになりました。
ただ一人の言葉ではあるが、ずんと来る。 -
Posted by ブクログ
反中が高々しく掲げられつつある日本にとって中国人のことを内面から知る端緒となりうる本、、かな。
少なくとも、文化の違いを意識した上で、上から目線で型どおりに日本の文化の尺度で
中国人の行動を図ろうとはしておらず、同じ目線に立った上で中立的に文化比較を行っている
点はすごく頷ける。
が、終始具体的なエピソードに特化しすぎていたと感じれた。
海賊版の横行から中国国営のアミューズメント・パークである北京石景山游来園の著作権侵害まで、
すごく失礼な言い方をするならば、中国人には美意識はないに等しいと常々感じていたが、そうではなく“日本人が描く”美意識という概念自体がないのだろう。
とにかく、中国人とのビジネスだけはしたくはないが、
その抜け目のなさや論理のすり替えを駆使して自身の要求のみを強行しようとする姿勢だけは真似たい、
と共に相手に変化を求めるのではなく、自身がそれを論破できるように鍛えていきたい。
また、外交面での世界を相手取った横暴さは国益のみを鑑みると素晴らしいほど一貫している。
これから大量な人的資本とマーケットを武器にして世界の変遷を担い、国力を増強させていくであろう中国に対して、日本人もあれぐらいの論陣をはり駆け引きが出来るようになる必要があると思う。ただ、中国の真似事をしてではなく、あくまで日本人の特長に応じたやり方を模索していけないものか。
----
----
・中国人にとって食事が相互判断の場。
相手の人格から、自身の重要度まで推し量る、故に食事の場を重要視する必要がある。
・性悪説の国
人は生まれつき悪である、故に信用しない。
保証人制度の非定着、故に現金主義
逆に、日本は信用経済の国。
同文同種は錯覚であることを認識した上で、中国を相手にするときは絶対にぶれてはいけない
一貫した姿勢で臨むことが要求される
・中国ビジネスの特長
不合理 不公平 不誠実 不愉快