山田史生のレビュー一覧

  • クセになる禅問答―――考えることが楽しくなる珠玉の対話38

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    中国禅の高僧・臨済義玄の語録『臨済録』を、在家の中国思想研究者が余計な補足を交えず言葉通りに現代語訳。その後にこちらは余計な憶測たっぷりに独自の解釈が添えられます。本来は禅の修行僧が体を張って取り組むべき公案を、修行もせず寝そべって読むのは何とも不謹慎な気もしますが、怒鳴られたり殴られたりする心配もなく、ちぐはぐなやりとりにじっと向き合えるのはありがたいことです。

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    2023年06月06日
  • 絶望しそうになったら道元を読め!~『正法眼蔵』の「現成公案」だけを熟読する~

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     この本は、中野孝次さんの『道元断章』を読み終え、その続きでもっと道元を知りたくて読んだ本です。
     そして、『正法眼蔵』のエッセンスである「現成公案」だけでも理解できたらと、山田さんのこの新書に出会ったのです。
     序章 なぜ道元の「現成公案」を読むのか
    に始まり、
     第1章「われ」は生滅している
     第2章「われ」は根拠づけられている
     第3章「われ」を肯定して生きる
     第4章「われ」を世界におしつけない
     第5章 身心を「脱落」させる
     第6章 世界自体が「われ」である。
     第7章 世界は「いま・ここ」の自己限定である
     第8章「悟り」とはなにか
     第9章「いま・ここ」から創造する
     第10章

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    2022年02月01日
  • 最強羽生善治と12人の挑戦者

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    昭和11年生まれ山田史生さんの「最強羽生善治と12人の挑戦者 激動!平成将棋界の今」、2011.10発行です。面白かったです。5年前の発刊ですが、ほぼ現在の状況であり、より確かな形になってると思います。スーパースター羽生善治が19歳で初のタイトル「竜王」を奪取したのが奇しくも平成元年。そして平成8年七冠独占の偉業。森内俊之、佐藤康光、故村山聖ら最強の羽生世代。渡辺明、佐藤天彦、糸谷哲郎ら12人の挑戦者、それに続く菅井竜也、佐々木勇気ら期待の棋士たち。将棋界全般をよく網羅した本だと思います!

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    2016年11月14日
  • 日曜日に読む『荘子』

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    [ 内容 ]
    日曜日、著者は酒のお供にと『荘子』を取り出した。
    超俗的で、世人を煙に巻くような文章を読みながら、「わからない」ことの醍醐味にどっぷり浸かってゆく。
    雲をつかむような話ばかりだけれど、固くなっていた頭がほぐれ、おおらかな気持ちになれるのはどうしてだろう。
    一風変わった角度から荘子の思想に触れる「こんにゃく談義」のはじまりである。

    [ 目次 ]
    日曜の朝、わたしは寝坊した。
    序章 荘子、夢で胡蝶となる―パラドックスの予感
    第1章 世界の眺め方(この現実を鵜呑みにしよう;因果という虚構は捨てよう)
    第2章 言葉の使い方(基礎づけ主義は断念しよう;状況に応じて言葉を使おう)
    第3章 

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    2014年10月30日
  • クセになる禅問答―――考えることが楽しくなる珠玉の対話38

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    臨済が説く『無位の真人』とは、みずから主体的になにかを信じることが重要だそうです。

    高度にマーケティングが発達し自分でもわからないうちに操られていたり、SNSなどで必要以上に他人の意見に影響を受けたり、なかなか主体的に何かを信じるというのが難しい世の中です。

    人里離れた山寺に籠って修行する事も出来ない僕たちはどうすれば主体的に生きることが出来るのか?そう考えて毎日工夫をしてその日その日を生きることが大切なのかも。

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    2025年04月29日
  • もしも老子に出会ったら

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    「老子」
    という古典を読んだことはないが、どうやら非常に難解で、捉えどころがなくて、答えの用意されていなくて、というか答えなどないというスタンスで、私たちに考えさせる一方で、そんな行為に意味はないんだ、と揶揄ってくるようなそんなものなのだろう。
    と、この本を読んで感じた。いや、大変面白く、そしてわけがわからなかった。

    ただ、輝くような言葉が本書の中に出てくる。

    「老子」を理解することができなかったが、自分も老子に会えたような気がする。(あくまでも気がする。)

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    2017年01月19日
  • はじめての「禅問答」~自分を打ち破るために読め!~

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    大学の先生が馬祖語録を読み解いていく。禅問答を初めて知る人が世界で初めての禅問答集に触れるための手引きといった感じ。定説とは違ってかなり大胆に解釈しているとのことだが、漢文って行間がかなり大きいな。でもその自分の解釈こそが禅って感じ。

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    2023年04月15日
  • はじめての「禅問答」~自分を打ち破るために読め!~

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    馬祖道一の語録に収録されている「禅問答」を紹介し、わかりやすい解説をおこなっている本です。

    著者は、入矢義高が編集した『馬祖の語録』(禅文化研究所)を参照しており、「正直にいうと、この入矢本がなければ、そもそも馬祖の語録を読もうという気にもならなかったとおもう」と述べています。他方で、「あとがき」には「正直にいうと、わたしは「ヒンシュクを買ってやれ」という反抗期の子どものような気分でこの本を書いた」と語られており、テクストから禅機をつかみとろうとする著者自身の試みがそれぞれの解説で大胆に提示されており、おもしろく読むことができます。

    禅問答ないし公案について、とくにそのなかに生きて働いてい

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    2021年04月09日
  • 絶望しそうになったら道元を読め!~『正法眼蔵』の「現成公案」だけを熟読する~

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    『正法眼蔵』の「現成公案」の巻について、著者自身の解釈が展開されている本です。

    移りゆく「諸法」に対する不生不滅の「仏法」を、著者は「絶対の無」として理解します。そのうえで、「絶対の無」は、「ある」ものが「ある」というしかたで現成している「場所」に、つねに自覚されているといい、その働きを「見るものなくして見る」ということばで説明しています。このほかにも、「前後ありといへども、前後際断せり」という道元の時間論を「永遠の今」ということばで読み解いており、哲学者の西田幾多郎の思想が著者の議論の背景にうかがえます。その一方で、著者は「頓悟禅」ではなく「漸悟禅」の立場に立つことを標榜しており、この点で

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    2020年10月24日
  • もしも老子に出会ったら

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    とりあえず読み終わったけど、まだもやもやしている。
    現代の少女が老子に出会って、問答するという形態。
    水、無、道という、老子の思想の三大キーワードを扱っている。
    とても読み口は軽いけれど、縦横無尽な語り口もあってか、これこれの内容でした、とうまく要約ができない。
    こちらの理解力が及ばないからではあるけれど。

    筆者は中哲の専門家。
    哲学の人tって、対話形式の仕立てを好んで使うイメージがある。
    老子と少女でなく、どちらが導き手とか、オリジナルっぽいものという形でなく、対等な二人の問答だったら・・・と思わないではない。

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    2017年06月13日
  • 日曜日に読む『荘子』

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    全体は部分でできているのではなく、全体が先にある、ということを雨音で説明している箇所が印象に残った。他はなんだかよくわからない。

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    2016年04月04日
  • 下から目線で読む『孫子』

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    軽~く読める。少々自虐的すぎる感じもするが、まぁこういう逆の視点から兵法を読むという発想が面白い。孫子そのものに対する入門書として読むのにはちょうど良い。

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    2014年04月26日
  • もしも老子に出会ったら

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    会話形式で読みやすいかなと思ったけれど、読みやすさとは別にやっぱり老子は難しかった……。「無」の章、「水」の章、「道」の章とあるけれど、水はなんとなく理解できる感じがした。無と道はもうなにがなんだか……。もう一度読み返そうと思います。
    余談ですが、マンガ封神演義を読みたくなりました。老子つながりで。

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    2012年10月06日
  • 最強羽生善治と12人の挑戦者

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    昭和から昨年までの将棋界の流れをざっと復習できる内容。読みやすいけれど事実の羅列が多いので、何回も読むというよりは一読すれば十分か。後半、若手への一言インタビューは勉強方法など各人の個性が出ていてなかなか面白かった。

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    2012年04月03日
  • 最強羽生善治と12人の挑戦者

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    特に羽生さんが中心というわけではなく,大山時代から現代までのタイトルの移り変わりなどを追っている部分+若手棋士から観た将棋界,という構図.
    ただ,羽生さんが出ずっぱりなので自然と羽生さんに関する記述が増えてはいますが.基本的に若手棋士が羽生さんを超えていかなくてはいけない存在と捉えているのが印象的でした.

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    2012年01月25日
  • 最強羽生善治と12人の挑戦者

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    元読売新聞記者で将棋ステーションの司会でお馴染みの山田史生さんの著書。大山名人ら昭和の名勝負にさらっと触れ、羽生さんの黄金期ともいうべき平成時代になってからの一年、一年の各タイトル戦の行方を振り返っている。羽生がその前の世代の中原・谷川を破り七冠を獲得するまでの足跡、遅れてきた羽生世代の森内・佐藤・郷田らとタイトルを争う時代。そして羽生より十数年若く竜王戦で羽生世代の最強棋士をことごとく撃破し竜王戦七連覇中の渡辺の台頭と更に若い世代の進出と、まさに平成の将棋史だ。巻末に山田さんの選ぶ最強二十人の棋士とか面白いランクもあるのだが、出来れば棋士自身にもインタビューして評価貰うと更に面白かったような

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    2011年10月25日
  • 下から目線で読む『孫子』

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    孫子を白文・書き下し文・意味が書かれていて良いです。
    タイトルの下からは奥さんと娘さんに尻に敷かれているという意味。

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    2010年09月30日
  • もしも老子に出会ったら

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    たまには、脳の使ってなかったところを使ってみたい!という方に。
    題名の通り、中国の思想家である老子の教えを、現代風にわかりやすく書いたもの。といっても、若干難しいんですけど。
    読書の感覚としては、物理の論理を理解するのに近いです。
    「全ての「存在する」ものは「無」によって初めて存在する。」という考え方は、個人的には共感できるものでした。
    眠くない、時間のある時にじっくり読むのがお勧め。

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    2010年03月03日