サンキュータツオのレビュー一覧
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お恥ずかしいながら、大人になってからもしばらくは国語辞典は小学生の子どもたちが学校で購入し使うもの、という印象でしかなかったです。三浦しおんさんの『舟を編む』を読み、その内容にたいへんな感銘を受け、辞書というものに興味を持ちました。
こちらを読み、ひとえに国語辞典と言っても辞典によって、同じ言葉でも説明や表現、掘り下げている部分が全然違うということを知りました。
百科事典のような傾向も見られる集英社国語辞典、言葉のニュアンスを大事にしている日本語語感の辞書など、辞典をキャラクターにたとえて、読者が興味を持っている部分に“オススメの辞典“がポイントを絞って載っているのも面白いです。
著者が「 -
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著者らと同年代の男性として、なぜBLがひとつのジャンルとして書店の一画やVODの1カテゴリーをはれるほど一般に受け入れられたのかを知りたく取ってみた一冊。でも開いてみると、男性視点のBL論という非常にニッチな話題が対談形式で繰り広げられ、これはこれで面白いのだが、クリアな回答は得られなかった。十人十色なのはわかるが、(腐)女子やゲイの視点もやはりほしい。
著者のバックグラウンドからアニメや映画(時代劇)の情報量が多く、ついていく持久力が途中できれそうになるが、少女漫画も読んできた、妄想癖もある自分としては、共感度は高めだった。視点を変えて観るというのは至極わかりやすい。
アニメ、やおい、同人 -
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タイトル通り著者が選ぶ“ヘンな論文”の紹介。好きなものをどう学問にしていくかのヒントがつまっています。
以下、一部抜粋
*プロ野球選手と結婚する方法
恋愛ではなく結婚。なかなか興味深い分析。情報収集能力がすごい…
*「追いかけてくるもの」研究
高速などであり得ない速さで追いかけてくる老婆。そんな話聞いたことありませんか?
*鍼灸はマンガにどれだけ出てくるか
7人がかりで実に10421冊のマンガを読んで検証。
*方手袋研究
片方だけ落ちている手袋の研究…そんな研究があること自体驚きでした!
「雪どけこんにちは系」「雨に唄えば系」「ガードレール系」「三角コーン系」など分類のネーミングも面白 -
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BLを知らない男性向けのBL入門書。原著は2016年、文庫は2018年。
本書において「やおい」は次のように定義される。則ちそれは、世界を原作としてそこに個々独自の解釈を施すことで、世界をファンタジーへと改変しようとする、知的遊戯であると。その改変の仕方には、以下のふたつの約束事がある。
① まず、ふたつの対象をキャラクタライズする。ただし、両者とも男性とする。なぜなら、女性と男性の組合せにしてしまうと、②でそこに設定することになる関係性が既存のジェンダーバイアスに引きずられたものになってしまい、さらにどうしても女性としてキャラクタライズした対象に女性である自己を重ねてしまうことによって、 -
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この手の本はどうしても「新解さんの秘密」という、ある意味偉大な先駆者が居るわけで、なかなか出しづらいのではないかと思いましたが、この本は辞典をキャラクター化して解説するという、ま、最近流行りの手法で書かれていて、別な方向性で愉しめました。
国語辞典にも目的を絞った編集方針のものが色々あるんだなぁと言うのは勉強になりましたね。
なにせ、普段辞書コーナーとか行かないので、新刊が出ていようがわからないし。(^^;
この本に影響されて、ついつい 2 冊、辞書を新調しました。
というか、国語辞典って小学校で買ってもらって以来、買ったことが無かったんじゃなかろうか。 -
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TBSラジオリスナーにとってはお二方ともアイドルそのもの。
サンキュータツオ氏……私の上の世代のオタク。アニメオタクにして日本語オタク。萌え→BL。「マリみて」。
春日太一氏……時代劇研究家、の皮をかぶった映像オタク、もちろんアニメも含む。この人のガンダム語りは絶品。百合好き。なんと「1999年の夏休み」好き!!
(私……百合好き。身内にBL好きがいる。)
もう、お前は俺か的な発言多数。
お二方に宮地昌幸氏を加えた鼎談音声配信「【日映シネマガ】偏愛映画放談~「櫻の園」篇~」は、わが「ラジオ・バイブル」なのである。
こんなふたりの対談なのだから、楽しめないわけがない。
レジュメ→対談→ここテス -
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単行本が発売されたときに「読んでみよう」と思っていたのだが、読まずにそのままになってしまった。
文庫化されたので、思い出したように購入してみた。
気張らずに読むことができ、内容も大変面白い。
きちんと辞書毎の特徴等がわかりやすく書かれている。
私は国語辞典を十冊くらい保有しているが、机の上にいつも置いてあるのは、「角川必携国語辞典」、「集英社国語辞典」、「広辞苑」の三冊。
まずとても分かりやすくて明快に解説されている「角川必携」をひいてみる。しかしこの国語辞典は学習用であり収録語数が約52,000語と少なめ。次にひくのは「集英社」。これは収録語数が約95,000と小型国語辞典の中では最も多いの