大久保和郎のレビュー一覧

  • エルサレムのアイヒマン 新版――悪の陳腐さについての報告

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    エルサレムでのアイヒマンの裁判ー元ナチ親衛隊中佐でユダヤ人移住局長であったアイヒマンのユダヤ人強制移送を裁く裁判ーの取材報告。
    著者は心理学者アーレント。アイヒマンと同い年でナチ政権発足後にアメリカに亡命した人物だ。

    アイヒマンの犯した罪は、出世欲の強い人物の思考停止、想像力欠如が生んだとアーレントは指摘している。
    たとえその背景に全体主義的統治、あるいは官僚制が人間を「行政装置の中の単なる歯車」に変える実態があったとしても、その罪は赦されるものではないとも書いている。
    アイヒマンは裁判中、口元を不自然に歪めていたそうだ。恐らく神経症状ではないだろうか。

    それで官僚制的日本企業に勤めていた

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    2021年05月30日
  • エルサレムのアイヒマン 新版――悪の陳腐さについての報告

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    ちょうどこの本を読み終わった日の朝刊にポーランドで、ナチスによるユダヤ人のホロコーストに「ポーランド人が加担した」などと記載すること禁ずる(罰則付き)法案が可決されたという報道が。
    アーレントが読んだらどう思うだろうか?

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    2018年03月01日
  • エルサレムのアイヒマン 新版――悪の陳腐さについての報告

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    ナチス親衛隊の中佐として、アウシュビッツを始めとする各収容所へのユダヤ人移送責任者として、ホロコーストの最高責任者とされたアドルフ・アイヒマンは、1961年に潜伏先にアルゼンチンでイスラエルの秘密部隊モサドにより捕らえられ、イスラエルでの裁判の結果死刑となる。

    「ドイツ万歳。アルゼンチン万歳。オーストリア万歳。この3つの国は私が最も親しく結びついていた国々です。これからも忘れることはありません。妻、家族、そして友人たちに挨拶を送ります。私は戦争と軍旗の掟に従わなくてはならなかった。覚悟はできています。」と語って絞首台に向かったアイヒマンとこの裁判について、20世紀を代表する政治思想家であるハ

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    2017年12月17日
  • エルサレムのアイヒマン 新版――悪の陳腐さについての報告

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    エピローグをしめくくる言葉がすごすぎる。

    「君が大量虐殺組織の従順な道具となったのは、ひとえに君の不運のためだったと仮定してみよう。その場合にもなお、君が大量虐殺の政策を実行し、それゆえ積極的に支持したという事実は変わらない。というのは、政治とは子供の遊び場ではないからだ。政治においては服従と支持は同じものなのだ。そしてまさに、ユダヤ民族および他のいくつかの国の民族とともにこの地球上に生きることを望まない――あたかも君と君の上司が、この世界に誰が住み誰が住んではならないかを決定する権利を持っているかのように――政策を君が支持し実行したからこそ、何ぴとからも、すなわち人類に属する何ものからも、

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    2026年01月21日
  • エルサレムのアイヒマン 新版――悪の陳腐さについての報告

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    「ナチVS哲学」というセンセーショナルなひと言でまとめると非常に興味深く感じられるよね
    もちろんひと言ではまとめられんのよ

    はい、わいの大好きな哲学の先生、國分功一郎さんの著作にも度々登場する20世紀を代表する政治哲学者ハンナ・アーレントが、ホロコーストにおいてユダヤ人の絶滅収容所への移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンのエルサレムで行われた裁判の記録と考察を記した『エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』です

    ナチと哲学、うーんまさに興味津々の組み合わせ、きっとユッキーも興味あると思われたので、まずは師たるわいが読んでみた

    結論から言うと「おすすめ!」とは言い切れないかな

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    2025年02月28日
  • 全体主義の起原3 新版――全体主義

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    序文でヤスパースが全体主義から読んだ方がいいと書いているので、言われた通りに読んだ。
     ヒットラーの全体主義よりもソビエトの全体主義を述べているところが多い。具体的な場面はほとんどない。全体主義についての論文を書くのであれば、引用の有無にかかわらず、読んでおくことが必要であろう。

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    2021年06月28日
  • エルサレムのアイヒマン 新版――悪の陳腐さについての報告

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    誰もがアイヒマン状態になるのか?自分の出世を考え、自分はユダヤ人の専門家であることを誇りに思っていた。どこで間違った道に進んでいたのか?

    単なる歯車ではなかったとアーレントは言う。上からの命令を無視してまでして実行する。

    そして結果として六百万を越えるユダヤ人の死者が出る。色んな国からユダヤ人を鉄道に乗せ移送する、ただこれだけのことをして直接には手を下していない。

    また、ユダヤ人の国民国家イスラエルでの裁判でもあった。アイヒマンが生贄となってユダヤ人が連帯感を持ったようにも思える。

    本書の大半は報告書になっていて事実関係の羅列になっている。そして、あまり面白くない。最後のエピローグと追

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    2020年02月22日