青田勝のレビュー一覧

  • 十日間の不思議

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    「名探偵の苦悩」「後期クイーン問題」の極地。なぜだろうこんなに胸が苦しいのは?そうか。エラリーが大好きで、彼は私のスーパーヒーローだったからだ。

    血まみれの友人が記憶喪失で、殺人を犯したかもしれなくて、とりあえずライツヴィルに同行したら、脅迫電話がかかってきて、さぁ巻き込まれて大変!?な話。

    人物紹介、家族関係、そしてライツヴィル。地味に物語は進み、突如破綻する。エラリーはいつもの調子で、論理的に解決する。

    先に待つのは、探偵の終わり。理性の終わりだ。
    エラリーの現実は、これまでの功績など無に帰す。

    知らずに「九尾の猫」を数年前に読んでいた私は、その先の苦悩を知っている。そして光も。

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    2018年11月21日
  • ダブル・ダブル

    ネタバレ 購入済み

    悪夢的。

    エラリイ・クイーン『ダブル・ダブル』再読了。中盤を過ぎても"何が起きているか判らない"五里霧中状態に、悪夢を見ている様な感覚に陥る。リーマをあんな処に潜入させたエラリイ、要反省。横溝正史の諸作品との関連も興味深かった。

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    2015年03月04日
  • シャム双生児の秘密

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    ネタバレ

    印象的だったのは、ダイイングメッセージとは、ということ。
    それと「Yの悲劇」でも思ったのだけど、かなり特殊な身体的特徴を持つ登場人物の行動や言動が、とても純粋で清らかなものに感じられる。筆者の優しさのようなものを垣間見るような気がした。

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    2012年01月08日
  • 十日間の不思議

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    ネタバレ

    エラリイ・クイーンの中では今のとこ一二を争う位好き。安定のライツヴィル。とにかく終盤の推理シーンは圧巻の一言。ネタバレになるかグレーなんだけど、この本を読んでた時は「後期クイーン問題」って言葉がマイブームで、その構造のお手本みたいな作品。「後期クイーン問題」の意味については各自ディクショナリーを参照しましょう。あとがきにも書いてあったけど、一か所地の文で嘘の情報が書かれている。でも別にアンフェアだって騒ぐ必要は無い。全体的には超絶に面白いから。

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    2011年11月03日
  • 十日間の不思議

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     犯罪研究家エラリー・クイーン・シリーズ全33作中18番目の作品。『ローマ帽子の謎』が1929年の作品ですから、それから19年経っていますので、中期の作品ですね。

     初読だと思っていたんですけど、エラリイが語る事件の説明まで進んで、「あれ? このシーンは何となく覚えている」と気づき、エラリイがアナグラムについて説明する段階になって、ようやく2度目と確信したぐらい、まったく事件の概要そのものは覚えていませんでした…。でも、トリックそのものは心理的なのですが、ひねってあってとても素晴らしいと思いますね。これが現代に翻訳されたら、ベスト10には入りますね。☆☆☆☆というところです。と思っていたので

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    2010年06月05日
  • エジプト十字架の秘密

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    アメリカはウエスト・バージニアの片田舎で起きた凶悪な殺人事件に興味を抱いたエラリー・クイーン。その惨状は、T字路に立つT字型の道路標識に、首を切られた死体が磔にされており、被害者宅の扉にはTの血文字が残されていた。「T」とは何を意味するのか。やがて同様の殺人事件が離れた別な地域で起き、単身現場にかけつけるエラリーが事件の謎を解こうと推理を巡らせるが…。NYでの活躍が中心だったエラリーが、クイーン警視とは行動を別にし単身地域を駆け回るところがこれまでと違う点。前半は「T」をめぐっての宗教的象徴、タウ十字架と博学者らしい解釈、古代宗教的な狂信者、裸体主義者村など、事件の異常性を強調するような記述が

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    2011年07月22日
  • フォックス家の殺人

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    ネタバレ

    ライツヴィル物は他のエラリイ・クイーンのシリーズとは雰囲気が違いますね。全体的に暗い雰囲気が漂ってる感じで。事件も家庭の暗い部分の話とかが多いし。まあこの雰囲気も好きですけどね(笑)今回は過去の事件の調査だったけど現代でも色々と動きがあって楽しめました(笑)事件の真相はなんとなく予想がつくところはありますね。それでも楽しめるのは良いです(笑)

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    2025年09月25日
  • シャム双生児の秘密

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    ネタバレ

    国名シリーズの中でも異色で残念な感じのする作品。設定としては面白いとは思うんですがどうもエラリーの推理が捜査を混乱させているだけで・・・。一人相撲をとり続けた結果運よく犯人を見つけられた感じが・・・。

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    2025年09月19日
  • クイーンのフルハウス

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    ■作品
    3編の中編と2編のショート・ショートから成る短編集。
    3編と2編だからフルハウス、なのかな?

    ■感想
    極めて面白い。元々自分がエラリー・クイーン好きというのもあって、突き刺さった。どの作品も全て面白い。
    これまで短編集はホームズ時代の作品、キャンピオン氏、黒後家蜘蛛の会、等々色々と読んだが、クオリティが違いすぎるという感覚。
    長編でも良いんじゃないかと思える完成度で、中短編なのがもったいないとさえ感じた。収録作品全てが面白い短編集に出会ったのはこれが初かもしれない。
    やっぱり自分はエラリー・クイーン作品と相性が良いらしい。

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    2025年09月13日
  • エジプト十字架の秘密

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    古典ミステリーを読むシリーズ。エラリィ・クイーンはトリックがしっかりしている系のようです。和訳なので読みにくくて疲れますが、他の作品も読んでみたいと思いました。

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    2025年07月29日
  • シャム双生児の秘密

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    さすがのエラリー・クイーンと言いたいですが、今回はさすが以上に良かった!
    山火事に閉じ込められるのはいかにもミステリにありそうな展開ですが、ここまで死んじゃいそうなところまで追い詰められるのは、クイーンでは珍しいかと。スリルとスピード感に満ち溢れていて、一気に読めました。
    構成のうまさには定評があると思いますが、こういうスペクタクル感もあるんですねー。
    幕切れがごくスッキリしてるのも、良き。ちょっと作風が変わったかと思うくらいの新鮮さでした。エラリーは大概おしゃべりが長いのですが、火事のことでアクション対応的な部分が多かったのと、いよいよ、というときに皆の心のことを考えていたのが、わ、エラリー

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    2025年07月15日
  • クイーンのフルハウス

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    評価高めなのは、全エラリー・クイーン作品の中で一番というか唯一気持ちが揺さぶられる「キャロル事件」が入っているから。「アメリカの悲劇」的なテーマで、恵まれない境遇から努力で這い上がった主人公が追い詰められる悲しさが胸を打ち、愛情と非情、大切な人達を守るための打算や裏切りなど人間の多面性が掘り下げられている。それら全てを受け止めて探偵がとった行動は、国別シリーズの頃から180度変わってフィリップ・マーロウに近い。
    短編集のタイトルはクイーンにかけて五編でフルハウスというのが、お洒落で気が利いているけれど、どれがスリーカードでどれがワンペアか?長さ基準?この「キャロル事件」に寄席の小噺的「パラダイ

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    2021年09月26日
  • エジプト十字架の秘密

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    エラリー・クイーンの短編集ばっかり読んでたけどやっぱり長編小説も面白かった。
    国名シリーズの中でも傑作といわれている本作はタイトルと中身があんまり関係ないのだけ残念(笑)
    私はエジプトとかが大好きやから、舞台はエジプトなのかと思って読んだけど違った。

    エラリー・クイーンは本作では最後にはいつも通り素晴らしい働きをするけど最後の最後まで私たちと同じ全くの役立たずやったのが印象的。
    短編では40ページくらいで終わらせる為に事件発生から謎解きまであっという間やったから、今回は一体いつになったらクイーンが事件を解決してくれるのかが待ち遠しかった。

    あまりにも登場人物が多かったけどいつもながら皆そ

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    2021年07月16日
  • 十日間の不思議

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    探偵探偵探偵探偵探偵探偵(ry。地味ながらも9日目の推理のぶっとび具合とラストの趣向が今のミステリへもかなり影響しているのを感じる作品だった。あと鮎川哲也先生のネタバレ解説で笑った

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    2015年12月13日
  • 十日間の不思議

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    ライツヴィルという架空の街を舞台にしたシリーズ第三作。
    エラリー作品では異色の登場人物の少なさ。
    その分、人物たちの内面や行動が細やかに描かれてる。
    派手さはないが、心理的な描写でハラハラしながらドラマは結末へ。
    そして意外な幕引き。印象深い作品でした。

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    2013年03月10日
  • シャム双生児の秘密

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    ネタバレ

    あらすじ:
    クイーン父子は、旅の途中に唐突に山火事に追われ、山頂に逃げる。
    山頂にはザヴィヤー外科医の邸があり、そこでひとまず難を逃れ、一夜を過ごす。
    しかし、翌日にザヴィヤー外科医が銃で殺害されていた。
    死体の手には破れたトランプカードが握られていて。。。

    ダイイングメッセージの謎を解いて行く内容。

    クイーン父子の推理が数回、ビシッと解決に導けていないのが
    読んでいてもどかしい(笑


    シャム双生児の秘密の発表が1933年。
    80年近く前の作品でも読みやすいのは、何度も翻訳されてきたのと
    エラリー・クイーンの文章自体が丁寧に違いない。

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    2012年12月18日
  • 十日間の不思議

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     お人よしのエラリィが、どうしたものか、面倒事に巻き込まれる話。まあ、「面倒事」で済ませられれば良かったのであろうが、ことはそんなにやさしいものではなかった。エラリィが最後に行う、犯人に対するアクションが意外だった。しかし、読む順番を間違えたなぁ。

    ‐2012/10/29‐蕗屋は生きております

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    2012年10月29日
  • エジプト十字架の秘密

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    “〜の悲劇”ものに比べれば、格段の面白さ。ミッシング・リンクものと思わせて、微妙に逸脱させている。解体トリックとうまく絡ませている。

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    2011年09月23日
  • フォックス家の殺人

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    ライツヴィル物の2作目。トラウマを負った青年のため12年前の殺人事件の真相に挑む”回想の殺人”もの。意外なトリックや特異なプロットといった派手さはないものの、丹念な人間描写が素晴らしい。整然とした論理や、全ての章題にきつねを絡ませるといった遊び心も愉しい。

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    2011年01月05日
  • フォックス家の殺人

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    エラリイの名推理には期待しないこと。
    そもそもこの作品にさえわたる推理なんざ
    存在いたしませんので。

    全体的に精神病特有の
    狂気が混じっているので
    読むのには間違いなく苦労することでしょう。

    それといやみな人物もいますしね。

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    2010年06月13日