高畠文夫のレビュー一覧

  • 動物農場

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    3種類の動物農場を読み比べたが、この角川文庫が1番わかりやすかった。
    他に『像を撃つ』『絞首刑』『貧しいものの最期』も載っており、お得感あり。

    こんな批判を書いて大丈夫か⁈と思った時に浮かんだのが、海堂尊のコロナシリーズの本。 あれも勇気ある内容!

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    2025年05月11日
  • 動物農場

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    ネタバレ

    動物農場: ロバのベンジャミン、作者自身の諦めに近い気持ちを現しているのかなと思った。訳者は大衆の中に希望があるとオーウェルは感じていたのではないかと書いていたが、面白い論点だと思う。動物が出てきて物語全体としてゆとりがある印象があるという見方には非常に共感するが、個人的には、七戒が全て破られ、豚が二本足でたったところで、彼の、生きてきた時代への絶望•諦めを感じた。物語に加えて解説を読むと考えることが多くて面白い。
    象を射つ•絞首刑: 訳者の指摘するところの支配-非支配の関係性への、諦め的な気持ちを読み取った。
    貧しいものの最期: X病院で現状に何もできない人々が、全体主義に黙って従う人々を描

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    2025年03月20日
  • カタロニア讃歌

    購入済み

    代表作動物農場や1984年に繋がる本作はスペイン内戦に従軍した記録でもある。一流の文筆家でもあるオーウェルはウィットに富んだ、どことなくクールな筆致で書いてますが、体験していることは壮絶です。

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    2024年08月17日
  • 動物農場

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    モリーちゃん可愛いよモリーちゃん。

    解説も含めて最高でした。
    もっともっと自分が深みのある人間になることができてから、もう1回読みたい。

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    2023年03月30日
  • 動物農場

    匿名

    購入済み

    怖い

    怖いけど全体主義がよくわかる傑作。
    こういう小説で概要を理解した上で専門書を読むとすんなり全体主義が理解できそう

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    2023年01月12日
  • 動物農場

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    「動物農場」はスペイン内戦が背景となって書かれた、『1984年』の寓話版とも言える作品だという予備知識ありで読んだけれど、それにとどまらない普遍性をもった小説だと思った。
    ソ連、ロシア、中国、北朝鮮。
    打倒したはずの権力者を民衆自らが再生産し、しかもそれに無自覚なまま虐げられる「ユートピアからのディストピア」という構図を、戯画化することで一般化している。
    そういえば、イタリアの終戦記念日だったっけか、「ファシストになるくらいなら、豚になる方がマシ」という、紅の豚のセリフがさかんに流れるらしい。けれど、この「動物農場」では、豚こそがファシストということになっている。しかも、それは他より多少優れた

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    2022年11月12日
  • カタロニア讃歌

    購入済み

    実体験を本に

    スペイン内戦の実体験を描いた本。代表作の1984年や動物農場はこの体験をもとに書かれたのだ ということに納得がゆく。
    前半はいささか間の抜けたところもある戦闘の話だが、中盤後半に至ると単なるファシズムと民主主義の戦争ではなく共産主義 無政府主義など様々な政治勢力のエゴの争いだという実態が露わになってくる。
    イギリス人らしいややユーモアを帯びた文体でこのような惨状を淡々と描き出している。
    主義主張が直接表に出ないだけに考えさせられる事の多い作品。

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    2022年10月03日
  • 動物農場

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     かなり衝撃を受けた『一九八四年』を書いたジョージ・オーウェルのヒット作。表題作を含む短編4編が収録されているが、どの短編にも共通するテーマは「支配」。100%ORANGEさんの描く表紙の可愛らしい動物たちとは裏腹に、内容は残酷。だが雰囲気は明るく、不思議な感覚。どんな人間も動物でさえも、権力の頂点に君臨すると独裁者になってしまうと風刺している。馬のボクサーが不憫でならない。ナポレオンを始めとする豚たちよりも、シュプレヒコールを声高に唱える羊たちが怖かった。
     オーウェルは小説より評論が主らしいが、既読の2作がとても面白いので他の作品も読んでみたい。

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    2022年09月29日
  • 動物農場

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    ディストピア3小説3冊目。動物農場の物語自体は意外と短い短編小説だった。残り半分は、オーウェルのビルマ時代の話と解説など。いきなり話が変わったので、一瞬整理が出来なかった。

    動物農場の話自体は、リアルな怖さを覚える。
    どんどん事実が歪められていくが、既成事実として皆に信じこませていく過程は、今の自分たちの世界におき変えても平気で起きている事のような気がする。

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    2022年06月05日
  • 動物農場

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    おもしろかったのは
    ・支配者がいなくなってもすぐ別の支配者が生まれること
    ・支配する側は自分の利益しか考えないこと
    ・何も考えず流される者は自分の運命を他人に決めさせてしまっていること、気付かぬうちに搾取されること
    ・まじめに従順に何も考えず従う者は損すること
    ・人のせいにすること
    ・記憶は簡単に上書きされること

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    2022年05月21日
  • 動物農場

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    嫌だなあ

    どれだけ人に絶望したらこんな小説が書けるんだろうと思う
    でも、この小説を読んでいてこの上なく不快な理由は、ひとえに、自分にも身に覚えのある人間の業深さを突きつけられてるからに違いない
    こういう露悪的なものは大好きだ
    でも、風刺されている業深さについて心当たりがある自分、重視している小説として評価してしまう自分は、嫌いなんだよなあ

    みなを

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    2022年05月09日
  • 動物農場

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    人間社会の縮図を描いた寓話。
    共産主義にしろ、ナチズムにしろ、はたまた現代の民主主義もどきにしろ、行き着く先はこの本にある。欲を持つ動物である限りはこうなるのであろう。
    理想を掲げて国家建設を目指しても、成就してしまうと、その理想はどこへやら、今までと変わらぬ為政者に成り果ててしまう。ずっと繰り返される歴史。 

    色々と思い当たるものに、当てはめて読むと、大変面白いです。

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    2021年02月14日
  • 動物農場

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    ネタバレ

    ソビエトのスターリン制を批判した作品で、ナポレオンはスターリン、スノーボールはトロツキー、革命を焚きつけたメージャー爺さんはレーニンだそうだ。民衆のために人一倍働いた馬のボクサーが、病院に搬送するとされながら屠殺場に送られ、その酒でどんちゃん騒ぎをする豚たちのくだりが生々しかった。共産主義も右翼も度を過ぎればファシズムであり独裁である。こんな社会になってはいけない、しかし今の社会そのものではないか?最後に人間のピルキントンが二足歩行のナポレオンと宴会をしているが、うちは下層階級、おたくは下層動物というやっかいものがいる、というようなことを言っている。これは共産主義の話か、資本主義の話か?どちら

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    2020年05月17日
  • 動物農場

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    この作品の訳書はいくつかの出版社から刊行されているが、角川版を推したい理由は、巻末に開高健氏による短い評論『24金の率直―オーウェル瞥見―』が掲載されているから。(ほかに、ちくま文庫では開高健訳の動物農場がある)

    George Orwellの著作を読むにあたって、ぜひ参照してほしい。

    また、訳者による解説も、著者の簡潔な伝記となっていて良い。

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    2019年01月18日
  • 動物農場

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    平等を目指したロシア革命が独裁制に陥った歴史を、農場主から独立した家畜動物たちに擬して描いている。家畜を主人公にするところからしてそうだけど、全篇に渡ってコミカルな風刺が効いていておもしろい。

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    2023年10月13日
  • 動物農場

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    専制君主制、資本主義、共産主義どれにしたって民衆を救えるのは私たちだけだって囁き、寄り添ってくる。
    人間には高いリスク回避能力が備わっていて、ポジティブな思い出よりネガティブな思い出の方が頭に残りやすいので、前の時代に逆戻りしてしまうくらいなら、自分が勤勉に動き耐え忍ぼう(馬)という人が大勢出てくる。
    こういう大衆を知能が低い、流されやすいという言葉で片付けたくない。
    人間の身体と同様に社会の仕組みや権力をどこに置くかなど新陳代謝をスムーズに行うことが必要だ。
    その点において、厳しい言論弾圧(=過去や現在の改ざん)を行い新陳代謝を防ぐ共産主義に恐ろしさを感じる。

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    2025年03月03日
  • 動物農場

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    表題作はもちろん、短編もとても良い。
    1984年は読むのに苦労したが、こちらは読む手が止まらなかった。
    象を撃つ、貧しい者の最期、には生が絶えていく描写があるが、経験していなければ決して描けないようなインパクトがあった。

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    2024年06月04日
  • 動物農場

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    あらすじは各所に書かれている通りで、ロシア革命とソビエト連邦建国になぞらえたと言われる寓話。寓話として抽象化されているのでナチスドイツにあてはめた読み方もできるらしい。さらに抽象化して権力構造一般にもあてはめられる。
    個人的にはスノーボールの再登場を期待していたのだが、退場後は二度と登場せず、実態のない仮想敵として存在感を示していた。

    表題作の他に、「象を射つ」「絞首刑」「貧しいものの最期」というエッセイが収められている。それぞれビルマ、パリで暮らしていたときのものである。これを読むと、とても読みやすく印象的な文章を書く作家なのだなということが分かる。「象を射つ」の象が射たれた直後の描写、「

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    2024年05月23日
  • 動物農場

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    セリフの一句や一行の文に、読み手がどれだけの関心や知識、歴史の知識があるか次第でこの寓話は感じ方が変わる。私もロシア革命時代の様子は良く知らないが、寓話と読むには心に引っかかるサインが随所にあった。全くスタイルの違う「象を撃つ」「絞首刑」「貧しい者の最期」も何でだか引き込まれて行った。リアリティがあるのかな?

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    2023年07月02日
  • 動物農場

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    人間の支配から脱して独自の社会を築き始めた動物たちのお話。
    動物のセレクトが秀逸で良かった!
    表題作の他にも支配がテーマの短編がいくつか。
    象を撃ち殺す話が好きだった。

    後半かなりページ数さいてオーウェルの生涯について記してあるのも興味深く読めた。

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    2022年12月26日