高畠文夫のレビュー一覧

  • 動物農場
    ソビエトのスターリン制を批判した作品で、ナポレオンはスターリン、スノーボールはトロツキー、革命を焚きつけたメージャー爺さんはレーニンだそうだ。民衆のために人一倍働いた馬のボクサーが、病院に搬送するとされながら屠殺場に送られ、その酒でどんちゃん騒ぎをする豚たちのくだりが生々しかった。共産主義も右翼も度...続きを読む
  • 動物農場
    この作品の訳書はいくつかの出版社から刊行されているが、角川版を推したい理由は、巻末に開高健氏による短い評論『24金の率直―オーウェル瞥見―』が掲載されているから。(ほかに、ちくま文庫では開高健訳の動物農場がある)

    George Orwellの著作を読むにあたって、ぜひ参照してほしい。

    また、訳者...続きを読む
  • 動物農場
    本書では、ある農場の動物たちが人間からの解放を実現し、様々な障害に遭いながらもより良い生活のために奮闘する姿が描かれている。全体を通して悲壮感が漂っていたように感じた。また読んですぐ、物語はバッドエンドで、何かを風刺した作品になるだろうと想像できた。おそらく本書の淡々とした文体と物語運びがそう感じさ...続きを読む
  • 動物農場
    社会主義に対する風刺を動物の寓話になぞらえた作品。支配される側の動物たちが矛盾に気づき疑問を呈しながらも、支配する側に言いくるめられて有耶無耶になってしまうさまには、リアリティが感じられた。非常に面白かった。
  • 動物農場
    笑えて、考えさせられて、絶望的に楽しい。
    血のにじむような、パンクで愉快でダークで知的なドタバタ物語。

    「動物農場」ジョージ・オーウェルさん。



    アメリカ大統領に就任したトランプさんへの不安?の御蔭で、ジョージ・オーウェルさんの「1984年」が全世界的に売れているそうです。
    その「1984年...続きを読む
  • 動物農場
    とあるイギリスの牧場農園。牧場主に虐げられていた動物たちはついに反乱を起こし、農園を自分たちのものにした。そこは2本足の動物は認めない楽園。豚に犬、ロバ、馬、鶏、カラス、ハトなど4本足が平等に働き、平等に豊かになるはずだったのだが・・・。

    社会主義、平等主義が机上の空論だということがよくわかる。社...続きを読む
  • 動物農場
    名文、名訳です。全部に傍線を引きたい気持ちです。
    ライアル・ワトソンの『思考する豚』を読み始めたらこれが出てきたので、興味を惹かれて先に読みました。実際に豚はとても頭がいいそうです。羊は頭が弱くて「四本足はよい、二本足わるい」も「四本足はよい、二本足はもっとよい」でも響きだけで唱和してしまうのに。
    ...続きを読む
  • 動物農場
    私はロシア革命についてほとんど知らない。 だがこの動物農場からは1984年と同じく、共産主義を嫌悪する作者の考えがあからさまに表れている。
    理想を現実のものにするのは難しい。いくら素晴らしいシステムでも、それを運営する人々の心が清廉潔白でなければ機能しない。 ロシア革命についてろくに知らないからこ...続きを読む
  • 動物農場
    1984年もとても面白いですが、こちらの方がかなりとっつきやすいと思います。
    農場を経営する人間への革命のため立ち上がった動物達の革命成就後に変化していく姿が、単なるロシア革命(ナチス台頭?)のパロディという時代性を超えて革命の本質を抉り出しているように感じました。
    スノーボールが豚ながらとても格好...続きを読む
  • 動物農場
    オーウェルらしく、なんとなく慈悲も無いずーんとくる絶望感の強い物語。革命を興してリーダーが変わったとしても、堕落へと流れる性は結局は変わらず、深い淀みへと沈んでしまう。そういう話。ヤギのじいさんの諦観、ボクサーの盲目的ながんばり、その頑張りに対した最期の仕打ち、大切な物事を徐々に忘れていってしまう愚...続きを読む
  • 動物農場
     とある荘園農場で起きた動物達の革命とその顛末を通じ、スターリニズムや全体主義体制に蔓延する欺瞞と恐怖を描き出したジョージ・オーウェルの傑作。擬人化された動物の類型は寓話的でありながら、当時のソビエト連邦における権力者達(レーニン、スターリン、トロツキー)や秘密警察による支配構造をモチーフとしている...続きを読む
  • 動物農場
    結局、人間に囚われていた時の方がはるかに良かった。メージャー爺さんがもう少し若くて、スノーボールが罠に嵌っていなければ、この物語はどうなっていたのだろうか。少なくとも動物たちを支配して、自身たちが嫌悪していた人間と、自分たちの指導者の見分けがつかなくなる、なんてことにはなっていなかっただろう。

    ...続きを読む
  • 動物農場
    人間以外の動物が創る、
    すべての動物が平等な社会。
    そこに人間はいない、はずだった。

    人間から豚へ権力の移行、つまり革命。

    よくわからず納得させられる動物たち。
    社会に生きる誰もが
    この無知の恐怖を忘れてはならない。

    独裁社会も民衆が創りあげるのだ。
  • 動物農場
    ーウェルの2大作品のひとつ

    人間に虐げられている農場の動物たちが理想の暮らしを得るために立ち上がり、人間を追い出し動物農場を作る。

    その中で賢いブタが彼らのリーダーとなり統率していくが、やがてその農場はブタが人間に代わっただけの世界へと変貌していく。

    旧ソ連時代の社会主義圏の全貌を動物を...続きを読む
  • 動物農場
    「1984」に比べるて断然読みやすい。が、話が進むにつれどんどん憎らしくなってくる。

    ライバルを貶める為には手段を選ばないナポレオン、話を自分達に都合よく少しずつ変える話術をもつスクィーラー、都合が悪くなると騒ぎだすヒツジ達。

    今の日本にピッタリと当てはまる構図。

  • 動物農場
    彼の書く世界はどこまでも非常に硬い。まるで変化を拒むやうな、決して変化しないやうな、どこまでも均一な世界。
    カフカの世界は、どこまでいつても辿り着けない故の閉塞感で満たされてゐた。
    カミュは、同じ革命でも、所詮はただの人殺しで、前の支配者と変りないといふことのせめぎあひにあつて、あえて反抗することで...続きを読む
  • 動物農場
    面白い。初めてこういったストーリーの裏に秘めたる批判的メッセージのある小説を読んで、今まで見たことのない視点に立ってストーリーを楽しめた。
    扇動をするシーン、人間から管理が移り、管理する側というものはまた同じルートを辿るところは印象的だった。
  • 動物農場
    面白かった!ロシア革命の痛烈な皮肉であるとされる本作品であるが、そういった裏を読まなくても十分楽しめる。
    あらすじは、農場の管理者である人間を、動物たちが蜂起して追い出し、自分たちで自由で平等な農場を作ろうとする。いろいろな動物のキャラクターがうまく描かれていて、動物たちは協力し合って理想に向かって...続きを読む
  • 動物農場
    ジョージ・オーウェルの名作。
    スターリン時代の旧ソ連を寓話的に創作した作品。物語としてとても良く出来ていて、「権力」というものがどのように生まれ、そして力をつけていくのかが演繹的に理解できるようになっている。
    圧倒的な権力の元では、過去は簡単に塗り替えられ、何が事実かもわからなくなってしまう。本の中...続きを読む
  • 動物農場
    権力機構の普遍的どうしようもなさを面白おかしく描いた一冊。“なにかおかしい”と思いながらも“そういうものだったかもな”と思ってしまう動物の愚かしさも、可愛いんだけど笑えない…。ラストシーンがとても印象的。表題作のみならず『象を射つ』は逆側からのポストコロニアリズムと言えるのではないか。巻末付録がとっ...続きを読む