高畠文夫のレビュー一覧
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ネタバレ本作品もテーマが著者オーウェルの代表作「1984年」の中で描かれる「ニュースピーク」に重なる。
それは「全体主義の恐怖政治」において、法(作中では7つの掟)や歴史の解釈(作中では追放された元リーダーのスノーボールが活躍した事実)がこっそり政治の中枢で改訂され、それが知識人らによって流布され、大衆が簡略化されたスローガンを連呼して全体主義が浸透していくという流れ。
資本家の象徴として描かれる元荘園主を追い出して動物による動物のための農場を作ったリーダーのナポレオンだったが、最後は隣接する農園主の人間と密会を重ねるうちに豚のナポレオンが2本足で歩くようになり、服を着るようになり、人間と見分けが -
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『動物農場』は旧ソ連のスターリン政権を痛烈に皮肉った作品である。スターリンの「集団農場」から捩ったのだろうか。同じスターリン批判でもディストピア的な『1984』よりこちらのほうが個人的には寓話的で面白い。本来1944年に出版できたはずが英国としてソ連をドイツ帝国の防波堤として利用したい思惑から発売見送りになったのも、それだけ的を得たスターリン批判になっていたということであろう。
主人公?のナポレオンをスターリンにしても毛沢東にしても亡国のカリアゲ氏に代えても成り立つ話というのが面白い。いつの時代も恐怖政治を織り成すのは結局人間であるので根っこは一緒ということか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある農場で飼われている動物たちの会議。
みんなのまとめ役豚のメージャー爺さんの話を聞こうとヤギ、馬、アヒルなどたくさんの動物たちが集まった。
メージャー爺さんは昨日見た夢の話を始める。
「我々は力の続く限り強制的に働かされます。そして役に立たなくなった瞬間虐殺の憂き目にあいます。どうしてそんな悲惨な運命をたどらなければいけないのか?われわれに豊かな生活を保障できないほどイギリスは貧しいのか?否!彼らは優雅な生活を送るためにわれわれの労働から得られる収穫のほとんどすべてを搾取してているのです。『人間』こそがわれわれの唯一の敵である。
われわれは何をすべきか?そう、人間打倒をするしかないのです!決 -
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アイルランド昔話集
小人に死体を担がされた男や人魚、悪魔等アイルランドに伝わる不思議な話が収録されている。一つの話が長い事が多く、昔話に興味がある人でも途中で飽きるかも。