E・E・スミスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スペースオペラ史上燦然と輝く古典、レンズマンシリーズの第1巻。その中で、シリーズでは中心的なヒーロー、キムボール・キニスンが候補生を卒業し、晴れてレンズマンとなった瞬間から、グレー・レンズマンにんるまでの部分を描く。
アメリカのスペオペ黄金期に登場した作品で、すなわち大変古いものになるのだが、今でも古さを感じさせない。そして、ドク・スミスの本領はその壮大さにある。
別シリーズのスカイラーク・シリーズにも登場するが、惑星サイズの宇宙船など、ざら。時間的にも、超古代から未来にまで及ぶ。それを背景に、レンズマンと呼ばれる一種のスーパー・ポリス(というか、日本にはないが軍警察)が活躍する物語だ。
シリ -
Posted by ブクログ
実はSFのスタンダード、もしくは古典と呼ばれている作品をほとんど読んだことがなかったのでこの際チャレンジしてみようかと、読んでみました。とても有名なレンズマンの一作目みたいです。
いやあ、痛快活劇、と言うのはまさにコレのことだなあ、と思いました。悪いやつは悪い。勧善懲悪。なんと言うのかお話は小難しくなく、明快で、テンポがよくてついついページをめくってしまいます。でもって色々と出てくるSF用語や科学見解は今の方向性とはちょっと違っては居ますがそれはそれで面白い。考えてみるとSF、特に宇宙を駆け巡るようなストーリーの中で機軸になっているひとつのキーワードが精神世界、と言うのも面白い。
今時分 -
Posted by ブクログ
ずいぶん古いスペースオペラで、というよりもスペースオペラの創生期の作品と言うことになるのだろうけれど、既に現在使われているアイデアが、これでもかとばかり盛りこまれていることにびっくりした。銀河英雄伝説もスターウォーズもアイアンマンも、全部このあたりから始まっているんだと言うことが実感できる。すごいなって思った。
ストーリィそのものは、わりあい単純でその分すっきりと楽しめる。今の感覚で言えば、敵味方がすっぱりと分けられていて、まるでボードゲームを見ているようだ。さらにヒーローの特出の仕方が読んでいて照れてしまいそうなほどなので、とっても楽に最後まで読んでいける。これは短所と言うよりも長所だろう -
Posted by ブクログ
斎藤環の『母は娘の人生を支配する』の冒頭を拾い読みしたら、娘が父と和解する感動的なお話「鏡の法則」に言及し、これに感動した人はもはやケータイ小説の単純さを笑えない、と述べられていた。私は思わず「鏡の法則」の代わりに『レンズマン』を入れて了解してしまった。『レンズマン』に感動してたらもはやケータイ小説の単純さを笑えない。
確か中学生時分に夢中になって読んだものである。こんな面白いものがあるかというくらい面白かった。それが新訳で読んでみると、登場人物の薄っぺらいこと。いや、平行してジーン・ウルフなんかを読んでいたのも悪い。かたや、ある人物が「もっとも複雑な人間」であるのは「単純になろうと努力