田中一郎のレビュー一覧

  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    NHKでアニメ「チ。」が放映されていることを契機に、当時のカトリック公認天動説と異端審問について知識を得るべく、積ん読本の中から本書をピックアップしました。
    ガリレオ裁判の記録は、主にナポレオンがヴァチカンから記録を運び出したせいで多くが失われ、しかも、ヴァチカンが全ての記録を公表したのは2009年になってからのことのようです。本書は、この公表記録を渉猟して書かれた労作ですが、書き振りは平易であり、始めの方で異端審問制度が概説され、巻末近くには人名一覧もあって、読みやすい一冊になっています。
    本書を読んで分かるのは、地動説を仮説として、あるいは天体の運動を計算する便宜のために用いることは、さほ

    0
    2024年11月17日
  • [図解] 電車通勤の作法

    Posted by ブクログ

    中身はあまりないが、自分の通勤を顧みて、なるほどと思うところはたくさんあります。
    改めて通勤電車の作法を定型的に考える良い機会にさせていただきました。

    0
    2016年07月18日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ガリレオ裁判を資料を丹念に読み解き、真実を導こうと試みる意欲作。

    ガリレオ裁判の一般的なイメージとして、頑迷な宗教人と戦った英雄科学者ガリレオという固定観念があるが、実際は当時の宗教裁判としてはガリレオ裁判は特別に慣例から逸脱しているものではなかった。
    また、ガリレオは裁判で異端であることを認め、科学の正しさを主張し結果的には敗れたというイメージが一般的であるが、実際の裁判でのやり取りを見るとガリレオはむしろ異端ではない、つまり無罪を主張しておりそのイメージとはだいぶかけ離れている。
    さらに「それでも地球は動いている」という有名なセリフは、彼の死後地動説が正しいという事実が明らかになりその英

    0
    2016年01月14日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    誰もが知ってるつもりのガリレオ裁判の真実を資料を丹念に追うことから炙り出そうという知的好奇心が掻き立てられる書。オススメ。

    0
    2015年11月05日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

     2度の「ガリレオ裁判」の本当の姿について,新しく公開された裁判資料や往復書簡などを丁寧に読み解き,これまでの通説とはやや違う視点で見せてくれた。
     1600年代のキリスト教徒の立場というのもなかなか複雑で,キリスト教の指導者の一人一人の話なんて余り興味を持てないかなと思ったけれど,けっこうついて行けたのが自分でも不思議。文章がうまいのか,ガリレオが関係しているからなのか。おそらくその両方なんだろうな。
     「それでも地球は動いている」なんて言葉が,どこからきたのかまで調べていて――結局分からないのだが――,これもまたおもしろい。
     ピサの斜塔から落下実験をしたなんてものも,あとで作られた話なん

    0
    2025年07月07日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    われわれは、科学はガリレオからニュートンに至るまでの17世紀ヨーロッパで生まれたと語る。つまり、近代科学はキリスト教の産物であることを示す。他方で、キリスト教はガリレオを弾圧し、科学の進歩を阻んだということにも触れざるを得ない。ガリレオ裁判を科学と宗教の闘いと見ると、話は単純化されるが、われわれの科学がキリスト教世界で誕生したことの方は説明されないままになってしまう。

    著者のあとがきでの上記のコメントは、そうだなあと思わされた。

    第二の聖書として、自然を観察し、近代科学を産み出した科学者たちにとって、科学と宗教は対立するものではなく、お互いを補完するものだったのだろう。そのような状況のなか

    0
    2022年03月24日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    ガリレオ・ガリレイ。当時、信じられていた天動説を誤りだと主張した結果、宗教裁判にかけられ、有罪を宣告される。判決の直後、「それでも地球は動いている」と叫んだエピソードは有名だ。

    聖書を絶対として、新しい知識を取り入れようとしない権威である教会を悪とし、現実を見る目を持った科学者を正義のヒーローとする見方は非常にわかりやすいが、話としては出来すぎている気もする。本当のところはどうなのか。最近になって発見されたガリレオ裁判の記録から、その真実を読み解く。

    裁判記録によれば、ガリレオは激しい抵抗をすることなく、主張する地動説も仮説の一つだと教会に媚びるような発言をしている。世間が知る真実のために

    0
    2016年04月15日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    「山口栄一『死ぬまでに学びたい5つの物理学』 (筑摩選書)」では、科学はキリスト教の支配にあったヨーロッパでしか生まれなかったことを考察している。この本と合わせて読みたい。

    0
    2016年01月17日
  • 新科学論議(下)

    Posted by ブクログ

    ほとんどが数学的な証明に当てられていました。そのため、命題だけを掻い摘んで私は読ませていただきました。

    ガリレオの主張、等速度運動や等加速度運動の性質はは中学で習う基本的な運動法則ですが、それをすべて証明する姿勢がよく伝わりました。

    どれだけ科学に対して数学を重視していたかがよく分かります。アリストテレスの『天界論』などの議論と比較すると、その対比が強すぎて、面白かったです。

    特に、解析学を用いてないところがものすごく特徴的です。解析的な手法がないとこんなにも難しいのかと実感しました。間接的に、解析学のありがたさを感じました笑

    0
    2025年09月28日
  • 新科学論議(上)

    Posted by ブクログ

    材料力学は履修していなかったので、第二日目の議論はなかなかイメージしづらかった。

    しかしながら、ものを相似させながら大きくすると自重を支えられないという問題意識、そしてそれらを数学で厳密に証明しようという試みはとても伝わった。

    考えてみれば、学校ではこういった現実の問題を扱っていなかった気がする。とても楽しそうだなと感じた。

    0
    2025年09月20日
  • ガリレオ・ガリレイの生涯 他二篇

    Posted by ブクログ

    個人的に読みにくい文章だった
    自分が導き出した公式等を無償で多くの人に教えるの、長年研究したメイク術をYouTubeとかで無料で公開してくれるのと似てるものを感じた。全然違うって言われそうだけど

    0
    2023年12月22日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    本屋でみかけて衝動買い。頑迷で愚鈍なカトリックの教職者どもにいじめられた科学界の英雄……というありがちなガリレオのイメージに一石を投じてくれた労作。人口に膾炙されている「地球はそれでも動いている」との言葉が、18世紀になってから啓蒙主義者たちによって広められたデマらしいという話は特に興味深かった。

    0
    2019年02月08日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    「それでも地球は動いている」

    ガリレオは、旧態依然のローマ教会と戦い、裁判の家庭でこうつぶやいたという。
    科学者であることを捨てなかったガリレオは、ヒーローだった、この話は後世の私たちにそんなことを想像させる。

    しかし、ガリレオの裁判記録が明るみに出ると、この「物語」はどうも様子が違っていたことがわかった。
    と言っても、この裁判記録は多くが失われてしまったため、その全てを知ることはできない。
    できないが、神話化されたガリレオ裁判を当時の状況に照らし合わせ、丁寧に見ていくと、裁判そのものは決してめちゃくちゃなものではなく、それなりに形式に則ったもので合ったことがわかる。
    宗教裁判というと、一

    0
    2018年07月09日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    近年明らかになった証拠からガリレオ裁判の真実を客観的に推測している。私たちが学んでいる宗教裁判=悪、それに立ち向かうガリレオという印象とは少し違うのではという論調。

    ローマ教皇側、ガリレオそれぞれの当時の正義に基づいての結果だったのかと感じた。地動説が当然と考えている私たちの認識から少し距離を置いて考える必要がある。ガリレオを徒に英雄化するものではないということ。

    0
    2017年05月20日
  • ガリレオ裁判 400年後の真実

    Posted by ブクログ

    合点がいく結末ですね。「それでも・・・」なんていう偉人説の方がおかしいので。それにしても・・・とことん自分を曲げていくというのはストレスもあるだろうし、悔しかったことでしょう。

    0
    2015年11月06日