ガリレオ・ガリレイ。当時、信じられていた天動説を誤りだと主張した結果、宗教裁判にかけられ、有罪を宣告される。判決の直後、「それでも地球は動いている」と叫んだエピソードは有名だ。
聖書を絶対として、新しい知識を取り入れようとしない権威である教会を悪とし、現実を見る目を持った科学者を正義のヒーローとす
...続きを読むる見方は非常にわかりやすいが、話としては出来すぎている気もする。本当のところはどうなのか。最近になって発見されたガリレオ裁判の記録から、その真実を読み解く。
裁判記録によれば、ガリレオは激しい抵抗をすることなく、主張する地動説も仮説の一つだと教会に媚びるような発言をしている。世間が知る真実のためには命も惜しまない姿はそこにない。
要するにガリレオは優れた学者であったが、世間を敵に回し、命を犠牲にしてまでも地動説にこだわろうとはしなかった。彼にとって一番大事なのは、研究を続けることだったのだ。身も蓋もない結果だが、ガリレオ本人にすれば、不確かな死後の名誉よりも生きている「今」が重要だよな。