上田篤のレビュー一覧
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本文より
「家のなかに乾燥機をもうける。やむをえずバルコニーに洗濯物やフトンをほすときも、方の高さ以下にする。すると外からみえない。さらにバルコニーの奥行きをふかくし、床・壁・天井を白一色にし、手すりも<築地塀(ツイジベイ)>のようなシックなデザインにする」
「奥行きが増えると家のなかがくらくなるから、バルコニーの床も壁も天井も真っ白にする。手すりも<借景垣>にする。そうして禅寺のような<白路地>にする。その白路地の世界に、戸外の風景とのかねあいをかんがえながら、<人の心におもいもよらぬ感をもよおす手立ての花>をおく。それは花でも石でも彫刻でもなんでもよい。するとパンチが出る。はじめてみた -
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自然体の縄文人は母系社会
採集狩猟生活はシェアを基本として
奪い合いの諍いを起こさない
自分と相手の個性をつなぐことで視野を広くする
不安恐怖を作り出して
安全地帯を追い掛けるようなムダをしない
腐ってしまうだけの余剰生産物と権利欲を作り出す
農耕や牧畜などしない
依存による搾取に怯えて物質主義の奴隷にならない
やるべきことでやりたいことを自分で選択して
今現在を愉しく冒険して暮らす
権利や競争に明け暮れる成長型の父系社会と違い
縄文社会は母系社会で持続型である
父系原理社会は物質優先の縦社会で
文明的進歩の行き着く先は依存支配と分離と破壊
墓制原理社会は意識環境優先のトーラス型で
意識の成 -
Posted by ブクログ
縄文時代の人間は「棍棒を持って獲物を追いかける野蛮な人種」というイメージを持たれがちだが、実際は芸術を嗜むこともあり(縄文土器のアート性)、食べるものも素材としては現代人とさほど変わらない物が多かったりしていて、彼らの文化に学ぶところは多い、という研究をした本。イザナキ、イザナミ、アマテラスといった神話の話も数多く登場する。
自然と共に生きるが故の価値観や習慣が面白い。家畜よりも野生動物の肉を好んで食べたのは「動物の生命力ごと採り入れる」ためだとか、この時期は女が「家」の全てを取り仕切る母系社会であり、男は「通い婿」だったとか。また、人間同士で殺し合いや戦争はこの頃はなく、農耕文化が根付いた -
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200ページで、字も大きくすぐ読めるかと思ったらそうでもなかった。「なんとか寺のなんとかという庭があって、、、」、とかいう庭の説明を読むにあたって、文章から空間的な情景をいちいちイメージすることに時間がかかったからだ。
桂離宮は、月を見るための庭だとか、面白い事がいろいろ書いてあった。
また、庭園のことや建築のことをある程度学んでから読み返したいなと思った。
内容は簡単に言うと、先史時代から現代にかけての庭の歴史をまとめてあり、通史、概論といった感じ。ところどころ会話文もおりまぜて書いてあり、文章は読みやすいし、簡潔でわかりやすかった。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
縄文のストーンサークルも浄土庭園も、はたまた枯山水も京町家の坪庭も、日本の庭にはすべて魂(タマ)すなわちオーラがある。
現代日本人をも魅了してやまない数々の名庭もまた、西洋の庭園とは異なり、ただ美しく快適なだけではない。
それらは時代ごとの理想を体現し、日本人の精神の歴史をもの語る―。
桂離宮や御所をはじめ、有名無名とりまぜた京都の庭めぐりを通じて読み解く「庭の日本文化論」。
[ 目次 ]
1 ストーンサークル―太陽をのぞむ
2 白砂―アマツカミをまつる
3 神泉―神々とあそぶ
4 宝池―極楽浄土をつくる
5 枯山水―仏をおがむ
6 露地―月をみる
7 借景垣―野をいだく
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