上田篤のレビュー一覧

  • 縄文人に学ぶ

    Posted by ブクログ

    長年、町家を中心に「日本人のすまい」を研究してきた著者が、万博の仕事で、岡本太郎氏と出会ったのを機に縄文時代に嵌ってしまった。
    それから、沖縄の続縄文時代との出逢いなどがあり、建築畑の人間が感動した縄文人の暮らしぶり。
    現代日本人とも深いつながりがあることも詳細に書かれている。
    歴史学者、考古学者の狭い範疇に収まってる考え方だけでは、1万2千年も続いた縄文文化の本質にせまることはできない。
    想像力を駆使し、色んな学問分野の合わせ技をますます期待したいところです。

    0
    2016年03月28日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    本文より

    「家のなかに乾燥機をもうける。やむをえずバルコニーに洗濯物やフトンをほすときも、方の高さ以下にする。すると外からみえない。さらにバルコニーの奥行きをふかくし、床・壁・天井を白一色にし、手すりも<築地塀(ツイジベイ)>のようなシックなデザインにする」

    「奥行きが増えると家のなかがくらくなるから、バルコニーの床も壁も天井も真っ白にする。手すりも<借景垣>にする。そうして禅寺のような<白路地>にする。その白路地の世界に、戸外の風景とのかねあいをかんがえながら、<人の心におもいもよらぬ感をもよおす手立ての花>をおく。それは花でも石でも彫刻でもなんでもよい。するとパンチが出る。はじめてみた

    0
    2009年10月04日
  • 縄文人に学ぶ

    Posted by ブクログ

    母性社会と父性社会の切り口による縄文人は改めて面白い。圧倒的に長期に栄えた縄文時代、自然観測民族が故に長く栄えたとは納得した。勾玉等の装飾が弥生以降に見られなかった理由にも言及。その理由は説得力があるかもしれない。

    0
    2018年08月18日
  • 縄文人に学ぶ

    Posted by ブクログ

    自然体の縄文人は母系社会
    採集狩猟生活はシェアを基本として
    奪い合いの諍いを起こさない
    自分と相手の個性をつなぐことで視野を広くする
    不安恐怖を作り出して
    安全地帯を追い掛けるようなムダをしない
    腐ってしまうだけの余剰生産物と権利欲を作り出す
    農耕や牧畜などしない
    依存による搾取に怯えて物質主義の奴隷にならない
    やるべきことでやりたいことを自分で選択して
    今現在を愉しく冒険して暮らす

    権利や競争に明け暮れる成長型の父系社会と違い
    縄文社会は母系社会で持続型である
    父系原理社会は物質優先の縦社会で
    文明的進歩の行き着く先は依存支配と分離と破壊
    墓制原理社会は意識環境優先のトーラス型で
    意識の成

    0
    2013年09月02日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    日本人は寺に行くと,なぜ庭ばかりみているのか?
    この問を発端に日本人と庭の関係を解き明かしていく。
    内容的にとても面白いのけど,ちょっと文章が難しい。
    この本を読んだ上で,中に紹介されている京都の寺院を
    訪れて見ると,新しい見え方がするかもしれません。

    0
    2009年10月04日
  • 縄文人に学ぶ

    Posted by ブクログ

    縄文時代の人間は「棍棒を持って獲物を追いかける野蛮な人種」というイメージを持たれがちだが、実際は芸術を嗜むこともあり(縄文土器のアート性)、食べるものも素材としては現代人とさほど変わらない物が多かったりしていて、彼らの文化に学ぶところは多い、という研究をした本。イザナキ、イザナミ、アマテラスといった神話の話も数多く登場する。

    自然と共に生きるが故の価値観や習慣が面白い。家畜よりも野生動物の肉を好んで食べたのは「動物の生命力ごと採り入れる」ためだとか、この時期は女が「家」の全てを取り仕切る母系社会であり、男は「通い婿」だったとか。また、人間同士で殺し合いや戦争はこの頃はなく、農耕文化が根付いた

    0
    2021年05月26日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    4章と5章の日本の歴史、神社仏閣や宗教の点からの考察が大変興味深かったです。庭を見に行く時は書かれていたことを念頭において拝観したいと思いました。

    0
    2020年03月13日
  • 縄文人に学ぶ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    近年「縄文時代」が見直されてきている。弥生時代に比べて圧倒的に長いこの時代は、教科書では弥生人に取って代わられた、劣った時代であったとされているが、どうもそうではないらしい。思ったよりも文化的で、現代の日本の文化に繋がる様々な風習がこの時代にすでに生まれていた形跡があるようだ。少々我田引水的で強引な説も見受けられるが、読み物として読んでいて楽しい。アメリカ先住民、アイヌなどに共通するその文化は、なにしろ1万年以上も続いたというからすごいものだ。

    0
    2013年08月28日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    200ページで、字も大きくすぐ読めるかと思ったらそうでもなかった。「なんとか寺のなんとかという庭があって、、、」、とかいう庭の説明を読むにあたって、文章から空間的な情景をいちいちイメージすることに時間がかかったからだ。
    桂離宮は、月を見るための庭だとか、面白い事がいろいろ書いてあった。
    また、庭園のことや建築のことをある程度学んでから読み返したいなと思った。

    内容は簡単に言うと、先史時代から現代にかけての庭の歴史をまとめてあり、通史、概論といった感じ。ところどころ会話文もおりまぜて書いてあり、文章は読みやすいし、簡潔でわかりやすかった。

    0
    2011年08月14日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    [ 内容 ]
    縄文のストーンサークルも浄土庭園も、はたまた枯山水も京町家の坪庭も、日本の庭にはすべて魂(タマ)すなわちオーラがある。
    現代日本人をも魅了してやまない数々の名庭もまた、西洋の庭園とは異なり、ただ美しく快適なだけではない。
    それらは時代ごとの理想を体現し、日本人の精神の歴史をもの語る―。
    桂離宮や御所をはじめ、有名無名とりまぜた京都の庭めぐりを通じて読み解く「庭の日本文化論」。

    [ 目次 ]
    1 ストーンサークル―太陽をのぞむ
    2 白砂―アマツカミをまつる
    3 神泉―神々とあそぶ
    4 宝池―極楽浄土をつくる
    5 枯山水―仏をおがむ
    6 露地―月をみる
    7 借景垣―野をいだく
    8 

    0
    2011年05月22日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    フォトリーディング&高速リーディング。日本文化についてのシントピックリーディング。日本の庭は自然を表し、西洋の庭はテーマを表現。成る程と感じた。

    0
    2011年02月16日
  • 庭と日本人

    Posted by ブクログ

    2008/12
    日本庭園の歴史を踏まえ、そこに含まれている要素を丁寧に分解し、日本人論に展開している。結構読み応えのある一冊なので、しばらくしてからまた読み直してみたい。

    0
    2009年10月04日