片田敏孝のレビュー一覧
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■津波から命を守る避難三原則
・想定にとらわれるな
・その状況下において最善を尽くせ
・率先避難者たれ
■人間は自分に危険を知らせる情報について、最初の情報は無視する修正がある。これを打破するためには、同じ意味を示す2つ目の情報が必要。逃げてはいないものの非常ベルによって不安の中にある人は2つ目の情報が大きな意味を持つ。
■防災教育には「脅しの防災教育」「知識の防災教育」「姿勢の防災教育」の3つのタイプがある。
このうち最もやってはいけないのが「脅しの防災教育」。災害の怖さをいくら話ししてもあまり効果がないばかりか、自分の住んでいる街をマイナスイメージで捉えてしまう恐れがある。
「知識の防 -
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☆10個くらい付けたい本。
片田さんは、津波防災の研究者だが、それにとどまらず、釜石市など全国での講演により、住民の防災意識の向上を図ってきた。
東日本大震災、甚大な被害をもたらしたが、それでも、彼の取り組みによって救われた命はいくつあったことか・・・。
この本はたしかに素晴らしい本だが、実際に災害が起きたとき、ここに書かれている行動を自分が取れなければ何の意味もない。
この本は是非、一読をお勧めしたい。
願わくば、自分自身も含め、自然災害に見舞われたとしても、災害以前と変わらず、健全な心身、命を保てるような、的確な避難行動が取れますように! -
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■「あるべき論」を論じその都度提言をまとめたとしても防災の現場は改善されない。
■防災の現場は研究者や行政の「あるべき論」で動くのではなく、その時その現場に臨んだ人が何を思うかによって動きが決まる。
■ハザードマップマップを見る必然性を感じていない人に「ハザードマップをみよう」と連呼しても、その効果は期待できない。
ハザードマップを見ようとしない住民の心の在りどころに理解を示し、その前提を共有した上で少なくともいざというときにはハザードマップを自ら活用する態度を醸成するようなコミュニケーションを行うことが大切。
■なぜ要配慮者問題は続くのか
内閣府は2004年度に「集中豪雨時等における情報 -
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■避難の三原則
①想定にとらわれるな
・端的に言えば「ハザードマップを信じるな」
②最善を尽くせ
③率先避難者たれ
■一家滅亡,地域滅亡という悲劇ばかりを繰り返してきた中でできた言い伝えが「津波てんでんこ」
■明治三陸津波では震源地では大きい地震があったがゆっくり動く地震であったため,釜石のあたりは震度1か2くらいであった。
■津波は並ではなく海の壁
・海底の深いところでは時速800キロぐらいのスピードで伝播する
・浅くなると急ブレーキがかかり水深500メートルで新幹線並み,100メートルで車並み,10メートルで人間が走るぐらいのスピードとなるため,波が積み重なって高くなる
■行政がやるべきだ -
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東日本大震災の大津波で、釜石ではほとんど小中学生が犠牲にならなかったのは、彼らが自分たちで避難をきちんとしたからだ――、という実績をもとにして、防災教育や防災情報、ひいては防災というものについて市民一人一人が抱くべき考え方を説く。
東日本大震災直前に釜石で高校生らに講演された記録なども含まれていて、貴重だし、示唆に富む。
1.想定にとらわれるな
2.最善を尽くせ
3.率先避難者たれ
これを片田氏は「避難の三原則」として示す。
例えば1について。ハザードマップはあくまで明治三陸地震のときの実績にすぎず、前提の異なる外力になると当然に結果は変わるということ。今回の震災では「想定外」という言葉がや -
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・自然災害は想定を超えるから災害となるのだが、想定を際限なく上げることが防災の本質ではない。そんな財源がどこにもないし現実的ではない。
・”想定外だったから”でも、”想定が甘かったから”でもなく、”想定にとらわれすぎていた”ことが問題。(→「これだけ巨大な防潮堤があれば安心」「ハザードマップでうちは色のついていない地域だから大丈夫。」といった固定観念。)
・人間は嫌な情報・予想したくないことには眼を向けたがらない・自分の死を直視できないという習性がある(→「煙の匂いもしないから大丈夫だろう」「非常ベルが鳴ってもみんな逃げていないし」「わかっちゃいるけどできない」といった正当化の偏見・集団同調・ -
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「人が死なない防災」というタイトルがとても良いな、と思いました。
論文の題材に防災教育を選んだので読んだのですが、この本を通して著者である片田先生の考えには感銘を受け、私も誰も死ぬことのない防災のあり方について深く考えさせられました。
いかに大きな災害で町が全壊しても、命さえあれば何とかなるんじゃないかと思います。そういう意味で、命を守ることが最も大事であり、今回の震災の反省を活かして、早急に新しい防災教育に取り組んでいくことが求められているのではないかと思います。
本に関しては、この片田先生が考えた防災教育は釜石以外でも無条件に可能なのだろうか、ということが少し気になりました。