品田遊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
⚫︎受け取ったメッセージ
ネット、SNS時代のブラックな短編17編。
ダ・ヴィンチ・恐山さんの面白さが
存分に発揮されている!
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
非凡な活躍を続けるダ・ヴィンチ・恐山こと品田遊がネット世界の虚無を抉り出す幻の名小説集、読者熱望の文庫化!
「本作は、シャープな描写とブラックな笑いが目立つ。理由の一つはおそらく、インターネットという道具を手にして自信たっぷりに行動する人間の空虚さが描かれていることにあるだろう。」 川添愛(解説より)
他愛もない投稿を火種に無尽蔵に炎上が広がるSNSの滑稽さを映し出す「猫を持ち上げるな」、一億総発信者時代の闇が垣間見える「紫 -
Posted by ブクログ
ネタバレすれ違うだけ、ただその場にたまたま居合わせた人たちの『思考』の数々。その人独自の解釈や信念といったものが中央線の電車の中で揺られ、語られていく。同時に、ある学生とその先輩の高尾山までの道中も物語として進行していくといった面白い構成。あくまでも高尾山までの道中が主軸と言えそうなので、章ごとに違うキャラクターの思考を追うのはまるで各駅停車で下車し寄り道をしたような気分になる。
私はこの本を読むまで、たった一瞬での関わり-たまたま同じ電車に乗った人たち-の人生や思考について思いを馳せたことがなかったので、筆者の視点は新鮮そのものだった。ある物語は点であり、ある物語は線である。
一緒に電車に揺られなが -
Posted by ブクログ
ネタバレインターネットを通して人間のリアリティを見る、そんなことを読みながら考えた。
特に、「名称未設定ファイル_01猫を持ち上げるな」は、ツイートがバズったことから始まる連鎖的な話なのだけど、つい先日ツイートがバズった自分としては、猫を持ち上げたツイートをしてしまった人が炎上し晒しに遭うのが、一歩間違えば自分もこうなっていたかもしれないと他人事だとは思えなくて背筋が凍った。
インターネット怖い、でもインターネットを通してうっすら表れる何か人間の根本精神はとてつもなく魅力的なんだ。
元祖アルファツイッタラーの品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)氏にしか書けない小説だ