青野由利のレビュー一覧
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ゲノム編集についてCRISPR/Cas9を詳しく解説すると共にゲノム編集がもたらして来ている新しい時代をわかりやすく解説する内容。遺伝子組み換えの始まりから辿りCRISPR/Casの誕生と実用化までの歴史も概観できる。その技術的な内容も専門知識の無い読者を意識して平易に解説している。遺伝子治療の内容や人受精卵の編集についても概要がわかる。遺伝子ドライブについてその概要とリスクやメリットも考えさせられる。DNAを編集することが具体的に今現在どのようなことを既に実現しているのか、それを倫理的な問題と捉えるのかどうかなど最終章の記述は興味を持たざるを得ない。この分野の進展・技術進化のスピードは想像を
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現在の技術でどこまでゲノム編集が出来ているのかがわかる一冊。
今まで遺伝子が親から子に引き継ぐ時、母親と父親の遺伝子が混ざり合う際、なんで的確に親の遺伝子の分と子供の遺伝子の部分が混ざるのかが謎だった。
遺伝子の線がいたずらに長くなったり、短くかけたりしない理由がはっきり書かれていてよかった。
狙い通りに遺伝子を編集する、そしてその編集する遺伝子プログラムを遺伝子に組み込み自己増殖させることができる手法が出てきている。
特定の種を絶滅させられることもできる(蚊の絶滅を狙って試されている)。悪意を持って人に適用したら…
遺伝子が予想以上にプログラム風に作られていることがわかった -
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ゲノム編集、CRISPR cas9は最早神の技術と言っていい。これまで有効な治療法がなく対症療法に頼るしかなかった難病に苦しむ多くの人々がこの技術により救われることだろう。
しかし、その運用には厳格な指針が必要であることは言うまでもない。すでに中国の科学者がこの技術を用いて遺伝子操作をされた子供を「作った」ことを発表しているが、それは許されるべきなのか。
小論文で出題されることも今後多くなると思われるが、そのためだけでなく、将来医師として生命倫理に関わっていこうとする者は深く考察しておくべきテーマの一つである。
本書は専門的内容を噛み砕いて解説しているので初学者向けと言える。医学部志望者 -
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今日は午前2時ごろ起きました。
今日の書評は「ニュートリノって何?」青野由利著。物理の書籍です。
私は私立文系。当然物理なんか迂遠でしたが、今となっちゃえば読んじゃう。
つまり、論理的なものの考え方ができるので、学生時代不可能だった物理の本の読解も出来るのだ。
というわけで、第一章のコピペブログをまたまたスタート!
まずニュートリノの概念を考え出したのが、古代ギリシャの哲学者デモクリトス。
彼は言った「万物を分解していくと、それ以上に分割できない一種類の粒子になる。この粒子が空間の中でくっついたり離れたりすることで、万物が生成したり消滅したりする」という説を唱えました。
この間考え -
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最先端の生命科学技術である「ゲノム編集」と、それを従来より飛躍的に正確かつ高効率、低コストで実行できることを可能にしたツールであるCRISPR・Cas9の開発史を中心に書かれた前半と、エスカレートしていく技術革新の流れの中でこの技術が動物、さらに我々人間へと応用されていく上での倫理的問題点について論じた後半。
数十年前に勉強した遺伝学の知識を引っ張り出して理解しないといけないが、ゲノム編集技術に関する概略を分り易く説いてくれている。
倫理的問題についても、難病や遺伝性疾患に対する遺伝子治療など期待されている反面で、それを用いる際の判断の難しさ、「種」を短期間で絶滅に追い込むことも可能となった遺 -
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ネタバレゲノム編集については冒頭にもあるとおり「できない時に、やってはいけないというのは簡単だった」ということばに尽きるだろう。やりたい人が確実に存在する以上、ヒトでのゲノム編集も必ず行われる。アシロマ会議のような場でガイドラインを設定したところで中国のような国や新興宗教団体はお構いなしだろうし、当時は研究といえばアカデミックなものであったが今では企業で行われる研究のほうがはるかに進んでいる。
・CRISPER/CASの優れた点はガイド分子としてRNAを設計すればよいという点。タンパク質を設計しなければならないジンク・フィンガーやターレンに比べ、非常に簡単で安価にできる。
・回文配列は、ここから読