深見弾のレビュー一覧

  • ストーカー

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    アンドレイ・タルコフスキー監督の映画『ストーカー』や、ウクライナのGSC Game Worldが開発したFPSゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズ(こちらは厳密には原作とは違うかも)で知られるアルカジイ&ボリス・ストルガツキー兄弟によるSF作品。

    宇宙から来訪した何者かにより変貌したゾーンと呼ばれる地域。変貌したゾーンを人類は隔離するが、ゾーンに不法侵入し、残された遺物を高値で売りさばくストーカーという存在がいて……

    という物語。
    まずこの設定が今読んでも全然古臭さを感じなくて、とても惹かれた。
    最近だと『裏世界ピクニック』(『ストーカー』の原題が『路傍のピクニック』だか

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    2025年03月09日
  • ストーカー

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    ロシアの作家で兄アルカジイと弟ボリスのストルガツキー兄弟によるSFで、タルコフスキー監督による映画『S.T.A.L.K.E.R』の原作。

    ストーカーという言葉は、ニュースで耳にする他人につきまとう迷惑な異常者のことではありません。地球外生命体が訪れて立ち去った、ゾーンという立ち入り禁止エリアに入り込み、そのとき来訪者が残して行った痕跡(お宝)を盗み出すことを生業とする、いわばトレジャーハンターのような人たちのことです。タイトルで敬遠していましたが、いい意味で想像を裏切られました。

    あらすじ:
    地球上に突然現れた「ゾーン」。そこは、宇宙からの訪問者が何らかの理由で立ち寄った場所で、重力異常や

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    2025年02月16日
  • ストーカー

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    アンドレイ・タルコフスキーの「ストーカー」の原作となった作品です。元の題名は「路傍のピクニック」でタルコフスキーの映画が,SFを元に哲学しているのに比べ,こちらはもっとSF的な色合いが強い作品になっています。どちらも面白いので,「ストーカー」ファンにもオススメです。

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    2018年03月04日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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     もう長いこと「泰平ヨン」だったから、変な名前だけどそういうものと受け入れていたが、これは最初の訳者・袋一平が、主人公の名前 Ijon Tichy をそのように訳したのが始まり。Tichyはロシア語の「静かな」を舌足らずにしたような感じらしく、苗字を「泰平」にして、名前のイヨン Ijon をヨンと表記したのだという。ニール・アームストロングが「腕強ニール」になるという感じか。泰平ヨンは『航星日記』、『回想記』のシリーズのあと、この中編『未来学会議』と長編『現場検証』、『地には平和を』で主人公として登場する、ピルクスと並ぶレムの重要登場人物である。
     今回ヨンは宇宙飛行士ではない。タラントガ教授

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    2016年02月26日
  • ストーカー

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    そこで終わるな!この暗さがいいファーストコンタクト物
    表紙   6点映画のフイルム
    展開   6点1972年著作
    文章   6点
    内容 750点
    合計 768点

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    2015年09月01日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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     「ソラリス」の作者レムには泰平ヨンが主人公のシリーズがある。「泰平ヨン」とかいうダジャレ的なセンスが嫌いだった。「泰平」という字面は今も嫌いだ。そんな偏見で、こんなに面白い本を読まずにいたわけだ。
     主人公の泰平ヨンはコスタリカで開かれる未来学会議に参加する。その会議のテーマは、破滅的に人口激増した世界とその増加の阻止だ。この人口増加による危機というやつは、原著が書かれた頃(1971年刊)には良く言われたものだったように思う。近頃なら地球温暖化になるのだろう。さて、ヨンが会議に参加する理由がよく分らないというのっけからカオスが突っ走るが、テロ事件が起きてあっと言う間に氾濫する。軍部の出動、薬

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    2015年08月05日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    コスタリカで開催される未来学会議に参加した泰平ヨンはテロ事件に巻き込まれ………。

    ドラッグに満ちた未来世界を描きつつ、その世界を何度もひっくり返すことでディストピアっぷりを露わにしていく手際が鮮やか。他の作品同様、人間の "認識"や"知性"の限界というモチーフが見え隠れするのもレムらしい。
    それにしても詰め込まれた膨大な量の言葉遊びには圧倒される。訳すの大変だったろうな。

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    2015年05月24日
  • ストーカー

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    2007年に発売されたウクライナ製PCゲーム「S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl」の大型MOD「Lost Alpha」のプレイをきっかけに本作の存在を知り、読んでみました。
    ゲームと本作ではストーリー自体がそもそも異なりますが、本作を元にした要素がそこかしこに見られ、ニヤリとさせられます。

    ゲームと切り離し、一つの小説として見ても、月並みな感想ではありますがとても面白い。
    派手なアクションはありませんが、「ゾーン」という極限状態の中で、人は何を考えるのか、どんな行動を起こすのかが、「ストーカー」レドリック・シュハルトを始めとした登場人物の口や行動から描写され

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    2015年05月08日
  • ストーカー

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    異星文明の痕跡が残る“ゾーン”から、様々な代物を持ち帰る“ストーカー”。
    彼らが人間の知識や常識を超越している危険な空間へ、命を掛けて潜入する理由はただ一つ、カネのみ。
    レドリック・シュハルトを中心として、個性ある人物がゾーンと関係し、人生を良くし悪くする。
    しかし、原題の「路傍のピクニック」が表している通り、宇宙人がピクニックして捨てていったゴミに、人間が虫のように接触しているに過ぎないのでは…と、スケールが大きいのか小さいのか途中からわからなくなる不思議な感覚を途中で感じました。
    様々な評価があるに違いない一冊ですが、私は気に入りました。

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    2015年04月08日
  • ストーカー

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    世界観や人物描写の雰囲気が非常に気にいった。ロシア人の飲み方は非常に気持ちが良い。エンディングは悲しさと爽やかさが入り混じるような複雑なものだった。

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    2010年05月16日
  • ストーカー

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    おもしろかった。
    少し難解だったが、魅力的な世界観と主人公たちの独特な言い回しが癖になり、ページを捲る手が意外と進む。
    主人公のハードボイルドで諧謔的な感じは「月は無慈悲な夜の女王」のマニーを想起させた。
    また、「ゾーン」などの無慈悲なものを突きつけられている感じは「ソラリス」を思い出した。
    よく、「ワレワレハウチュウジン」のように異星人と意思疎通をし、交流が始まるみたいなのがあるが、もし実際に交流する際、我々と彼らはお互いに何も理解できないんじゃないかと思う。
    途中のワレンチンとヌーナン?の会話がより世界観に対する解像度をあげていて印象的だった。
    ラストの鬼気迫る様子には思わず目が離せなかっ

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    2025年11月29日
  • ストーカー

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     『ストーカー』『ゾーン』『来訪者』など。それが何なのか。具体的にどういう経緯でどういった物なのか説明らしい説明はないけれど、読み進めるにつれて映像として、荒廃した世界に片足突っ込んでトレジャーハントしてる感じが頭の中に浮かんできた。
     主人公のレッドが『俺はやりたいことやりてぇんだ!誰かの言いなりになってやる労働はクソだ!』みたいなセリフが後半にでてくるのですが、それがこの無防備な世界とマッチしていてすきです。
     あとがきには、『未知との遭遇で人はどのやうに対処するのか?を問うている』と書いてあって、主人公のレッドは楽しんでいる側なんだなと思った。そして、そうした訳の分からないものに突っ込ん

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    2025年08月09日
  • ストーカー

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    映画とは違って、アクションやギミックが楽しく、勢いで読めてしまいました。
    ファーストコンタクト物の傑作。

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    2021年06月26日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    自分史上いちばんエグいディストピアものだった。ドラッグで万能の理想郷に魅せられている間に、現実は地獄のように、自分の体がオリジナルじゃなくなっている恐怖。 映画『コングレス未来学会議』を先に観たんだけど、そのときは刹那的に世界や人間が変容していくことに対しびっくりするほど泣いた。ただ本作には泣く要素はなく、ブラックなユーモアの効いたSFだった。造語が沢山出てくるが、これらを意味の通るしっくりくる日本語に訳すのはとんでもなく骨の折れる仕事だったと思います。薬の名前とか、ドラえもんの道具みたいで秀逸だった。

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    2020年11月02日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    p.189
    「何事にたいしてももはや自然な反応をするものなどだれもいないのだー化学薬品の作用で学習し、人を愛し、反乱を起こし、ものを忘れるのだー薬物で操作された感覚と自然のそれとの間には違いがなくなっている。」

    レムのSFを読んだのは、ソラリス以来かな?相変わらず一文一文奇妙な文章だらけなのに伏線が回収されなくずっと話が続いていく感じで捉えどころがない。でもとんでもない未来への想像力、予想もつかない展開、そしてちらりと見える社会問題への皮肉など読んでいて楽しい。

    薬品がドラえもんの道具みたいで面白かった。
    一層剥がれるたびに残酷な現実が、という瞬間が恐怖。

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    2016年11月18日
  • ストーカー

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    4章立て
    1,2,4がレッド視点/ゾーンや周辺での活動
    3がヌーナン視点/ゾーンや来訪に関する対話中心
    一気に読むことができた。
    ゾーンと来訪についてのピクニックの比喩が興味深い。
    これを基に創作したくなるのがよくわかる。
    〈蚊の禿〉/重力凝縮場など通称の使い方がよい。
    ワレンチンが言うようにストーカーたちだけでなく学者も通称を使うんだよ。
    つんでるゲーム版スタルカーやろうかな。

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    2015年10月05日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    レムのユーモアものってちょっと苦手にしているのですが、やっぱりレムなので読んでみる。

    70年代の冷戦時代に書かれた、ディックばりの薬物で現実がコントロールされてしまう世界。
    トリガーが薬物なだけで、自分が認識している世界は現実のものなのか区別がつかなくなってしまうという点では仮想空間と現実の融合が始まっている現代も同じなのではないでしょうか?ディックほど病的な精神状態を描くわけではありませんが、淡々と追い詰めていきます。国家間戦争ではなく、テロが横行してるっていうのも現代的。怖っ。

    レム祭りスタートするか!

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    2015年08月30日
  • 泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕

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    ただのほら話でも、クスリの見せる幻覚の模写でもなく
    現代からみてリアルなところはないのに、
    そっちの方向ではなく知恵を使って
    現実の世界を変えていかなければ
    とてもグロテスクな世界になるということ、
    数々の造語と、言葉の変化で楽しませながら、
    当たり前ではあるが、主人公よりぶっ飛んでいるのは
    これを生み出せる、著者の頭の中。

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    2015年06月30日
  • ストーカー

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    アルカジイ/ボリス・ストルガツキーのストーカーを読みました。

    30年前にタルコフスキー監督の映画で観たSFの物語です。
    やっと原作を読むことが出来ました。

    地球外の高度な知的生命体が地球上に残していった痕跡はゾーンと呼ばれていて、人知の及ばない装置や物体が存在しています。
    人間の命を奪うような危険が満ちている世界なのでした。

    命をかけてゾーンに潜入し、戦利品を盗んでくるストーカーと呼ばれる人たちが描かれています。
    ストーカーであるシュハルトがゾーンに侵入して戦利品を持ち帰る経緯を描写することで人間の理解を超えた存在と人間との接触が描かれています。

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    2014年10月11日
  • ストーカー

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    タルコフスキーが監督をした同名の映画を久しぶり観て素晴らしかったので、原作を読んでみた。
    映画はゾーンという不思議な空間と、その空間に侵入するストーカーという設定以外は全くと言っていいほど違う物語になっていてビックリ。しかし、原作もさすがに面白かった。
    ゾーンという不思議な空間に存在する不思議な物質を持ち出してお金に代えるのがストーカー。この設定がとにかく魅力的。さらに、このゾーンという謎の空間は誰がなんのために作り出したものなのかは全く謎のままで、主人公たちもそのことにはあまり興味がなくただひたすら生きている。どうやら異星人がフラっと地球に立ち寄ってゾーンを作ってサッサとどっかに行っちゃった

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    2012年12月12日