井原裕のレビュー一覧
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双極性障害について何冊かの本を読んできて、これはと思うものは少なかった。双極性障害のなんたるか(Ⅰ型とⅡ型があることなどなど…)、あらましを解説するものばかりで、さて本人としてはどう生活していくべきなのか、この大事な点まで踏み込んだものはそうなかったのだ。本書の著者は現医師であるにもかかわらず、治療に欠かせない薬物療法について過剰な期待をすべきでない、と始める。「患者を治せる精神科医はいない」とまで言う。本書では患者自身が病をどうとらえて生活し、身近な人々から社会まで、どう付き合っていくか、その見直しを説いている。
双極性障害の患者本人が、以前のような生活を取り戻せるよう、必死に情報を収集し -
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抗うつ薬のNNTは5、つまり薬を投与して意味があるのは5人に1人。薬物治療とはそういうことかと、まさに目から鱗。いつか自分や家族が病を得たときに、それを受け止めるための新しい心構えをもらった気がした。今のうつや双極性障害の"患者"が時代の要請で作り出されたものだということもよくわかった。もちらん、彼らを非難する気持ちにはなれないが。規則正しい7時間睡眠の確保、適度な運動、アルコールの節制で、精神の調子が大きく上向くという、言われてみれば当たり前のことが、薬物治療という魔法に頼ることで霞んでしまっているのは、患者さん達にとってとても不幸なことだと思う。とはいえ、当たり前のこと
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最近マスコミでも話題になっている本。一気読み。著者の書籍は学ばされることが多く好んで読ませていもらっているが、これは一般向けの本であり、現代のうつ病や双極性障害治療に対するアンチテーゼであり、よくよく考えると当たり前のことがわかりやすく書かれている。印象に残ったフレーズとして、現在の薬漬け医療は「精神科医・製薬会社・患者の三位一体として理解する必要性」、双極性障害を「睡眠・覚醒リズムのの失調」として捉え直す、『クルマ乗るなら酒飲むな、クスリ飲むなら酒飲むな』、精神科クリニックにかかるのは今やギャンブル、安易な休職のすすめの再考、うつ病の休職にも損益分岐点がある、休職による利益と損失が交わる点が
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精神科歴5年のオイラにとっては衝撃的な内容。この本読むと薬は効くのは2割。その効いた薬の3分の2はプラシーボ効果だという。なかなか治らないのも頷ける。馬鹿らしくて薬の減量に成功。あと4ヶ月でやめれそう。
ホントこの本のおかげです。
心の風邪キャンペーンで心療内科にかかる患者が増えたこと増えた事。行かなくていい奴まで通って、薬漬けにされてしまい抜け出せなけなってしまう。
製薬会社の継続して薬は飲んでもらい、たくさんの種類を出してもらう精神科の薬とマッチしている。製薬会社の私腹をこやす為に鬱になるのは馬鹿らしい。
会社もコミュニケーション能力を一番求める人材ではなく、会社にちゃんと来る人を雇いたい -
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ネタバレ手帳は、スケジュールではなくA6のノート。kokuyoCAMPUSノートB(5号ノート)に何でも書く。
TODO、その日のスケジュール、仕事のメモ、論文のアイデアなど。
2~3週間で使い切る。年間20~25冊。
ペンを挟む。
時系列に書く。カルテと同じ。
情報は手帳に限定する。
手帳を予習型にするか復習型にするか。
『3行日記を書くとなぜ健康になれるのか』
情報は、袋ファイル各2型の封筒に入れる。
超整理法の袋ファイルと同じ。
机脇のファイルボックスに入れる。
ペーパーレス時代は、印刷を個人に課しているだけ。
重要なメールは印刷する。
紙で見るのは開腹手術、スクリーンは腹腔鏡下手術。
論 -
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医薬品というのは実のところ、かなり打率の低いバッター。治癒打率が1割もあれば強打者であり、打率2~3割の抗うつ薬は十分に高いレベル。されど、本来、患者に必要なのは、言葉のやりとりにより患者の抱える問題をわかってあげること。ところが、日本の多くの精神科医は精神療法ができない。勢い、患者を手ぶらで帰すわけにもいかず薬を処方することになる。新型うつ、現代型うつ、などと次々に奇妙な新病名を開発し、本来のうつとは全然違う人にまで薬を処方している。精神科医は患者を治してあげようと善意で処方しているから問題の根は極めて深い。加えて双極性感情障害の病名がつけば、よりアグレッシブな薬物療法を正当化できる。実は、