今福龍太のレビュー一覧

  • アフリカ史

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    紀元前から1970年くらいまでのアフリカ通史。地中海に面する北アフリカは文化の流れが違うので、この本ではあまり触れられない。ヨーロッパから見たアフリカの歴史ではなく、民族に伝わる神話などから伝わる歴史。地名や民族の名前や人名なんかも耳馴染みがなくて読んでて楽しい。

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    2025年10月30日
  • クレオール主義

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    p.94
    だが現代において、文化的「境界」を越える行為が、従来の政治・社会力学のなかで容易に融合・同化のプロセスをたどってゆくような性格のものではないことは、すでに冒頭から述べてきたとおりである。なによりも、「文化」そのものが、明確な領域と境界をそなえ、自律的で内的な一貫性を持った主体的ユニットであるとする考え方が、もはや破産しかけていることは明白だ。「われわれ」も「彼ら」も、ともにかつて考えられたような独立したホモジニアスな性格を持った主体として見なすことは、もうできない。「われわれ」のなかにはすでにいつのまにか「彼ら」が住み始め、はじめてわれわれと出会ったかに見えた「彼ら」の内部にも、すで

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    2010年03月21日
  • クレオール主義

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    これ人よると思うけど、おもしろいですよ。なんか表現力があって、どっかにぶっとんで考えさせられました。

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    2009年10月04日
  • アフリカ史

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     あの山口さんが、歴史シリーズの一冊として ”アフリカの歴史に関する本” を書いていたとは全く知らなかった。元版刊行は1977年なので50年近く前のこと。今でも日本ではアフリカ史に関する本はあまり刊行されていないが、この当時ではなおさらだっただろう。
     著者は、「はじめに」でアフリカの歴史について次のように言う。「アフリカの歴史は、かりに、それがユニークな位置を、人類史の中で持つことができるとしたら、アニムスで固められた、他の諸大陸の文明史に対して、アニマの位置、つまり深層の歴史を垣間みせるところにある。いわば、論理とか、実証とか理性とか、機械的時間で固めて、人間の意識の真の土壌から切り離され

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    2023年10月02日
  • アフリカ史

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    アフリカは暗黒大陸で近年まで未開のエリアというようなイメージを描きがちではあるが、ヨーロッパやアジア諸国同様、いろんな王国、帝国が興亡を繰り返し、地域独特の文化を育んできたことがわかる本である。

    黒人奴隷というのも、単純にヨーロッパ敵国がアフリカの人々を浚って行ったのではなく、アフリカの列強が商品として奴隷を輸出していたと言う事もよく判る。

    著者独特の語り口で読み物として面白い本だが、たんなる読み物ではなく、著者自身が描いたスケッチや詳細な図版が随所に挿入されており、本格的な歴史書になっている。フィールドワークで何度も現地を踏査している文化人類学者だから書けたものであろう。
    また、ヨーロッ

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    2023年08月19日
  • ぼくの昆虫学の先生たちへ

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    昆虫採集に無我夢中になったことのある世代といえば、おそらく地方に住んでいた団塊の世代までだろう。著者は団塊の世代の少し後だが、首都圏の外れでまだ自然が残っていた場所で少年時代を過ごしたという。
    昆虫の面白さに目覚めるのは少年——といっても小学生——が限界だろう。無心で野山を駆け巡り、昆虫の楽しさに触れない限り、素直な気持ちで昆虫たちと向き合うことはできない。本書はそういった昆虫との付き合いの始まりを、少年時代から回想している。
    ファーブルの『昆虫記』との出会いも重要だ。『昆虫記』は戦前に山田吉彦が翻訳してくれたおかげで日本中の少年たちが、昆虫の神秘に出会うきっかけを与えてくれた。
    山田の著作に

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    2022年08月05日
  • クレオール主義

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    ネタバレ

           -20090527

    クレオール主義とは、なによりもまず、言語・民族・国家に対する自明の帰属関係を解除し、自分という主体のなかに四つの方位、一日のあらゆる時間、四季、砂漠と密林と海とを等しく呼び込むこと-。混血の理念を実践し、複数の言葉を選択し、意志的な移民となることによって立ち現れる冒険的Vision‥。

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    2022年10月20日
  • 宮沢賢治 デクノボーの叡知(新潮選書)

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    賢治は分析しすぎてはいけないということが分かった。
    難しいことは考えず、あの透明感を自分なりに咀嚼するのがいいと思う。

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    2020年06月13日
  • 宮沢賢治 デクノボーの叡知(新潮選書)

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    「新しい相貌を照らし出す画期的批評」とあるけど、その「新しさ」が分かるほど賢治の批評に接していないところが辛いところ。
    けっこう読みにくいし、これが文学研究者のスタイルなのだとしたら、ちょっと牽強付会に過ぎるような。そんなに新しい解釈を求めなくてもいいんじゃないかなぁ。

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    2019年11月12日