岡田正大のレビュー一覧
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【メモ】
・企業の戦略=競争に成功するためのセオリー
→業界の構造として重要な部分はどこで、競争優位を獲得するにはその業界構造をどのように活用すべきか
・競争優位=その企業の行動が経済価値を生成しており、かつ同様の行動を取っている競合企業がほとんど存在しない場合に成立する
・創発戦略=企業がある業界や市場で事業運営している最中に時間の経過ともに「現れ出る」戦略のこと
・企業のパフォーマンス=実際に創出された利益と期待された利益を比較することによって定義される
・SWOT分析
→脅威に着目したのがポーターの5つの競争要因
①新規参入の脅威②競合の脅威③代替品の脅威④供給者の脅威⑤購入者の -
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上巻では外部環境分析及び内部環境分析について書かれており、この中巻ではその分析結果を活かした戦略について書かれている。上巻を読んだ後に読む本であることは言うまでもない。コストリーダーシップ戦略、差別化戦略という2つの戦略から始まる。コストリーダーシップ戦略、差別化戦略の両立の例や、各戦略を実現するための組織構造も学びが多く。戦略は組織に従うという考え方がベースにあるのかもしれない。その後にあるリアル・オプション戦略の考え方は企業経営のみならず人生の戦略への示唆も大きいのではないかと考える。オプションという英語を日本語にすると選択肢となる。また、金融のオプション理論から来ているため難解な数式も登
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上巻ではファイブフォース分析による外部環境分析とVRIO分析による内部分析を扱っている。業界内における持続的競争優位を確立する上で基本的になる考え方である。企業経営の文脈ではもちろん、個人の人生の戦略としても活用できるのではないだろうか。企業の目標は使命の実現などあるだろうが利益により測定される。では個人の目標はと考えると、幸福の実現でありそのために一定の収入(利益)が必要であり、その構造は企業と大きくは変わらない。今生きるこの世界、社会を分析したうえで自らが持つ競争優位を認識してそれを活かした活動を行うことでより幸福に近づくことができるといえるのではないだろうか。価値のある希少で模倣不可能な
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(上中下巻あわせての感想)
これまで読んだ経営戦略の分野では、バーニーの「企業戦略論」が一番好きで、私が、いろいろ経営戦略系のことを考えるときの基盤になっているように思う。
私は、「なんて明確に論理立てて説明してくれる本なんだろう!」と思っていて、経済学の基礎知識がある人は、賛同してくれるのだが、そうでない方には、どうも「難しい」らしい。
そんな「企業戦略論」の新版。
「いや〜、もうロジック系、戦略系は十分です。卒業しました」と思いつつ、一応、確認のため読み始めたら、これがやはりすごくて、一気に読んでしまった。もやもやがスッキリと晴れわたる感じです。
前の日本語ヴァージョンの原著は、 -
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中巻はコストリーダーシップ戦略、差別化戦略、柔軟性オプションの3つに焦点を当てている。柔軟性オプションはマイケルポーターらが3つめの事業戦略として提唱したニッチ戦略(集中)に代わるものとして説明されていて、より現代の不透明な市場にフィットしていることが理解できた。また、これらの戦略は共存しうるかという疑問を以前から持っていたが、その問いに対する筆者の考えも含まれていた。
製品差別化は企業内の個人や集団の想像力で造られるものであるが最終的には顧客の認知によって成立するものということや、どの戦略を採用してもそれは組織体制と結びついてこそ機能することなどは特に重要だと感じた。 -
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上巻、中巻が個別事業の戦略であり、下巻は全社戦略であり多角化や提携、買収を扱う。上巻、中巻の議論が議論の前提となっている。もちろん全社戦略を担当する方にとって基本的言語というレベルで必要だと思うが、そうではない個人にとっても示唆に富んだ本なのではないか。
コングロマリットディスカウントという言葉がある。多角化したコングロマリットの企業価値が、それぞれの各事業の事業価値の合計額を下回っているという状況を指すものである。ラーメン専門店と牛丼専門店がラーメンと寿司の店を開いたとする。ラーメンを食べたい人はラーメン専門店に行き、寿司を食べたい人は寿司専門店に行ってしまうのではないだろうか。経営学者には -
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バーニーの企業戦略論の中巻。中では事業戦略を扱う。コストリーダーシップ、製品差別化、リアルオプション、共謀。
コストリーダーシップによって競争優位を獲得する場合、仕組みによってコストダウンに成功していれば競争優位は長く続く可能性がある。製品差別化には様々な方法があるが長期的に優位に立てるかどうかは製品の模倣性による。事業環境が読めないとき、不透明な時はリアルオプションの戦略がありうる。オプションの計算はブラックショールズなどあるが、要は将来事業を拡大するのか縮小するのかなどの様々なオプションがとりうると言うことを踏まえたオプション型思考をすることが重要。最後は共謀。これは仕組みとして理解してお -
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言わずと知れたJ・B・バーニーによる企業戦略論の上巻。ここまでわかりやすいのかというのが衝撃だった。引っかかりもなく(それが悪い可能性もあるのだが)スルスルと読めてしまった。
バーニーになってポジショニングだけではなく企業の内部環境に注目すべきという理論が生まれたわけだけど、その白眉がリソース・ベースド・ビュー、VRIOになる。企業が競争優位性をどこで獲得するのか要はそれが競争に勝ち抜くためには重要でその分析をすべきなんだということなんだと思う。
実際に戦略を立てる際にはもう一歩踏み込んだ分析が必要で、その方法論は中巻以降で語られるのだろうか。楽しみである。
どこかにあるのかも知れないけれど、 -
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企業戦略の王道の1つであるジェイ・バーニーの企業戦略論の中巻。
マイケル・ポーターに代表される「市場で儲かるポジショニングを取ることが大事」というポジショニング派に対して、バーニーは「市場ももちろん大事だが、企業固有の価値創造能力のほうが大事である」というケイパビリティ派の雄である。
全社戦略をそれぞれVRIOの視点で分析しており、それぞれの狙いや気を付けるべきところが解説されている。Vは経済的価値、RとIは持続的競争優位、Oが組織体制である。メリットだけでなくデメリットや、気を付けるべきポイント、演習問題などがあり深く考える時間も取れることから、全編通して非常にわかりやすい良書である。
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