維羽裕介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ジョジョの奇妙な冒険の登場人物・岸辺露伴が主人公のスピンオフ作品で短編小説集。
「くしゃがら」:本人も言っているが本当に露伴らしくない。だが、自分よりも熱狂してる人がいると自身は冷めるのは現実でもある。最後に謎の編集者の存在がじわりと恐怖感を演出していて上手い。
「Blackstar.」:スパゲッティ・マンは都市伝説だ。怪談は幽霊の話、だが都市伝説の多くは正体不明の存在が相手だ。謎の存在は人の恐怖心と好奇心を同居させる。自身の写真を見たいとダメが同居する。
「血栞塗」:好奇心は猫をも殺す。ダメと言われるとやりたくなる、だが多くの人は分別を付け妥協してある程度で止める。この2人越えてはいけない境界線を平然と越えているが、憧れていいの?これ?
「検閲方程式」:好奇心は猫をも殺すパート2。露伴の好奇心は超次元レベルに達している。それを方程式にしたら何か起きそうと好奇心一般レベルは思う。
「オカミサマ」:好奇心は猫をも殺すパート3。好奇心は~パート1、2と違って軽い気持ちでやって痛い目を見る。学習してよと思う反面、露伴はこうでなくちゃねと納得してしまう。だが、作品のために妥協しない姿勢はこれまでの経緯がアホみたいだが素敵だなと思った。
岸辺露伴は叫んでる。各話で叫んでる。ほぼほぼ自業自得でそうなっているが、ほぼほぼ死にかけてるから叫びたくもなるだろう。だが、岸辺露伴は妥協しない、自身がそれを許さない。危険を承知でいけるのは無謀か勇敢か、いこうとすら思えない自分は冷静か臆病か…考えてしまう。 -
Posted by ブクログ
相変わらず猫をも殺す好奇心のせいで何度も死にかける露伴先生。
この間読んだ『戯れない』よりもこっちの方が好みかも。ホラー感がより強い気がする。
ドラマ化された「くしゃがら」、メリーさんの電話を彷彿とさせる「Blackstar. 」、対象を本にする〈ヘブンズ・ドアー〉と相性の良すぎるプロップが出てくる「血栞塗」、異色の壮大な世界観を持つ「検閲方程式」、〈債務と責任〉がテーマという、この中では最も大人的なストーリーの「オカミサマ」。
どれもエキセントリックかつビザーレで楽しめた。もっと長編で読んでみたい。
北國ばらっど氏の書く会話文が一番ジョジョっぽかった。 -
Posted by ブクログ
前作からの続き物。
前作では登場人物紹介に終始したようだったが、今作ではポーカーの試合があり、青春学園モノの名に相応しい?合宿もありと盛りだくさん。
試合描写はボードやスタック、ポッドの状況など細かく書かれることで、時々の心理状況やハンドの考察にリアリティが増していてよかった。
合理的な思考でプレイする浦原甚助の視点でポーカーの試合が進むので、ポーカーとしての魅力が伝わるのはいいところだと思う。
一方で、ポーカーに不慣れな人には理解しにくいと思う。イラストレーターさんには申し訳ないが、挿絵を入れるぐらいならその時の状況を図示した方がよほどわかりやすいと思う。
前作同様、倶楽部が出来た由縁や中学生という設定といった物語としてのリアリティはあまりないし、青春エンタメ小説というキャッチコピーにもピンとこないが、ポーカーを主軸として読めば十分楽しめると思う。 -
Posted by ブクログ
岸辺露伴を主人公としたJOJOのスピンオフ作品「岸辺露伴は動かない」シリーズの短編小説集。
外伝やスピンオフ作品の存在を、原作を親としたら子供のようなものみたいな表現がありますが、スピンオフ作品(漫画)の小説集というのは、x親等の存在になるのかしら。甥姪?
実写ドラマ化が話題となることが多い「岸辺露伴は動かない」シリーズ。自分も楽しみにしています。オリジナル要素を混ぜ込んでドラマの岸辺露伴として魅力的でいいですね。ドラマだと六壁坂を物語の核に据えたシリーズが好きでした。
ドラマに小説集の方から「くしゃがら」のエピソードが扱われていたので、小説も追いかけないと楽しめないな、と思って読み始めました。小説集「岸辺露伴は叫ばない」です。
「くしゃがら」「Blackstar.」「血栞塗」「検閲方程式」「オカミサマ」の5篇。
毎度のことながら露伴センセーは、好奇心で頭を突っ込み、心身を危険にさらして、漫画のネタを探しています。受動でも能動でも、結果的にネタ探しになっているというか、しているというのが業の深さです。
スタンドであれば原則人間同士なのですが、「動かない」シリーズで相対するのは、ほとんどが人間以外の存在であるので、下手に触れてはいけない分野なんだよな。
己のテリトリーに侵入した。発動条件を満たしてしまった。罠にかかってしまった。
なんにせよ、トリガーが動いてしまったら逃れることはできないというのが基本で、そこをヘブンズドアーというイカサマみたいなもので掻い潜っているのが露伴センセーです。
「血栞塗」が好きです。
あの司書を、荒木飛呂彦が描いたあの司書を見たい、というのが最初にきた感想で、追い詰められてゆく時の迫力が圧倒感が良かった。強者のプレッシャーで動けない、というよりも、逃れられないの絶望と諦観の混じった脱力があったように思います。
強者としてだけの立居振る舞いよりも、得体のしれなさが先に立つのがJOJOの登場人物に感じる迫力で。ディオになくてDIOにあるのはそれ。それがカリスマ性につながっているのではないでしょうか。あの司書にも、同様の得体のしれなさがありました。
文字だけで登場人物の激昂台詞を読むと、なかなか違和感を感じてしまう。「オカミサマ」とか。あのJOJO特有の台詞回しといいますか、漫画の絵と言葉で構成されているから、印象が強く効果的なんだな、と再確認。