ヒラリー・ウォーのレビュー一覧

  • 生まれながらの犠牲者

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    ネタバレ

    待望のヒラリー・ウォーの新訳。
    ボズウェルの実話集『彼女たちはみな、若くして死んだ』を読んでいたので、犯人は早くから目星がつくのだが、最後に明らかになる動機が辛すぎる。
    淡々と事実を述べていく実話集も凄みがあったが、小説になるとなんという悲しさだろう。
    読み終えてタイトルの意味するものに気づく。

    警察小説として優れている。ひとつひとつ事実を積みあげ、曖昧なものを潰していく捜査過程を読むのが好きなので、ヒラリー・ウォーをもっと読みたい!

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    2019年11月07日
  • 失踪当時の服装は

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    ある美人女子大生が学生寮から謎の失踪、幾日か過ぎる。地方警察官の地道な捜査といったら、すぐに思い出すのは松本清張さんの初期作品の新鮮さですけどね。
    「構造がいたってシンプル」で淡々と物語が進むのに、読むのが止められない、というのは惹句どおり。清張さんにはにじみ出る暗さがありましたが、こちらは深刻なストリーなのに淡々としていて、しかもその当地の警察署長と巡査部長のキャラクターがだんだんに濃厚になってくるのは、ほほえましいものがありまして、のちの「警察ものの」お手本でもありそうです。アメリカミステリーの古典(1952年)でしょう。

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    2019年06月30日
  • 失踪当時の服装は

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    警察捜査小説の嚆矢ということですが、時代の違いや、国の違いも有り腑に落ちない所もあった。

    ただ、圧倒的な執念と推理力で、犯人を追い詰めていくフォード署長を中心とした警察官の姿には心を打たれた。

    犯人は早い段階で目星がついたが、この小説は犯人当てより、その過程を描く事に主眼があるので気にはならなかった。

    それにしても、犯人の女性をたらし込む技術は羨ましい。具体的な事は書かれてないがあやかりたい。

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    2018年08月25日
  • 失踪当時の服装は

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    警察小説として名高い本書ですが、宮部みゆき氏の推薦の言葉にある通り「捜査小説」の方がしっくりきます。
    一人の女学生の失踪事件をしつこいほどに徹底的に捜査する過程を、じっくりと楽しむ1冊でした。

    現実的な捜査ですから当然聞き込み、考察、捜査の繰り返しでとっても地味。
    サプライズや派手な演出はなく、個性的な登場人物もいません。
    しかし、ジリジリと真相に迫っていく過程は楽しく、地道に積み重ねたものが結実するラストは気持ちいい。地味ながらしっかりエンターテイメントをしていたと思います。

    途中がたるくなりますし、人間ドラマも何もないので退屈な面もあるんですが、余計なものを全て排してひたすら捜査過程を

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    2016年01月21日
  • 失踪当時の服装は

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    このところ短編が続いたので、ガッツリ集中して読めるものを。
    ということで、『米澤屋書店』で紹介され積読になっていたこちらをチョイス。さらに帯には宮部みゆきさんの推薦文が。うーん私得!

    一言で感想を述べるなら、「警察の執念ってすごい!」。
    よく耳にする「徹底的に洗え」がどんなものか、それをまざまざと見せつけられて恐れ入りました。

    カレッジ1年生のミッチェル嬢はどこへ行ったのか?
    それ一本で書き通すのかと思いきや、中盤からはもう一捻り。しかし、フォード署長らのやることは変わりません。
    歩き、話を聞き、あらゆる証拠を集め、また歩く。
    特に、筆跡のメモをもとにニューヨーク中のホテルの宿泊者名簿を虱

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    2025年07月30日
  • 失踪当時の服装は

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     1950年代の本格警察捜査ミステリのエポックメイキングとされている作品。
     登場人物の深い心理描写や魅力的な探偵・刑事が出てくるわけでも、突飛なトリックが用いられているわけでもない。行方不明になった女子学生をめぐる警察署長とその部下の刑事たちの執念の捜査。これが淡々と語られる。現代的には、この点で少し物足りなさを感じるが、先が気になる不思議な魅力がある。秋の夜長にぴったりな1冊かもしれない。

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    2024年11月04日
  • 失踪当時の服装は

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    1950年でも全く違和感なく楽しめる。

    でもこの時代の貞操観念って、日本とあまり変わらなかったんだって意外かも。

    いろいろなトリックミステリーよりも、こんな地道な捜査系が好きだと改めて気付かされる。

    旅の電車の中、古典ミステリーはなぜか相性が合う!

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    2023年06月24日
  • 失踪当時の服装は

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    ネタバレ

    期待して読んだが、私には合わなかった。ちょっと署長の偏見が強すぎる。あと思い込みが激しすぎる。
    被害者がジーパンで学校外に出てはいけない、ってびっくり。1950年代とは今とは全く違った価値観だったのだ。
    他の方々のレビューでは「署長と巡査部長の掛け合いが面白い」という意見が多かったが、私はあまり笑えなかった。

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    2022年07月02日
  • 失踪当時の服装は

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    アメリカの作家ヒラリー・ウォーの長篇ミステリ作品『失踪当時の服装は(原題:Last Seen Wearing...)』を読みました。
    ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。

    -----story-------------
    ●宮部みゆき氏推薦──「『捜査小説とはこういうものだ』というお手本のような傑作」

    1950年3月。カレッジの一年生、ローウェルが失踪した。
    彼女は成績優秀な学生でうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由もわからない。
    事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと推理・尋問で見事に解き明か

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    2022年05月14日
  • 失踪当時の服装は

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    結末が予想できないという意味では面白かったけど、わりと淡々と進むので物足りなさもある。
    約70年前の小説なので、最近のものと比べてはいけないとは思うけど。。

    警察の捜査がかなり緻密に行われているのが分かってよかった。
    題名もぴったり。

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    2021年03月14日
  • 失踪当時の服装は

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    ネタバレ

    さすがに、時代が変わっちゃったかなーという印象。
    この町の警察署長は、もはや、警察だか、街を牛耳る(自分は正しいと思い込んでいる)暴力団だかというレベルwで現実味がない。
    とはいえ、たまたまこの本を読んでいた時、TVで「ランボー」をやっていて。それを見たら、少なくとも80年代の前半くらいまでは、「この町では、俺が法律だ/正義だ」みたいな警察はアメリカでは珍しくなかったのかもしれないなーと思った。
    ★3つは、この手の小説の先駆ということで、かなりオマケw

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    2020年02月11日
  • 失踪当時の服装は

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    地道な捜査が実を結び、真相が明らかになる……のはいいのだが、その捜査方法が旧態依然としている。つまりは違法捜査で、なんとも言い難い。

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    2019年03月16日
  • 失踪当時の服装は

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    地味、地味、ひたすら地味。
    でも面白い。一気に読めた。
    地道な捜査だからこそ?一緒に捜査しているような錯覚に。これは結末にたどり着くまで中断できません!

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    2017年09月10日