ヒラリー・ウォーのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
警察小説として名高い本書ですが、宮部みゆき氏の推薦の言葉にある通り「捜査小説」の方がしっくりきます。
一人の女学生の失踪事件をしつこいほどに徹底的に捜査する過程を、じっくりと楽しむ1冊でした。
現実的な捜査ですから当然聞き込み、考察、捜査の繰り返しでとっても地味。
サプライズや派手な演出はなく、個性的な登場人物もいません。
しかし、ジリジリと真相に迫っていく過程は楽しく、地道に積み重ねたものが結実するラストは気持ちいい。地味ながらしっかりエンターテイメントをしていたと思います。
途中がたるくなりますし、人間ドラマも何もないので退屈な面もあるんですが、余計なものを全て排してひたすら捜査過程を -
Posted by ブクログ
このところ短編が続いたので、ガッツリ集中して読めるものを。
ということで、『米澤屋書店』で紹介され積読になっていたこちらをチョイス。さらに帯には宮部みゆきさんの推薦文が。うーん私得!
一言で感想を述べるなら、「警察の執念ってすごい!」。
よく耳にする「徹底的に洗え」がどんなものか、それをまざまざと見せつけられて恐れ入りました。
カレッジ1年生のミッチェル嬢はどこへ行ったのか?
それ一本で書き通すのかと思いきや、中盤からはもう一捻り。しかし、フォード署長らのやることは変わりません。
歩き、話を聞き、あらゆる証拠を集め、また歩く。
特に、筆跡のメモをもとにニューヨーク中のホテルの宿泊者名簿を虱 -
Posted by ブクログ
アメリカの作家ヒラリー・ウォーの長篇ミステリ作品『失踪当時の服装は(原題:Last Seen Wearing...)』を読みました。
ここのところ、アメリカの作家の作品が続いています。
-----story-------------
●宮部みゆき氏推薦──「『捜査小説とはこういうものだ』というお手本のような傑作」
1950年3月。カレッジの一年生、ローウェルが失踪した。
彼女は成績優秀な学生でうわついた噂もなかった。地元の警察署長フォードが捜索にあたるが、姿を消さねばならない理由もわからない。
事故か? 他殺か? 自殺か? 雲をつかむような事件を、地道な聞き込みと推理・尋問で見事に解き明か