高橋篤史のレビュー一覧
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近年日本で起きた粉飾決算を巡る話を取材したことが書かれている本。
主な話はカネボウの話とメディア・リンクスに関わる話。おまけにライブドアの話が少し。
取材した内容を淡々と描いてるだけなんだが、その濃さに圧倒される。
大きな話なので関わる人も多いのは当然なのだが、裏帳簿だ裏金作りだ税金逃れだといった話ではなく、関わっていた人のほとんどが全容がわからない、不正とは認識できないで行われていたもので、読み進めて全容が見えてくるにつれて、どんどん話が大きくなる様は単に取材内容を書いているだけなのに良くできた経済ドラマを読んでいるかのように感じられた。
経営に携わる立場を目指す人はもちろん、営業を仕事 -
Posted by ブクログ
ネタバレバブル後の不況と続くミニバブルのなか、数々のブラックな噂を撒き散らし、やっぱりな感じで破綻した商工ローンと、庶民の味方をうたいながら、あらびっくり、ブラック商工ローンと、実はズブズブの関係にあって、日本初のペイオフ発動を伴い、お国のなけなしの引当金の大半を引き剥がしつつ、ど派手に潰れた日本振興銀行。
両行を牽引していた、二人の経営者の隆盛と凋落を追った評伝。
おもに飛ばしの手法を用いた粉飾―大島・木村両氏が最終的にやったことは似たようなものですが、そこに至るまでの経緯や、両者のタイプが対照的なのが面白いところです。
一方の大島さんは、スケールこそ群を抜いているものの、よくある強欲経営者で -
Posted by ブクログ
丁寧な取材の積み上げをもとに書かれた、一級の経済ドキュメントです。この手の本は書き手が上手で題材が良くても取材が足りなければ消化不良になってしまい、ごろつきジャーナリズムの記事と大差なくなってしまいます。また取材が丁寧でも分析力や筆力が不足していれば読み物としての面白みがなくなります。
SFCGと日本興業銀行を経営していた、大島健伸氏と木村剛氏。全く接点のなかった二人がそれぞれの会社の経営行き詰まりを背景に一瞬交差し、「債権の2重譲渡」という前代未聞の結末を迎えわずか3カ月で蜜月が破たんします。
詳しくは是非本書を読んでいただきたいと思いますが、共通しているのは、両社とも「社会的な意義」 -
Posted by ブクログ
題名通り、創業者が如何に失敗していくか、という話なので内容自体はマイナスな形でどうしても終わってしまいます。なので、後味が悪いと感じる方は多いかもしれません。
他方、この会社はこんなことをしている会社なのか?という社会的な勉強ができるので、その観点からは良いと思います。例えば、ロッテはお菓子で知っていますが、いまや韓国ロッテが主力で韓国では化学やホテルなど、お菓子とは別の事業をたくさんしていることは初めて知ったので勉強になりました。
社会的・常識的なことの勉強にはオススメです。
ちなみに、もちろん悪いことはしてはいけない、家族・親族は仲良くした方がいいと自分を戒めることもできます。 -
ネタバレ 購入済み
面白い
創業者が道を外れて行くのは仕方ないと思うが、2代目3代目は、資産の奪い合いで道を外れて行くのが多いことを見て、家族には何も残さず、ビジネスのイロハや金の教育を施す方が大事なんじゃないかと思って読んだ。
しかし最後に村上ファンドの話で締めくくるとは。
何が正解なのかは、マジでわからないと言うのが読了後の感想です -
Posted by ブクログ
カネボウ、メディアリンクス、ライブドアといった当時新聞紙上を賑わせた粉飾決算について、著者自身の取材を含め、詳細な記述がなされている。
粉飾には様々なパターンがあるが、本書で取り上げられた企業の例は、『慢性的業績不振』や『実力の伴わない上場』が発端になっているようだ。粉飾により延命を図ろうとすればするほど、深みにはまり込んでいく。。
粉飾自体許されるものではないが、さらに恐ろしいのは、粉飾に手を染める(窮地に陥った)上場企業には、"怪しげな"勢力が入り込む危険性があることだ。こうした勢力が入れ替わり立ち代わり現れては、上場企業を喰い物にしていく。かくして、"怪