ロレッタ・ナポリオーニのレビュー一覧

  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    編み物が抵抗のツールとして多くの場で使われてきたということにとても驚いたけど、実際に自分もプロテストグッズを編んでみたりしていくと、確かにこの行為は抵抗であり、ケアであると実感する。
    編み物をやらない人には読みづらい部分があるかもしれない。でも「抵抗の社会史」としてぜひ読んでみてほしい1冊。

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    2025年08月02日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    フェミニズムも色々。幅があるのはそれだけの厚みになってきたということ。おばあちゃん、素敵。そういう語り方もあるよね。

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    2025年04月30日
  • 人質の経済学

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    【誘拐ビジネスを繁栄させる要素として、無政府状態、経済発展、そしてもちろん、強欲を挙げることができる】(文中より引用)

    外国人の誘拐や難民の密入国といったテロ組織や犯罪集団が生業とする「ビジネス」に光を当てた作品。数々の犯罪の裏で資金がどのように動いているかを明らかにしていきます。著者は、マネーロンダリングに関する研究の第一人者として知られるロレッタ・ナポリオーニ。訳者は、上智大学を卒業し翻訳家として活躍する村井章子。原題は、『Merchants of Men: How Jihadists and ISIS Turned Kidnapping and Refugee Trafficking

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    2020年02月05日
  • 「イスラム国」はよみがえる

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    2014年ごろ、シリア、イラクの国境周辺で勢力を拡大したイスラム国。巧みなプロパガンダと人質を利用した交渉で多くの国を翻弄しました。それまでに数多く存在したテロ組織とは別次元の勢力になぜ成長できたのか、イスラム国とはそもそもどいういう存在なのかを解説しています。
    「イスラム国建国はユダヤ人にとってのイスラエル建国と同じ位置づけである」、「永続的な国家建設が究極の目的であるので、被支配者を恐怖で押さえつけるのではなく、人民からの支持を優先させる」、「人民からの搾取ではなく石油産業などの経済活動から収入を得て、それを再分配することで戦闘員や被支配者の不満をそぐ」等々、彼らが単に暴力に頼って自らの要

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    2018年02月16日
  • 人質の経済学

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    メディア情報をいかに高度な技術で検証しようとも、しょせん我々は中東諸問題の上辺しか見れていないし、本質を理解することはできない。難民から搾取するために斡旋業者と国家がグルになる。オークションのように吊り上った身代金は、犯罪者の街を潤すばかりか流通する貨幣すらも変えてしまう。ジャーナリストにとって同志だと思われていた反政府組織が、金のために簡単に寝返る。想像するのも悍ましいぐらいだが、これが中東諸問題の実態なのである。冷戦が終わり、グローバリゼーションがもたらした世界を著者は「新世界無秩序」と表現する。海賊で悩むソマリアも、イスラム国のテロによる被害者も、シリア政府に弾圧されている人々も、人道支

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    2017年07月30日
  • 人質の経済学

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    イスラム国に後藤健二さん、湯川遥菜さんが殺害されたニュースは衝撃的でした。人間の命を交渉の材料として利用するに至った背景を今から20年ぐらい前の世界情勢からたどります。
    身代金の決定プロセス、助かる人質と助からない人質は何で決まるのか、なぜ現地のリスクを理解しない若者が危険なエリアに次々と向かうのか、など興味深いテーマについて誘拐から生還した人や、身代金の交渉人などの当事者のインタビューから紐解きます。
    「どこの政府でも人質の解放のためには多かれ少なかれ身代金を払っている」、「現地のリスクを正しく理解せず、正義感だけで現地から報道することは慎むべき」、「誘拐から数週間のうちなら数千ドルで解決で

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    2017年03月18日
  • 人質の経済学

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    人質ビジネスについて、経緯、事例など詳しくまとめられていた。
    21世紀の現代に起こっていることとは容易に想像できない、悲惨な現状を知った。
    誘拐、海賊、不法移民などすべてつながっていて、犯罪組織の資金源となっている。日本も他人事ではない。
    大変興味深い本でした。

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    2017年01月21日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    思ったよりも社会的、特にフェミニズム的な内容が多くて面白かった

    絡まった時潔く解ける人が良い編み手
    色々な意味を含む素敵な言葉

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    2025年10月31日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    編み物の持つ力。私の名前は「編子」という。名前負けしてはいけないと思い、小学校高学年ぐらいから編み物を始めた。主にかぎ針編みが得意。棒針も時々やるが凝ったものは編まない。単なる趣味の域を出ないものだと思っていたが、編み物にこんな歴史があったとは。内容は主に欧米の近現代史にスポットがあたっている。
     縄文時代の縄模様。そしてどうやらそれぐらいのむかしから「あんぎん・編衣」というものがあったらしい。機織り以前のことだ。道具は編み針のみ、そして糸があれば編める。民衆の手仕事の象徴となるのはわかる気がする。さて、これからは編むための糸の自給についても考えていかねばならないのではと、読み終えてぼんやりと

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    2025年09月17日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    すごく好きな本になった
    編み物と、男女を問わず編みながら小さな世界をいつの時代も変えているという事実や、戦時下、産業革命中の革命の武器にもなりつつある希望などを知り、編み物がしたくなる。
    好きなフレーズは、
    優れた編み手は大きな間違いを治すために自分がした作業をほどく勇気をもっている というフレーズ。

    これは日々の生活においても通ずるものがあると思っている。過ぎたものも間違えと思えば引き返し、やり直す力、間違いを認めてやり直す力は本当になかなか身につかないし、それでも大切なこと。またこの本を読みたいと思った

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    2025年08月13日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    とても興味深い内容だった。編み物がもたらす良い効果をたくさん知ることができて良かった。また、編み物を再開しようと思った。

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    2025年06月16日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    ウール・イズ・クール
    編み物、ヘヴィメタル、カンフーは密接な関係らしい

    「優れた編み手は、大きな間違いを直すために自分がした作業をほどく勇気を持っている。糸と針が手の中にあり、後戻りしたり、やり直す勇気が心にありさえすれば、何だって直すことができると知っている。」(p.8)
    「糸は絶対に切らない、ほどく時には、一本ずつ解放することを目指しなさい。結び目があまりに硬く、糸が細すぎて切れ始めている例外的な状況の時だけ、切ってもよい。けれど、一本だけではなくて何本か切らなければならない。」(p.93)

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    2025年02月15日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    マフラーを編みながら、針休めの合間に読みました。
    こんなにも編み物が歴史と寄り添い、結びついていたとは。編み物をする私にはとても読みやすい文章でした。

    編み物が趣味ということに誇りをもてた気がします。

    <好きな一文を書き留めておきます>
    まず編み物というものが、時として孤立した個人の趣味である以上に、より大きな善のために人々を結びつける動機力なのだ

    今の編み物ブームもなにかの前向きな働きなのかと未来に期待したい。

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    2025年01月22日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    編み物について知らないことがたくさんあった。
    特に、ヨーロッパで戦時中に戦地の家族などに靴下などのニットを女性たちが編んでいたことや、ニットスパイの存在など編み物にそんな過去があったのかと驚いた。
    戦地にいる家族や恋人にニットを編むのはどんな気持ちだったのか、平和な現代日本において趣味として編み物を編んでいる私からしたらそれは想像もできない。
    それから、編み物を編みながらその編み地を暗号に使ってスパイ活動をした当時のニッターはどんな気持ちで編んでいたのだろうかと思う。命を懸けて編み物をするなんて言うのも想像すらできない。
    他にも、数学的方程式を視覚化するためにかぎ針編みで模型を編んだりと、私が

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    2024年12月22日
  • 編むことは力 ひび割れた世界のなかで、私たちの生をつなぎあわせる

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    感想
    女性が作る歴史。編み物は個人の趣味ではない。自己表現の、自己主張の強力なツール。断絶が叫ばれる現代。個人を結びつけ世界を動かすその力。

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    2024年12月11日
  • 人質の経済学

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    衝撃的な内容。読んでいてなぜ誘拐がなくならないのかがよく分かる。私の周りではシリア近辺へ行きたがる人はおらず、自身も望んだことは一度もない。そのため欧米人のシリアに対する思いというか憧れが理解に苦しい。無邪気に訪れ、バンバン誘拐されていく様子が読んでいて怖い。しかもただのインタビュー本ではなく、誘拐がいかにしてビジネスとして成り立っているか解説しているため余計に恐怖感が増す。誘拐組織にとって、人質は拉致した瞬間から毎日毎日コストのかかる投資対象となるそうだ。外国人は国籍と職業に応じて値付けされ取引される。日本は全くの無関係とは言えないが、主にヨーロッパと中東の闇を覗いた気持ちになった。

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    2022年01月03日
  • 人質の経済学

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    ネタバレ

    タイトルの通り、人質に関する経済学。池上さんお墨付きだけありなかなかおもしろい。誘拐、交渉にもいろんな法則、データがあることを知れる一冊。
    歴史的地理的背景も語られており、興味深い。
    人質ビジネス、身代金ビジネスを分析する本

    メモ
    ・9.11後のアメリカのマネロン対策により流れが大きく変わった。アメリカを経由できなくなったことにより、ヨーロッパで資金洗浄が行われるように。その流れでサヘル地域がとても危険な状況に。
    ・誘拐組織のみならず政府も人質一人あたりを値踏みし、値段づけを行なっている。

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    2019年12月28日
  • 人質の経済学

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    私たちの考える人質事件は犯罪としての認識だが、テロ組織にとってはビジネスとっては政治取引の手段でしかない。タイトル通り、犯罪もベースにした経済圏が成り立ってしまっている。そんな経済圏を成り立たせているのは実は先進国だということに気づいていない国が多い。そんな先進国のウィークポイントをうまく突かれているのが人質だという状況。不安安定な国では人権ではなく商品としての扱いが克明に記されている。
    人質、移民問題。。悪を売り物にした経済圏はどこにでも成り立ってしまっている現代の怖さを知る一冊。

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    2019年06月12日
  • 人質の経済学

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    無政府状態で様々な組織が群雄割拠、欧州政府が巨額の身代金を払うため、食料や武器を買う金を得るために誘拐する。地域経済が海賊で回るソマリア。誘拐組織のしくみを難民の密入国輸送に転用、より容易に多くを稼ぐようになった。

    グローバル化で世界のどこへでも安心して旅行できる、そんな状況がなくなっていることがわかりました。なぜ一般人や要人でなく人道支援家やジャーナリストがターゲットにされるのかも。

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    2017年07月16日
  • 人質の経済学

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    「パイナップルアーミー」「MASTERキートン」で描かれた、世界のテロ・誘拐情勢をアップデートするのに適している。
    資本主義に「人命は地球より重い」というスローガンが合わされば、必然的に生まれる、営利誘拐というビジネス。対するには「メメント・モリ」への意識転換が必要か。テロリストとは交渉しない(裏交渉もしない)、というのは、ダッカ事件の頃とは違い「国は助けてくれない」という認識が一般的になった日本なら出来そう。

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    2017年07月03日