池谷瑠絵のレビュー一覧

  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

    様々なSF映画を題材にして、ロボットと人間や社会との関わりを考察している科学新書。大して分量もないので読みやすい。

    著者は、いきなりプロローグで「人間とロボットのあいだに明確な境界はない」と言い切ってしまう。生き物を勉強してきた自分にとっても、「人間が核酸とタンパク質のロボットである」と言うことに抵抗はない。それならば「ロボットが金属の人間だ」と言ってしまうことも、十分うなずける考えである。

    もちろん人間とロボットは違うモノだと考える人もいると思う。そこで特に言われるのは、感情の欠落だろう。しかしむしろ著者は「アンドロイドだから、いくらでも表情を豊かにすることができる」と述べている。あらか

    0
    2013年07月15日
  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

    ロボット研究をここまで哲学的に見ることができるのが石黒教授のすごいところであろう.たくさんのロボットに関連した映画がネタに出てくるが,映画の見方も一味違う.

    0
    2013年07月09日
  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

    アンドロイド製作者の話を、初めて読みました。
    やはり、アンドロイドをつくっていくうえで、人間とはなんなのかという考えに行き着くのが自然なことだと思いました。

    「怒りたくても怒れない。怒っている人を見ると不思議になる。」といった、共感できるところも多く、さらに石黒浩さんのことを知りたくなるきっかけになったと思います。

    0
    2010年07月21日
  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

     遠隔操作で動かせるロボットを作っている博士の本。

     ロボットとは何か?というより、「人間と(人間が使うものとしての)ロボット」の関わりを重視している。
     コレを読むと、ロボットはモノなんだなぁとしみじみ感じる。ロボットが何が出来るか、ではなく、人がロボットに何を投影するか、という視点が興味深い。
     面白かった。

     

    0
    2010年06月07日
  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

    映画の中のロボットの描かれ方を通して、
    研究につながるリアルさ、人間を問う視線のありかたなどを検証。
    「社会のループ」に入れれば、
    ロボットであっても人間と同じ、
    コミュニケーションの取れる存在として認識される。
    人間にしたって、その心が本当にあるのかどうかを
    検証することはできないのだから。
    ジェミノイドのスイッチを切ることで、
    普段は目にすることのない「死」を感じるというくだりは
    ちょっとショックだったなー。
    ロボットに競争心を持たせることの可能性には、
    危ない部分もはらんでいると思うが、
    なかなか興味深い視点だと思った。
    「マトリックス」「サロゲート」ちゃんと見てみようかな。

    0
    2019年07月29日
  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

    SF映画と現実のロボット技術との対比の中で、「ロボットとは何か?」「人間とは何か?」を考察していくという内容。

    何かについて考察するときは、それに非常に近いものとの対比することで、「その差はどこから生まれているのか」を考えるというのが一番ストレートなやり方になる。

    ほとんど人間の代わりになるロボットが出てくるSFの世界では、「じゃあ、ロボットと人間の線引きはどこになるんだろう」という疑問を考えずにはいられなくなる。それは、やはり私たちが人間であり、人間に近いものに注目し、その差を意識する、という性質を持っているからだろう。たぶん究極的に言えば、それが人間かどうかを気にするかどうか、というの

    0
    2018年10月09日
  • ロボットは涙を流すか 映画と現実の狭間

    Posted by ブクログ

    ★映画は意外に正統派★SF映画を手掛かりにロボット研究・開発の課題や行く末を語る。ロボット研究者がSF映画を軽視するのかと思いきや、ハリウッドのSF映画の多くにはむしろ感情移入している。つまり映画は現実の延長線上にある。物語を物語として成立させるために、それだけ精緻な現実の研究分析と想像力が伴うということなのか。フィクションの世界も侮れない。「サロゲート」「スター・トレック」「アンドリューNDR114」は見よう。ただし「A.I.」はアンドロイド学者から見るとてんでおかしいらしい。

    0
    2011年08月07日